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Restricted hard realtime(その1)

2004年12月29日 04:15
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リアルタイムカーネルの探究は何年もの間、非常に多くの仕事や多くの寄付を受けて続いている。また、常に新しい人々がそれをより良くするためのアイデアを提案してきている。Paul E. McKenneyが提案したのは、他のCPUにシステムコールと時間を消費するオペレーション負荷を移動することにより、リアルタイムSMPシステムを作成するメカニズムである。

Paul E. McKenneyは今年のカーネル・サミットの直後に開催されたLinuxシンポジウムにおいて、Linux Kernel Scalability: Using the Right Tool for the Job (PDF)と題したセッションを担当していた。Paulからその「Restricted hard realtime」というメールがポストされたのは、前回のSven-Thorsten DietrichのLKMLへのポストから2週間後であった。彼はそれには(驚くべき!)多くの欠陥があることを知っていたのだが、アイデアを示すために部分的なパッチを示した。

それはリアルタイムカーネル拡張を行っているIngo Molnarらによる既存の作業にマージされていないものであった。指定されたリアルタイムCPUは、そのCPUについてのシステムコールの負荷が移動されるように、ハードコーディングされている。すなわちPPCの機能で意図的に、 CPU 0にすべての割込みを割り当てるように整列させようとしている(彼のパッチはPowerPC用だった)。例外処理やTrapではなく、システムコールに関してだけ扱うようになっている。また完全にはテストされていなかった。

しかしそれはリアルなコード(Real Code)だった。Paulはパッチのポストを、次のように締めくくった。

目的はLinuxにおいて、Hard Realtimeへと進化するパスを提供することである。Linuxの中にある可能性は、Hard Realtime応答性を分割させることができ、またそう求められている。そして一方ではHard Realtime応答を必要としない、多くの機能もあるだろう。例えば現在の技術的なトレンドでは、ディスクへの1MBの同期書込みにはある程度の時間がかかり、そして通常のリトライやエラー条件に従うだろう。このようなアプローチでは、その操作がより単純な非リアルタイムコードを持ち続けることを可能にしている。

これは、「クリーンな方法で既に実装されている」とIngo Molnarが指摘した。

Dimitri Sivanichによって実装された「isolcpus=」ブート・オプションとスケジューラ機能をチェックして欲しい。これは、同様の目的のために、「sched-domains」によって1セットのCPUを正確に分離する。このドメインに入る方法はaffinity syscall(実行CPUを同一化するシステムコール)である。また、このようなドメイン分離により、バランスは悪くなる。

Paulはこの作業を知り、喜んで確認した。Dimitri Sivanichのコードを探求した一日後、彼は言った。

「isolcpusのコードがcross-runqueueのロック獲得をすべて取り除くことを自分で証明できていないが、それは確かに多くのそれらを取り除いている。またシステムコールあるいは例外ハンドラの負荷を移すようには見えない。しかしこれは、私がこの種のことをクリアにする方法を助けてくれる。」

Paulが不要な#ifdefを削除するための小さなパッチをDimitriに送ったところ、Dimitriが答えた。「そのコードは元の私のパッチの一部ではなかったが、ちょっと見ただけで、このパッチが的を得ていると確信している。」

一方で、Thomas Gleixnerは全てのものに懐疑的だった。ひとつには彼は、「私はまだ組み込みSMPシステムを見ていない。」と言った。「SMPシステムにフォーカスすることは、主要な多くの組み込みアプリケーションの可能性を無視している。」とも。彼は以下のような既存の単一プロセッサの選択肢を示した。

Paulはこれらのいずれにも満足せずに、4番めの可能性を示した。

単一のOSに2つのCPUがあるという錯覚させる、Xen VMMのようなものである。あなたは、OSは実際には割込みを無効にすることを許可できないと言うが、替わりの方法として、与えられた「CPU」で割込みを無効であるとOSが考えても、下位層のVMMが追跡し、OSがレディになるまで、割込みの伝送を差し控えることができる。勿論マルチスレッドのCPUかSMPシステムにおいては、VMMは必要ではない。

彼は組み込みSMPシステムについての全体のアイデアに関して、「ARMのSMPサポートを見たことで、乗り越えるのはそれほど大変ではないと信じている」と付け加えた。それに対してJon Mastersが答えた。

それらはSMPをリファレンスにして実装しているようだが、多くの人は実際のところ、(明らかに増加する設計の複雑さには価値が見出せない)組み込み設計において、デュアルコア・アプローチには行きたくないのではないか。私は最近確かに、まさしくこの問題に関する長い議論をしている。他の人は賛成しないだろう。私は様々なエンジニアとの会話をもとに記述しているだけである。アイデアは結局面白くなるとは思うが、今はまだそれを進める正しいときではない。人々はまだ今これを望んでいない。
デュアルARMコア・デザインを現在持っているSmartphone製作者と話しなさい。一方でLinuxを走らせ、他方ではGSMとその他のphone関連のためのRTOSを実行している。そして彼らは実際に、設計の複雑さを単一コアに縮小したいと言うだろう。人々と話していると、マルチコア・デザインが確実に良い状況なことは聞いている。しかし一般人はまだ、あなたの方法のリアルタイムに対応するところまでは行かない。確かにそこには、ひとつのOSしかない。恐らく意見を異にするところである。しかし我々は今、全てがマルチコアである状況にはいない。従って一般を納得させることはできない。
私の異なる意見については全てを言ったということで、高解像度画像処理機器を作るいくつかの人々向けのSMP PPC(PowerPC 405ハードウェアコアを2個備えたXilinx Virtex IIpro)カーネルとユーザスペースをハックした話をしよう。それは、パルス信号およびデータ取得に対する非常に正確な(ナノ秒/マイクロ秒精度の)コントロールを含んでいる。我々はまさしくLinuxのこの決定的な応答レベルを明らかにできないため、結局個別コアにジョブを依頼している。あなたのアプローチがハードウェア開発者を納得させることは、ありそうもないだろう。しかし、私は今後、ある時点でそれが魅力的になる場合があると推測している。

まだこの続きがあるのだが、それは次回に。

カーネル2.6のリリ-ス(その15)-(日高亜友)
2007年07月01日 19:05 更新