Ubuntu Dapper Drake遅延に関する結論の期日

Ubuntuの次リリースDapper Drakeはこれまでのリリースとは違ったものになると、開発に携わる開発者は言っている。実際、あまりに違うため、Ubuntuプロジェクト創設者Mark Shuttleworthは、新しいLinuxユーザも熟練のユーザも等しく夢中にさせるこのディストリビューションを最終的に磨き上げるため、リリースを6週間遅らせることを提案した。ShuttleworthやUbuntu周辺の開発者コミュニティは、Dapperを最初のエンタープライズレベルのリリースと呼んでいる。

この延期について話し合われたIRC会議で、Shuttleworthとその他の主導的な開発者たちは、6週間の延期がなくてもDapperはリリースできる状態にあると断言したが、このリリースで提供される機能の飛躍への期待が非常に大きいため、できるだけ良い製品をエンタープライズレベルで提供するためにデストリビューションを磨き上げる時間をすべての開発者に与えたいとShuttleworthは発言した。

会議の参加者からは、当初の期日でリリースを進め、それとは別のエンタープライズリリースを数週間後に追加してはどうか、という提案があった。この案に対するShuttleworthの答えはこうだ。「[Ubuntu]Webサイトのどこかにも引用されてるが、『フリーの手抜きリリースを有料エンタープライズリリースと組み合わせることはしない』と以前に言っている」

リリースの遅れが否定的な報道の引き金にならないか心配する声も会議では聞かれたが、Shuttleworthは時間が増えるおかげで「新しいローカライズ作業を実行できる」と応じた。Dapperリリースが遅れることはUbuntuの将来のバージョンのリリーススケジュールに影響するだろうが、次の「Dapper型」リリースまでに元の予定に戻る、というのが彼の見解だ。

また、Shuttleworthは、Dapperの次のリリースで提供される”豪奢な”機能についてもほのめかした。IRCログに彼の書き込みがある。「Dapper+1は愉快で欲張りなリリースになる。結果としてDapperより安定性はどうしても落ちるが、Dapperがあるおかげで、最高度の安定性を欲しがるユーザには『Dapperを使ってください。今は次の大変革の土台を築いているところで、土台が少々粗削りなのは普通ですから』と言える」

Shuttleworthの電子メールによると、UbuntuのTech BoardとCommunity Councilでは、このような議論を考慮に入れたうえで、結論を今週末(訳注:3/19)までに発表する予定だ。

それまでの間、情熱的なアップデート家は、待ち時間がさらに長くなりそうな情勢だが、プリリリースのDapperに手を加えたりapt-get dist-upgradeを行ったりしないで公式リリースを待つ方が安全だろう。

Dapperに移行したUbuntuユーザからは、自分のシステムで発生したさまざまな問題(どれも開発リリース(development release)にありがちな問題)が報告されている。BreezyとDapperはかなり異なるため、経験の浅いUbuntuユーザはdist-upgradeの使用を控える必要があるだろう。今の時点では、忍耐がUbuntuのユーザと開発者にとって重要と思われる。

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