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Linuxオーディオプレイヤーを求めて

2006年04月07日 10:09 Peter-Enseleit(2006年4月4日(火))
最近、集めてきて保存して聴く音楽といえば、ほとんどがデジタルメディアのものだ。そこで、自分のしたいことが全部できるLinuxのオーディオプレイヤーを探そうと考えたのだが、これほど多くの選択肢があろうとは思ってもみなかった。16種類ものアプリケーションを評価した結果、機能とパフォーマンスのバランスに優れた3つのプレイヤーを探し出すことができた。

評価に先立って、自分がLinuxオーディオプレイヤーに何を期待しているのかを考えた。私が普段聴くのはMP3およびOgg Vorbisの楽曲ファイル、CD、MP3ストリーミングのインターネットラジオ番組、ポッドキャストだ。そのうちにFLAC形式の楽曲ファイル、RealMediaおよびWindows Mediaのストリーミングラジオ、iPod互換のファイル、Windowsオーディオファイル形式(WAV、WMA、ASF)も聞きたくなるかもしれない。

評価の環境は次のとおり。使っているハードウェアは、Intel製82801CA-ICH3サウンドカードを搭載した東芝製ノートPCのTecra 9000だ。ソフトウェアのほうは、Ubuntu Dapper Drake 6.04、GNOME、Advanced Linux Sound Architecture(ALSA)を利用している。Dapper DrakeはまだUbuntuのベータ版であり、動作が不安定になることがあった。UbuntuのAPTソフトウェアリポジトリからオーディオプレイヤーを見つけ出し、それぞれのオーディオプレイヤーの評価に専念した。

プレイヤーのいくつかは、ほかのプラットフォームの著名なプレイヤーに似せて作られている。ここでは、WinAmp風のもの3種類、iTunesに似たもの5種類、独自インターフェイスを持つその他のものについて評価を行った。

WinAmpスタイルのプレイヤー

最初のグループは、小型でたいていはスキン表示が可能なユーザインターフェイスを備えたプレイヤーで、メインのオーディオコントロール、グラフィカルイコライザー、楽曲リストの管理が行えるプレイリスト、の3つのウィンドウが使えるものだ。たいてい、楽曲の管理は一度に1つのプレイリストでしか行えない。

XMMSは、WMAおよびASFファイルを再生できなかった。プレイリストに入れたこれらのファイルに再生の順番がまわってくるとアプリケーションはフリーズした。ASFの場合はGNOMEセッション全体がフリーズしてしまった。ストリーミング配信されたラジオ番組については、MP3形式は再生できたが、RealAudioやWindows Mediaはだめだった。楽曲管理用のプレイリストは1つしか使えず、最近の新しいプレイヤーに比べると旧式の感は否めない。

Beep Media PlayerのソースコードはXMMSの流れを組むもので、確かに外観はXMMSに似ているが、最新のGtkインターフェイスを備えている点が異なる。FLAC、ASF、WMAの各ファイルと音楽CDは再生できなかった。ラジオ番組については、MP3ストリーミングのみ再生できた。楽曲管理では、やはり同時に複数のプレイリストは使えない。

Zinfのプレイリストに、用意したファイルのリストを追加して再生を始めたが、WMAファイルを再生する段になってクラッシュした。実際、サポート外のものならどんなファイルに出くわしてもZinfはクラッシュするようだ。モノラルMP3とMP3ポッドキャストはスクランブルがかかったようになって正しく再生できず、WAVファイルも同様だった。音楽CDの再生やスキンの変更をしようとするとクラッシュした。MP3ストリーミングのラジオ番組は再生できたが、RealAudioやWindows Mediaのものはだめだった。結局、きちんと再生できたのはOgg Vorbisだけだ。

iTunesスタイルのプレイヤー

次に取り上げるのは、iTunesスタイルを踏襲したグループだ。その多くはメディア管理機能がかなり充実している。ファイルをCDに焼けるもの、ネットワーク越しに楽曲を共有できるもの、歌詞をダウンロードできるもの、ジャケット画像を表示できるものもある。

Rhythmboxは、iTunesに倣った優れた楽曲管理機能を持つ。所有するすべての楽曲ファイルのライブラリを管理しており、プレイリスト、インターネットラジオ番組、ポッドキャストフィードの追加および編集の機能を備えている。見つかったGStreamerプラグインをすべてインストールしたところ、所有するファイルとCDはすべて問題なく再生できた。ただし、ラジオ番組については、MP3ストリーミングしか再生できず、Windows MediaやRealAudioのものはだめだった。Rhythmboxは再生機能のみiPodに対応しており、PCに接続したiPodは起動後すぐに認識された。ネットワークでのファイル共有にも対応しているはずだが、私のWindows環境で使っているiTunesでは、Rhythmboxの共有フォルダは表示できてもその中身は表示できなかった。RhythmboxはCDへの書き込みができると謳っているが、私のノートPCはCDが焼けないのでこの機能は評価できなかった。

Muineは、WMA、ASF、FLACの各ファイルを認識しなかった。CDやラジオ番組もまったく再生できなかった。また、楽曲管理用のプレイリストは1つしかない。

Quod Libetは、WMA、ASF、FLAC、WAVの各ファイルを認識しなかった。また、Windows MediaおよびRealAudioのラジオ番組とCDは再生できなかった。しかし、Quod Libetの楽曲管理機能の充実ぶりには感心した。ポッドキャストフィードの講読、インターネットラジオ局やプレイリストの管理ができるほか、iTunesスタイルのペインドブラウザや検索機能を備えている。

Bansheeでは、WMA、ASF、WAVの各ファイルを再生できず。また、ラジオ番組もまったく再生できなかった。優れているのは、CD書き込みとネットワークファイル共有に対応している点だ。iTunesを使ってBansheeの共有ファイルの参照と再生ができた。iPodの再生と同期にも対応している。

amaroKは、WinAmpスタイルかiTunesスタイルのどちらのインターフェイスでも表示できる。WAV、FLAC、ASF、WMA、モノラルのMP3、ダウンロードしたポッドキャストMP3、の各ファイルは再生できず。また音楽CDも再生できなかった。上記のファイルを含むプレイリストを操作しているうちにフリーズした。iPodの再生および更新に対応しており、接続していたiPodは起動してすぐに認識された。機能は豊富だが、バグが目立ち、日常的に使うには信頼性の点で問題がある。フリーズやクラッシュが少なければトップ3に入っていたはずなのに、非常に残念だ。充実した楽曲管理機能のほか、ジャケット画像や歌詞のダウンロードのような機能、魅力的で統一されたユーザインターフェイスには捨てがたいものがある。

その他のプレイヤー

Jukは、WMAおよびASFファイルを読み込めなかった。ラジオ番組や、ポッドキャストフィードのスケジューリングには対応していない。MP3ファイルは、プレイリストに読み込めたが再生はできなかった。その他のファイルは問題なく再生できた。

Somaplayerは、コマンドラインから起動するか、Gtkユーザインターフェイスで操作するかを選べる。うまく再生できたのはOgg Vorbisファイルだけで、その他のファイルはまったく動作しないか、再生してもノイズ音しか出なかった。形式の違う楽曲ファイルが混在するプレイリストで操作を行った後、停止ボタンをクリックするとフリーズした。ラジオ番組はまったく再生できなかった。

MPDは楽曲再生用のデーモンであり、GlurpなどMPDクライアントを使って接続できる。クライアントは、デーモンと同じPCでもネットワーク上のリモートPCでも、どちらに存在してもよい。WMAおよびASFファイルは認識されず、CDやラジオ番組は再生できなかった。Glurpのインターフェイスは簡素だが機能的で、ほかのインターフェイスも使える。プレイリストの管理機能は限られており、 自分で用意したフォルダ内のファイルしか表示されない。

RealPlayerでは、FLAC、WMA、ASFの各ファイルが再生できなかった。お気に入りリスト以外の楽曲管理機能は用意されていない。CDは再生できず、ラジオ番組ではMP3ストリーミングは再生したが、RealAudioやWindows Mediaのラジオ番組は再生できなかった。

Helix Playerは、MP3、WMA、ASF、FLACの各ファイルを再生できず。ラジオ番組とCDもまったく再生できなかった。Ogg Vorbisファイルの再生ではシャープな音質が得られた。RealPlayerと同じく、お気に入りリスト以外の楽曲管理機能は用意されていない。

GXineは、WMA、ASF、MP3の各ファイルを再生できず。Windows Media形式でストリーミング配信されたラジオ番組は再生できたが、RealAudioやMP3のものはだめだった。楽曲管理用のプレイリストは1つしかない。GXineは、音声よりも動画の再生を念頭において設計されたように見える。

MPlayerは、用意したサンプルファイルとラジオ番組をすべて再生した。しかし、CD再生はコマンドラインから行う必要があった。私が用意したサンプルをすべて再生できた唯一のアプリケーションだが、楽曲管理の機能は限られている。

VLCは、RealAudioストリーミングのラジオ番組こそ再生できなかったが、用意したファイルとその他のラジオ局はすべて再生できた。MPlayer同様、プレイリストは1つしかなく楽曲管理機能も十分とはいえない。

まとめ

その他の選択肢

ここでは、Linuxで利用できるすべてのプレイヤーをテストしたわけではない。以下のプレイヤーを追加の候補として検討したい人もいるだろう。

Lamip
Media Center
Audacious
SnackAmp
wxMusik
Songbird
XMMS2
BMPx

さすがに16種類のアプリケーションを評価し終えるのは大変だった。私の選んだオーディオ形式をすべて再生できたアプリケーションはMPlayerだけだったが、それでもLinuxでそれができたことはうれしい驚きだった。VLCは惜しいところまでいったが、RealAudioのラジオ番組が再生できなかった。Rhythmboxも惜しかったが、Windows Media用のGStreamerプラグインを入れてもWindows MediaおよびRealAudioのラジオ番組を再生できなかった。

楽曲管理の機能が不十分なものが多く、限られたファイル形式にしか対応できないものもあったが、テストしたLinuxオーディオプレイヤーの多くは、非常に使いやすいものだった。Linuxで最も広くサポートされているファイル形式は、MP3とOgg Vorbisだった。大部分のプレイヤーはMP3のストリーミング形式にも対応していた。不思議なことに、XMMSだけは、聴く前にログインが必要です、というメッセージが出ないまま、ダイアルアップ接続でストリーミングコンテンツを受信できた。また、RealPlayerとHelix Playerが、自社形式なのにRealAudioのラジオ番組を受信できなかったのも奇妙なことだ。

テストしたプレイヤーはすべて、CDの音声ファイル、楽曲ファイル、ラジオストリームで少なくとも一度はクラッシュまたはフリーズが起きた。

ここに挙げたものすべてを試した結果、特に良い印象を持ったのが、Rhythmbox、Quod Libet、XMMSの3つだ。

Rhythmboxは、機能的で信頼性の高いオーディオプレイヤーだ。それなりに趣向を凝らした(つまらないという人もいるが)インターフェイスが提供する楽曲管理機能は選び抜かれたものだ。GStreamerバックエンドにより、プラグイン経由で多くのファイル形式に追加対応できるので、Rhythmboxを最大限に活用したければ検討するといいだろう。私が望むすべての機能を備える手堅いプレイヤーだが、ユーザが選択できるスキンや色鮮やかなアイコンを別に用意するなど、インターフェイスにもうひと工夫ほしいところだ。

Quod Libetについては、 Ubuntuの5.04から6.04へのバージョンアップに伴って大幅に改善されていたのに驚いた。インターネットラジオ局、ポッドキャスト(オーディオ)フィード、楽曲ファイルの集中ライブラリなど、Rhythmboxに勝るとも劣らぬ機能を持つ。ファイルをCDに書き込めるプラグインや、Webから歌詞やジャケット画像をダウンロードする機能も備えている。CDの直接再生ができないのが欠点だが、MP3およびOgg Vorbis形式の楽曲ファイルを再生するだけなら、このQuod Libetがお勧めだ。

XMMSは安定性と信頼性に優れたプレイヤーであり、さまざまなファイル形式、ビジュアライゼーション、さらにはMadManと呼ばれる、Rhythmboxに似た楽曲管理のインターフェイス用のものなど、多数のプラグインに対応している。テスト中にフリーズに見舞われたとはいえ、経験上、これは規則的なものではなく例外的なものと思われる。対応しているファイル形式に対する動作では、信頼のおけるプレイヤーだ。新しいオーディオプレイヤーが持つ楽曲管理機能がなかったりするが、パフォーマンスと万能性がその古さを補っている。

MPlayerはさまざまなファイル形式に対応している点で優秀だが、楽曲管理機能が貧弱だ。再生だけでなく楽曲管理にも秀でたオーディオプレイヤーを私は望んでいるので、決勝ラウンドまで勝ち残れなかったが、上記3つのプレイヤーで対応していないファイルやラジオ放送を聞くための予備用としてMPlayerを使うことになるだろう。

機能比較表 Linux用オーディオプレイヤーのテスト結果を次の表に示す。
楽曲管理機能 ポッドキャストフィード MP3ストリーミング
ラジオ
RealAudio ラジオ Windows Media ラジオ iPod 対応 CD MP3 Ogg Vorbis FLAC WAV WMA ASF
XMMS 単一 プレイリスト × × × × × ×
Beep Media Player 単一 プレイリスト × × × × × × × ×
Zinf 豊富 × × × × クラッシュ × × × × ×
Rhythmbox 非常に 豊富 × × 再生 のみ
Muine 単一 プレイリスト × × × × × × × × ×
Quod libet 非常に 豊富 × × × × × × × × ×
Banshee 豊富 × × × × 再生 および同期 × × ×
Amarok 非常に 豊富 × × 再生 および更新 × × × × ×
Juk 豊富 × × × × × × × × ×
Somaplayer 単一 プレイリスト × × × × × × × × × × ×
MPD 単一 プレイリスト × × × × × × × ×
Real Player 貧弱 × × × × × × × ×
Helix Player 貧弱 × × × × × × × × × ×
GXine 単一 プレイリスト × × × × × × ×
MPlayer 単一 プレイリスト × ×
VLC 単一 プレイリスト × × ×

原文

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最終更新:2009年06月18日 13:08