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Damn Small Linuxをペンドライブにインストールしてパラダイス気分

2006年04月14日 10:49 Rui-Lopes(2006年4月11日(火))
先日私は、256MBのUSBペンドライブを購入し、個人ユースのドキュメント類や仕事関係のデータを保管するために使用している。そしてLinuxのファンであり、手に入れたオモチャは最大限に活用するのを信条としている私としては、ペンドライブでも起動可能な単純かつ小型のディストリビューションがないものかと探してみた。そこで見つけたのがDebianベースのDamn Small Linuxで、これには多数のアプリケーションがバンドルされているものの、わずか50MBの容量に収まってくれるのだ。この結果得られたのは、使えば使うほど気に入るという、素晴らしい体験であった。

DSLは様々な方式での試用が可能で、ビジネスカードCDからの起動、ハードドライブへのインストール、USBペンドライブからの実行などの他、Windowsからの実行すらも行うことができる(Qemuを使用)。今回、同プロジェクトのwikiをざっとあたったところ、USB経由での起動という解説が見つかった。そしてブータブルペンドライブを作成する一番お手軽な方法は、DSLをCDに焼き込んでlive CDセッションを実行し、デスクトップのメニューで適当なインストールオプションを選択する、という手順だそうである。私の場合は.isoをダウンロードしてペンドライブに直接インストールする方式を敢行してみることにした。なおDebianのwikiには詳細なガイドが用意されており、私もこれを参考にさせてもらっている。

インストール作業は特に問題なく終了した。ただし、BIOSにある各種のUSBブートデバイスで必要な設定を見つける段階では、多少の試行錯誤を強要された。私のケースでは、USB-ZIPをブートデバイスに指定する必要があるのだが、どうもこれはその他のマザーボードとは異なるオプションのようである。

DSLには各種のブートパラメータが用意されているが、使い方によっては非常に便利な設定ができる場合があり、特に「toram」はDSLを完全にメモリだけから起動できるようにする機能で、ある程度の速度向上も期待できるという。私の使用しているShuttleシステム(CPUは旧式の900MHz Celeron)に必要なBIOSの設定を施すと、期待通りにDSLのブート画面が表示された。

DSLの2.2リリースにおけるカーネルバージョンは2.4.26である。同プロジェクトは2.1リリースにてカーネル2.4.31をいったん採用したが、その後「ハードウェアのサポート範囲を旧式化したコンピュータも網羅したものにする関係上、レガシSCSIやZipDriveのサポートも含めて、カーネルとモジュールを2.4.26に戻した」ということで、旧バージョンへの差し戻しを行っている。いまもって2.6カーネルではなく2.4カーネルシリーズを使用し続けている理由も、基本的には同様である。詳細については、プロジェクトのFAQを参照して頂きたい。

DSLによるハードウェアの認識は、他のLinuxディストリビューションで試した際にさんざん手こずらせてくれたサウンドカードも含めて、正常に行われ、Xサーバに直接ブートすることができた。デフォルトで立ち上がるウィンドウマネージャはFluxboxであるが、これは低速マシンにとって適切な選択肢だろう。また必要であれば、FluxboxセッションからJWMウィンドウマネージャに切り換えることも可能であり、必要な操作はメニューで該当するオプションを選択するだけだ。

今回のディストリビューションを5分ほども実行してみると、CDから実行した場合に比べて顕著な改善点があることに気づかされる。処理速度の高速化や多くの不具合の解消もそうだが、データやシステムオプションに加えた変更が即座に保存されるのである(なお、ペンドライブ上のDSLでライブセッションを実行する場合は、ホームディレクトリに隠しファイルとして配置されている.filetool.lstファイルが重要な意味を持つ。この中にはコンテンツを変更したディレクトリが記録されて次回ブート時に読み出されるが、必要であればこのファイルを編集して、リスト中にディレクトリを直接追加することも可能である)。

手元にホコリを被って放置されていた266MHzのPentium IIマシンがあったので、旧式マシンでの実行速度とハードドライブ用DSLインストーラの試験も兼ねて、このマシンにもDSLをインストールしてみた。必要な処理は、いくつかの基本操作を実行するだけで終わった。DSLのインストールではExt3のルートファイルシステムが作成されるが、いい意味で驚かされたのは、個人データとメディアファイルを格納しておいたXFSパーティションの認識とマウントができたことである。

DSLの開発陣は、ワークスペースの充実化と必要最小限な機能の整備という相反する要件に対して、実によい仕事をしてくれたようだ。DSLでは、アイコンの管理にXtdesk、システムリソースのモニタにtorsmo、ワークスペース間のウィンドウ移動にFluxter、デバイスのマウントとアンマウントにmount.appを使用している。また、テキスト編集用のBeaver、イメージ操作用のXPaint、オフィスパッケージのSiag、オーディオ/ビデオ再生用のXMMS、ブラウジング用のDillo(Firefoxも利用可能)、電子メール用のSylpheed、ファイル管理用のEmelfmおよびMidnight Commander、CD/DVDの焼き込み用のCDWなど、ユーザの行う作業については、たいていの必要なアプリケーションが用意されている。より詳細なリスト(リンク付き)に関してはこのページを参照して頂きたい。その他にも必要なものがあれば、デスクトップメニューでAPTをオンにしてから、Synapticを用いてDebianパッケージツリーからアプリケーションをインストールすればいい。またmyDSLを用いてDSL用にプリパッケージされた特定のアプリケーションや機能拡張をインストールすることもできる。なおDilloを開くと表示されるヘルプページには、myDSLおよびその他のディストリビューションに関連する有用な情報が満載されているので、ぜひとも参照して頂きたい。

通常のDebianシステムに対してDSLを特徴だたせているのは、開発陣が用意した実用性の高いカスタムスクリプト群で、これらを利用することで各種の雑多な作業を速やかに処理させることができる。より具体的には、NFSやSSHの設定を始め、ディスクのフォーマット、ネットワークの設定、キーボードレイアウトの変更、Xサーバの設定や壁紙の変更などの自動実行が可能だ。すべてのスクリプトはデスクトップメニューからのアクセスが可能で、いずれも数回のクリックで実行できる。私の場合、通常この種の作業はコマンドラインで実行しているのだが、実際にこれらの簡易ツール群を使ってみると、かなりの程度でワークフローを高速化することができた。

DSLには開発陣による細かな調整が施されている反面、1つだけ苦言を呈したい点がある。DSLの挙動や表示の大部分はカスタムスクリプトで設定でき、これらの大半はホームディレクトリかin/optに格納されているのだが、通常の設定ファイルに対してユーザが手作業で施した変更箇所がある場合に、カスタムスクリプトによってこれらの設定が上書きされても、それを確認できないケースがあるのだ。

DSLのインストールや設定で不明な点が生じた場合、一番頼りになるのは同プロジェクトのwikiフォーラムであろう。またDSLが気に入ったのであれば、寄付あるいは製品購入という形で、プロジェクトへの支援をお願いしたい。その他、DSLがプレインストールされたUSBペンドライブを購入したり、通常のCD版やMini-ITXシステム版を入手するためのオプションも用意されている。

まとめ:DSLは非常に手堅くまとめられた小振りのディストリビューションである。もはやDSL搭載ペンドライブは私の片腕的存在となっており、これ無しの生活は考えられない。ペンドライブベースのディストリビューションがlive CDよりも優れているのは、オペレーティングシステムと同じメディアにセッションの設定やデータを瞬時に保存できる点だ。USBデバイスからのブートをサポートしていない旧式システムを使う場合か、新規のディストリビューションを試用する場合でもない限り、おそらく私がlive CDを使うことはもう無いだろう。

短時間のサイクルでディストリビューションがリリースされ続けていることは、開発陣が継続的にこのディストリビューションに取り組んでいる証だろう。細部に至る仕事ぶりに、ユーザは必ず満足できるはずである。

原文

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最終更新:2007年07月01日 19:05