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EtherealからWiresharkへの名称変更の経緯

2006年06月13日 11:36 Joe-Barr(2006年6月9日(金))
世界で最も広範に使用されているネットワークプロトコルアナライザと喧伝されているEtherealプロジェクトだが、その創設者であるGerald Combs氏が先週水曜日にEtherealの開発者メーリングリストにて発表したアナウンスは、ユーザと開発者の間にちょっとした騒ぎを引き起こしている。その内容は、同氏が職場と居住地を他に移す予定であり、その際には同プロジェクトおよびコアスタッフを引き連れて出てゆくというものであった。

同氏による最初のアナウンスには、下記のような説明がいくつか付記されていた。

私は先日、WinPcapでその名が知られているCACE Technologiesから仕事のオファーを受け入れました。今後はLoris DegioanniおよびGianluca Varenniの両氏とともに働くことになりますが、それにともない私と妻はカリフォルニア州デービスに居を移して、かの地で娘を育ててゆく予定です。

なお今回の決断により、本プロジェクトについても大幅な変更が行われます。私どもの開発活動は“Wireshark”の名前の下、http://www.wireshark.org/により継続してゆきます。既に関連するWebサイト、メーリングリスト、バグトラッカ、SVNリポジトリ、buildbot、その他のリソースは準備が整っています。最新のソースコードはすべて新しいリポジトリに取り込まれており、新規の自動ビルドはhttp://www.wireshark.org/download/automated/にてアクセスできます。

Wiresharkの次回バージョンは0.99.1となる予定です。現状では、プレリリースバージョンの0.99.1pre1がhttp://www.wireshark.org/download/からダウンロードできます。

開発者の一部からは、この説明が簡潔すぎる点に対して不満の声が挙げられており、今回の変更に関するより詳細な説明を求める意見も出されていた。また、今回の決定が秘密裏に行われた点について意見を述べる者や、遺憾の意を示す者もいた。

その後Combs氏は木曜日の夜に長文のメッセージを開発者メーリングリストに投稿しているが、その内容は寄せられた質問の多くに答えるものであり、今回の決定の背後にあった事情を解き明かすものであった。以下は、同氏による説明の引用である(いくつかのタイプミスを訂正した上、一部に強調表記を追加)。

このたびの名称変更については、様々な質問が寄せられています。今回および後続のメッセージは、そうした疑問に答えるために用意したものです。それでも不明な点があるようであれば、お知らせください。

名称変更の理由について

John R氏の見解は、基本的に正鵠を射ています。私の以前の雇用主(NIS)は、数年前にEtherealの名称とロゴを商標登録しました。その時点より同社は、本プロジェクトに対する法的な権利を有しております。残念なことに今回の離職時にはこの商標登録に関する合意に達することはできず、この件については保留されることになりました。

この件の詳細は煩雑になるため、詳しくは説明しかねますが、NISと私の間で“対立”が生じた訳でないことは明言できます。商標登録の問題については私の深く失望する結果となりましたが、相手サイドの決定については納得している次第です。NISは優れた企業であり、そこで働く人々に対して私が敬意を払っている点についても変化はありません。

私が離職を決意したのは、CACEへの参加によって(本プロジェクト、私の家族、および私自身が)より多くの機会を得られるであろうことが、その最大の理由です。CACEへの移籍で得られるであろう“メリット”は、名称変更に付随する“デメリット”を遙かにしのぐものとなるでしょう。

Ethereal、ethereal.com、メーリングリスト、バグトラッカの今後および、将来的なサイトへのアナウンスの掲載について

私からは、何とも言いかねます。すべては先の雇用主の出方次第です。

名称変更に関する意見交換が行われなかった理由について

公開の場で名称変更に関する意見交換が行われなかった理由は、それが非常にバカげた問題だったからです。そうした事例について知りたければGoogleで「opensshドメイン」を検索してみてもいいでしょうし、その他にも似たような事例はいくらでもあります。私はこれまで本プロジェクトを可能な限りオープンなものにしようと努めてきましたが、ごく単純に公の場で意見交換ができない性質のものも色々と存在しました。

名称変更が長期にわたって伏せられていた理由について

名称変更の必要性が最終的に確定したのは、2週間ほど前の話です。その際には、即座に変更をアナウンスするか(Wiresharkのサイトに何もコンテンツが用意されていない状態になりますが)、あるいは最低限必要なインフラを確保してからにするかの選択に迫られました。私が選択したのは後者であり、必要なWebサイト、メーリングリスト、バグトラッカ、SVNリポジトリを用意した上で、プレリリースをダウンロードできるようにした訳です。必要なすべての準備をするのは、予想以上に時間がかかりました。いずれにせよ決定を下したのは他ならぬ私自身であり、その点に関する意見があれば、私がお受けすることになります。

最後になりますが、Wireshark/Etherealの開発者およびユーザコミュニティに対して私が払っている敬意(およびしばしば感じさせられた尊敬の念)を尊重して頂きますよう、お願いします。なおこの数週間は、Etherealに用意されていたものと同等の(あるいはより優れた)サポートインフラストラクチャをWireshark用に整備して、今後の活動を継続するための作業で忙殺されていたことを付け加えておきます。

またCombs氏は、「将来的にCombs氏がCACEを離れるようになった場合、あるいはバスにでも轢かれた場合、Wiresharkの商標はどうなるのか?」という疑問についても答えている。

プロジェクトを去るような事態になれば、その時は名称を再度変更するでしょう。今回と同じような面倒ごとに巻き込まれるのは、もうこりごりです。商標の登録は現在手続き中です。これらの権利は、とりあえず私に属することになるはずです。

その後のことについては、コミュニティからの意見を参考にさせて頂くつもりです。私が権利を持ち続けることで問題がないということになれば、そのようにしておくでしょう。逆に、プロジェクトの継続的発展を支えるため何らかの組織を作るべきだということになれば、喜んでそうする心づもりです。その他の提案(現実的で建設的なもの)がありましたら、ぜひともお聞かせください。

Combs氏はまた、「何故、ASFのようなオープンソースに関する統括団体の数が限られているのでしょうか? 特にオープンソース系のネットワーキングソフトウェアについては、統括団体が1つも存在しないのは何故なのでしょう?」という疑問を提示している。

Wiresharkの詳細については、WiresharkのWebサイトおよびFAQを参照して頂きたい。

NewsForge.com 原文

最終更新:2009年06月18日 12:23