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Vyatta、オープンソースのルーティング・ソフトウェアをリリース

2006年08月04日 17:55 [IDG-2006/08/04]
 ネットワーキング用のオープンソース・ソフトウェアは比較的珍しいが、新興企業の米国Vyattaは先ごろ、コモディティPC上で基本的なルータ機能を提供するフリーソフトウェア「Vyatta Open Flexible Router(OFR)」をリリースした。

 Vyatta(サンスクリット語で「オープン」の意味)は先週、OFRの発表と同時に、OFRの技術サポートと更新プログラムを年間料金497ドルで提供することを明らかにした。同社では、OFRは可用性の高いルーティングをサポートするとともに、大企業に求められる高性能なセキュリティ機能も装備するとしている。

 VyattaのCEO、ケリー・ハーレル氏は、従来のルーター・プラットフォームについて、「これまでは、機能が肥大化したクローズドソースのソリューションを受け入れ、高い利用コストを支払う以外にほとんど選択肢がなかった」と語る。

 ピッツバーグで非営利団体向けにネットワーク・コンサルティング・サービスを提供しているランス・ノックス氏は、廃棄処分する予定だったPentium 3ベースPCにOFRをインストールし、それをペンシルベニアにあるメンタルヘルス・センターの2棟のビル間でデータ・ルーティングを行うのに利用している。各ビルはセキュリティとプライバシー上の目的で別個のLANが敷設されているが、これらを安価に接続して自由に通信できるようにする必要があったという。

 ノックス氏は、「OFRによって多額なルーティング・コストをかけずに、基本的なルーティングが行われるようになった」と満足げに語る。この非営利団体にとっては、500ドルでCisco Systemsのルータを買うことさえ大きな負担になっただろうと同氏は語る。OFRは約1カ月間、問題なく使われているという。

 ノックス氏はOFRのスケーラビリティをテストしていないが、「このルータは間違いなく大企業のブランチ・オフィスのルーティング・ニーズに対応できるだろう」と語っている。

 一方、ノースカロライナ州ローリーに本社を置くシステムサム・テクノロジーズのオーナーであるサム・ニューナム氏は、同地域の中小企業向けのホスティング・センターとして運用しているデータセンターで、2週間前からヒューレット・パッカード(HP)の小型ラックマウント・サーバ上でOFRを利用している。このサーバはデータセンターのバックアップ・ネットワークの一部として稼働している。

 「われわれはきわめて複雑なネットワークを運用しているわけではない。絶対に使わない機能に大金を払いたくはなかったので、OFRを導入した。オープンソース・パッケージを使えば、物事をシンプルに保つことができる」とニューナム氏は語る。

 ニューナム氏は、オープンソースを活用することで、大規模な投資を行うことなく、より複雑なネットワークを構築できるようになると考えている。「オープンソースの採用により、コストが減るだけでなく、まったく新しいかたちでテストを行えるようになる。どの選択肢が適切かを検討する必要はあるが、われわれとしては、うまくいくかどうかを調べるためにだけハードウェアに投資するのは避けたかった。そのため、これまでは慎重に議論を重ねるしかなく、結論を出すのが大変だったが、オープンソース・ソフトウェアを使えば、テストがしやすくなる」(同氏)

 アナリストは、Vyattaのオープンソース・ソフトウェアのリリースは重要な意味を持つと考えている。というのも、オープンソースはコンピューティングの多くの分野で大きな役割を果たしているが、ネットワーキング分野ではまだ普及しておらず、ここにきてようやく採用が広がり始めたばかりだからだ。

 世界の企業ユーザー向けルーティング市場の規模はおよそ33億ドルだが、無料のオープンソース・ルーティング・ソフトウェアは、まだその「ごく一部」を代替しているにすぎない、と米インフォネティクス・リサーチのアナリスト、マシアス・マコウィンスキー氏は分析する。

 同氏によると、オープンソース・ルーティング・ソフトウェアを提供しているのは、Vyattaのほかに米イメージストリーム・インターネット・ソリューションズがあるという。また、同氏はオープンソース・ルーティング・コードの多くの部分がユーザー・コミュニティで広く共有されているもようだと付け加えた。ただし、それらはVyattaのような特定企業の製品の一部ではないため、使用状況はつかみにくいとしている。

 「オープンソースは5〜10年後には、ルーティング、そしてネットワーキング分野全般でもっと広く普及しているだろう」と米フォレスター・リサーチのアナリスト、ロブ・ホワイトリー氏は予測している。

 フォレスターが昨年11月に米国の大企業608社を対象に実施した調査では、39%がオープンソース・ソフトウェアを運用中または試験利用中だった。これらの企業のうち47%がオープンソース・ソフトウェアをファイアウォール、ルータ、電子メールや関連用途のためにネットワークで利用していた。

 だが、米ヤンキー・グループのアナリスト、ゼウス・カーラバラ氏は、安価なルータ・システムへの強い支持は、企業の間でほとんど見られないと指摘する。「安価なルータが求められているなら、低価格ルータのメーカーはもっと高い市場シェアを占めているはずだ」(カーラバラ氏)

 ユーザーは揺るぎない市場リーダーであるCiscoのルータを購入したいと考えており、それは、Cisco製品にはしっかりしたエンジニアリング力とサードパーティ・サポートという付加価値があるからだ、とカーラバラ氏は語り、「費用をかけなければ、得られるものもその分少なくなるというのがオープンソースに関する私の持論だ」と付け加えた。

(マット・ハンブレン/Computerworld オンライン米国版)

米Vyatta
http://www.vyatta.com/

提供:Computerworld.jp

最終更新:2007年07月01日 19:05