Ubuntuで無線ネットワークを利用する

ノートPCを愛用するUbuntuユーザにとって、ネットワークマネージャはすばらしい新機能の1つである。この輝かしい新たなアプリケーションによって、ようやく簡単にUbuntuシステムを無線ネットワークに接続できるようになる。これまでは苦労してWPAまたは802.1x認証を行わなければならなかった状況でも、ネットワークマネージャを使えばこの操作を完全に透過的に行えるのだ。

本稿は新しく出版された書籍『The Official Ubuntu Book』(© Copyright Pearson Education. All rights reserved.)からの抜粋です。

接続に必要な操作は、ネットワークマネージャのアイコンをクリックして利用可能なすべての無線ネットワークを確認し、接続するネットワークをクリックするだけである。それがWEPやWPA、802.1xであれ、無線認証が必要であれば、認証の詳細情報を求めるネットワークマネージャのダイアログがポップアップ表示される。

この問題がネットワークマネージャによって解決されない場合は、まず使用中の無線カードに必要なドライバを探すことになる。GoogleやUbuntu Forumsで無線カードを検索し、必要なドライバを確認する。そうしたドライバの多くはすでにUbuntuに入っているが、比較的新しいドライバの中にはまだ用意されていないものがある。

次に、そのドライバが読み込まれているかどうかを確める必要がある。たとえば、Intel Centrinoマシンでipw2200ドライバを使用する場合は、次のコマンドを実行する。

sudo lsmod | grep ipw2200

上記のipw2200の部分は、使っている無線カード用の適切なドライバで置き換えること。コマンドに反応して画面に何行か表示されれば、ドライバが読み込まれ、動作していることになる。コマンドを実行しても何も表示されない場合は、使っている無線カードがサポートされていないか、ドライバがインストールされていないかのどちらかである。この問題の詳細な解決方法については、Ubuntu Forumsが参考になるだろう。

無線カードの認識が済んだら、今度は接続を行う。これを最も簡単に行うには、「System」->「Administration」->「Networking」を順に選択する。このツールの内部に無線カードのアイコンがあるはずなので、それを選択して「Properties」ボタンをクリックする。無線ネットワークの名前と、もしあればパスワードを追加する。「Key type」ボックスでは、”s3cr3tpass”のような通常のパスワードを使っている場合は「Plain(ASCII)」を、長い数値パスワードの場合は「Hexadecimal」(16進数)を選択する。無線ネットワークにパスワードがない場合は、「Key type」および「WEP key」の各ボックスを空のままにしておく。

IPアドレスが自動的に割り当てられる場合は、「Configuration」ボックスで「DHCP」を選択する。その他の場合は、「Static IP Address」(静的IPアドレス)を選択し、ネットワークの詳細を各テキストボックスに入力する。

詳しくは、Ubuntuのwikiを参照してもらいたい。

WPAを利用する

WPAを利用するには、それに対応した無線カードが必要になる。WPA Supplicant Webサイトには、そうしたカードの一覧が用意されている。WPAに対応した一般的なドライバとしては、ipw2200、ipw2100、madwifiなどがある。

Ubuntuで無線カードを使ってWPA(Wi-Fi Protected Access)を利用するには、wpasupplicantパッケージをインストールしなければならない。そのインストールが済んだら、/etc/wpa_supplicant.confファイルを編集する。この設定ファイルにネットワークブロックを追加することによって、ネットワークの設定を行う。それぞれのネットワークブロックに優先度を割り当てることもでき、複数のネットワークが見つかった場合は優先度のより高いネットワークが選択される。/usr/share/doc/wpasupplicant/examples/wpa_supplicant.conf.gzには、よくあるネットワーク設定の例が示されている。

一部の設定では、ネットワーク管理者から入手可能な証明書が必要になる。またWPA Supplicantでも、上記のサンプルファイルのように、非暗号化ネットワークを使うように無線カードを設定できる。ファイルの記述後、/etc/default/wpasupplicantを編集してENABLED、DRIVER、INTERFACEの各オプションを変更する。DRIVERオプションは、使用中の無線デバイスの種類に一致させる必要がある。次のコマンドを入力すると、利用可能なドライバが表示される。

wpa_supplicant -help

WPA用のサプリカントを起動するには、次のコマンドを実行する。

/etc/init.d/wpasupplicant start

最後に、システムがサスペンドまたは休止状態から回復した後も適切に動作するように、/etc/default/ acpi-supportのSTOP_SERVICESにwpasupplicantを追加する。

接続が正常に行われているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行する。

sudo wpa_cli

このコマンドにより、現在のステータスを示すスクロール表示式のログとともに現在の接続に関する情報が得られる。デフォルトでは、rootでこのwpa_cliを実行しなければならない。ステータスとしては、無線カードによって現在接続しているネットワークや、その接続に関するパラメータが表示される。スキャンを行うとサプリカントによって新しいアクセスポイントが探索され、マシン近辺のどのアクセスポイントにアクセス可能かを示すscan_resultsが表示される。サプリカントの認証後、すぐにifplugdがifupによってインタフェースを起動するため、ただちにネットワークが利用可能になる。サプリカントが動作していないと思われる場合は、設定ファイルの/etc/defaults/wpasupplicantで別のドライバが選択されているおそれがある。また、無線カードによってはTKIPおよびCCMP(Temporary Key Integrity ProtocolおよびCounter mode with Cipher block chaining Message authentication code Protocol;いずれも暗号化の種類)の混在モードで動作できないものがある。wpa_cliのログの記録内容からPTK(Pairwise Transient Key)がCCMPであるのにGTK(Group Temporary Key)がTKIPになっていると思われる場合は、ネットワーク設定ブロックのPTKおよびGTKの各エントリをTKIPに設定することで、この問題を解決できるはずだ。

NewsForge.com 原文