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インタビュー:Linuxセキュリティを専門とするKurt Seifried氏

2006年12月08日 10:02 Michael-Stutz(2006年12月6日(水)) 1 2

Q:エンド・ユーザによるLinuxの利用が増えると、マルウェアの数も増えるのでしょうか。それとも、Linuxにはマルウェアへの免疫性があるのでしょうか。

Seifried氏:Linuxに免疫性があるとはもちろん言えませんが、抵抗力は高いです。

こう言えばよいでしょうか。サーバのマルウェアが心配かと聞かれたら、そんなことはないと私は答えます。感染の原因となるうかつな行為をホーム・ユーザが行うことが心配かと聞かれたら、そうかもしれないと答えます。しかし、構築と設定がきちんとなされたシステムで、ユーザに管理者アクセス権が与えられていないのであれば、そうした攻撃への免疫性は比較的高いでしょう。

Q:一般的に言って、Linuxと他のOSとでは、どちらの方が使用のリスクが高いのでしょうか。

Seifried氏:そもそも、「リスク」の定義によります。お気に入りのディストロをデフォルト・インストールした、パッチを適用していないLinuxマシンを起動する方が、パッチを適用していないWindowsマシンを起動するよりも安全です。そのWindowsマシンは、おおむね30分足らずで攻撃され、セキュリティが破られてしまうでしょう。

脆弱性があるサービスの実行や、安全でないインターネットの利用法(たとえば、メールの添付ファイルを開いて実行したり、既知の問題点がある古いブラウザでWebを閲覧したりなど)を行えば、どんなOSであっても、問題が生じる可能性が大です。

Q:今や、膨大な数のディストリビューションが出回っています。その状況でも、「Linuxセキュリティ」を専門にすることは可能なのでしょうか。多種多様なディストリビューションの細かな違いに完全に精通する必要があるのではないでしょうか。それとも、他の知識に加えて、この複雑な知識を身に付ける必要があるということでしょうか。

Seifried氏:まあ、幸いなのは、Linuxシステムはよく似通ったものが大半だということです。たいてい、脆弱性や攻撃は同じような種類のものです。ファイルのアクセス権の問題とか、アプリケーションの作成時の不備などです。

もちろん違いもあります。あの設定ファイルはどこにあるのか、とか、なぜこのサービスがデフォルトで有効になっているのか、といった点です。しかし、土台となる基礎を身に付け、manページの読み方とか、何より大事なGoogleの使い方がわかれば、大丈夫なはずです。

Q:セキュリティの面から見て、すべてのディストリビューションは平等でしょうか。それとも、優劣があるのでしょうか。

Seifried氏:他と比べてきちんとしているディストリビューションがあるのは確かです。たとえばRed Hatは、出荷状態のデフォルト設定が非常に強固になっています。Sendmailを例に取ると、すべてのインタフェースではなくlocalhostのみがリッスンされます。また、大半のベンダは、Telnetを捨ててOpenSSHを採用しています。そういった点です。

Q:セキュリティに重点を置いた特別なディストロや、Linuxセキュリティ・ソフトウェア(強化スクリプトやアドオン・セキュリティ・パッケージなど)が大量に登場しています。それらについてどう思いますか。

Seifried氏: そのセキュリティ技術が、成熟していて、強固で、安定していて、機能性があり、安全に設定できるという条件を満たすのであれば、私は大歓迎です。しかし、複雑なアドオン・セキュリティで、きらびやかで複雑なアドオン・セキュリティの導入というそれ自体を目的としたものは、まずうまくいかないでしょう。Crispin Cowan氏(Immunixの共同創業者の1人)がこんなことを言っていたのを思い出します。「SubDomainによる違いは、サーバに走って行ってパッチを当てるか、歩いて行ってパッチを当てるかの違いだ」と。

Q:Linuxセキュリティ用のツールでお気に入りはありますか。

Seifried氏: ホスト・セキュリティに関してはSELinuxです(きめ細かな制御が可能ですが、設定は手強いです)。ファイアウォールのルールが正しいかどうかの検査に関してはNmapです。システムを安全に設定するためのファイル編集に関してはEmacsです。お気に入りのツールは非常にたくさんあり、1つに絞ることはできません。

Q:平均的なLinux管理者にとって、セキュリティを高めるために最も重要なことは何でしょうか。

Seifried氏:おそらく、ディストリビューションに付属の自動更新機能を実行することだと思います。何はなくとも、それを行っておけば、システムに潜む大きな穴の数を減らすことができます。セキュリティとは総体的な取り組みであり、システムの強固さは、セキュリティが最も弱い部分で決まります。攻撃者は、1つの誤りを見つけるだけで、システムを攻撃できるのです。

Q:一般論として、不安定(unstable)版やベータ版のような最新のソフトウェアの方が、数年前から動いている古くて枯れたソフトウェアよりも、セキュリティが強固になっていると言えるのでしょうか。

Seifried氏:いいえ。おそらく、新しいソフトウェアにも、大量のセキュリティ・ホールが潜んでいます。よく知られたセキュリティ・ホールがないというだけです。

違うのは、古いバージョンのソフトウェアに潜むセキュリティ・ホールは、Packet StormMetasploitから攻撃コードを入手でき、難なく悪用できるという点です。新しいセキュリティ・ホールは、攻撃コードの開発にもう少し時間がかかります。

Q:今や、すべての管理者が、セキュリティの専門知識を持たなくてはいけないのでしょうか。

Seifried氏:残念ながら、そのとおりです。そのことが、大半のオペレーティング・システムにとって最大の弱点の1つだと私は思います。オペレーティング・システムをインストールして、オンライン向けに設定するためには、実際上かなりのセキュリティ知識がないと、安全性は実現できません。アプリケーションやオペレーティング・システムの大半は、安全ではない形で問題が発生します。たとえば、バッファ・オーバーフローが発生した場合、単にエラー・メッセージが表示されるのではなく、コードが実行されてしまいます。

コンピュータ業界が、たとえば自動車業界と同じような、成熟した段階に入ることを私は願っています。つまり、安全性や安定性が重要な要因の1つとなり、製品のデザインと開発は、安全性、信頼性、セキュリティの実現を念頭に置いて進められるという形です。

でも、そうなる日がもし来るとしても、はるかに先の話になると思います。ソフトウェア開発を取り巻く総合的な環境からです。

NewsForge.com 原文

最終更新:2007年07月01日 19:05
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