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表舞台に立つ準備を整えたLinuxBIOS

2006年12月11日 10:36 Bruce-Byfield(2006年12月7日(木)) 1 2 3

将来の楽観的展望

こうした課題の克服は容易ではないが、プロジェクトはゆっくりと前進しているとLinuxBIOSのメンバーたちは見ている。「以前のボードの仕様公開に対するメーカー側の態度は軟化しつつあり」、LinuxBIOSの対応機種の拡大と信頼性の向上に役立っている、とSmith氏は言う。またMinnich氏は、進捗の遅さに失望させられることも時々あったと認めながらも、最近の開発状況は彼自身を楽観的な気持ちにさせるに十分な根拠になっていると語る。

Minnich氏にとって、楽観論をとる理由の1つがOLPCの関与である。OLPCは、これまでの事例を圧倒する最大の規模でLinuxBIOSを導入することを約束している。同様に重要なことだが、マザーボードと各種ハードウェアデバイスとの通信にAdvanced Configuration and Power Interface(ACPI)仕様を使わないとのOLPCの決定は、切望されてきた業界の標準的な慣行の改革を意味する。OLPCが活動の展開とテクノロジの両面で成功すれば、その参画組織としてLinuxBIOSプロジェクトは、技術革新に関わる立場と評判を大いに高めることになるだろう。

Minnich氏が楽観的な見方をするもう1つの理由は、GoogleがLinuxBIOS向けの自動化された分散テスト環境の提供を申し出ていることだ。このオンライン環境によって、関係者はリモートから安全にテストを行えるようになり、プロジェクトメンバーは自前でハードウェアを探し出さなくてもよくなる。さらに、新たなコミットによってすべてのボードに新しいBIOSイメージが生じるため、このテスト環境は、特定のボード向けのコードに対するフォークの発生を回避することにも役立つ。つまり、この新テスト環境は、LinuxBIOSプロジェクトの人手やリソースの不足を確実に補ってくれるわけだ。

なかでも非常に重要なことは、プロジェクトメンバーたちが、やがて最初の大手ベンダによってLinuxBIOSが顧客に提供されるのを楽しみにしている点である。「たくさんのマシンにインストールしてもらいたいと我々が本当に思うなら、このBIOSを最初から各マシンに搭載させる必要があるだろう」とVandewege氏は述べている。しかし、今まで多くのベンダはLinuxBIOSをオプションとして提供することに乗り気ではなかった。

だが現在、この状況が変わりつつあることを示す兆候が存在する。LinuxBIOSプロジェクトのメンバーは、進行中のさまざまな交渉に差し障りが出ることを恐れ、報道陣に対して多くを語ろうとはしないのだが、コアシステムのGmbHに携わるStefan Reinauer氏は、LinuxBIOSのユーザが保証によって守られること、LinuxBIOSのボードにはオンボードのグラフィックチップを含めることが可能なことを明言するなど、そうした問題について進展があることをほのめかしている。また、AMDがハイエンドクラスの次世代ボードでLinuxBIOSを選択肢の1つとしてベンダに提供すると見られているほか、Minnich氏は、FSFの支援により、少なくとも1つのベンダが来年中に非サーバーマシン、場合によってはノートPCでLinuxBIOSをサポートするのではないか、と前向きに語っている。

こうした期待がすべて現実のものになるとは限らないが、Vandewege氏は「今は非常に力強い勢いがある」と見ている。プロジェクトメンバーは、LinuxBIOSがもはや特別なスキルを持ったハッカー向けの単なる選択肢の1つではなく、容易に利用できるものになるときが来るのを初めてその目で確かめることができる。Smith氏が言うように、LinuxBIOSは「もう1つのプラットフォームになり、ただ求めれば利用できるようになる」

だが、LinuxBIOSプロジェクトに楽観的な雰囲気が漂うなか、一部の参加者はLinuxBIOSが容易に利用できるようになることを最初のステップとしてしか見ていない。Vandewege氏は次のように語る。「フリーなBIOSの実現は、すべてにおいてフリーなコンピュータの実現に向けての大きな一歩だが、それが目的ではない。というのも、現在のコンピュータをもっとよく調べれば、多くの部分に組み込みのファームウェアが存在することに気付くからだ。たとえば、ネットワークカードは組み込みファームウェアを搭載していることが多く、SCSIコントローラもまた然り、最近はハードディスクドライブでさえそうなっている」

ただし、そうしたファームウェアの問題は将来の検討事項である。Vandewege氏の知る限り、BIOS以外の領域でこうしたプロプライエタリなファームウェアに代わるものを開発している者はいない。今のところ、LinuxBIOSはフリーソフトウェアの領域を代表する存在としてだけでなく、核心的なBIOSとしても世に出る準備が整っているように見える。LinuxBIOSプロジェクトを取り巻く興奮の熱気は、まるで目に見えるほどだ。

Bruce Byfield氏はセミナーのデザイナ兼インストラクタで、NewsForge、Linux.com、IT Manager's Journalに定期的に寄稿しているコンピュータジャーナリストでもある。

NewsForge.com 原文

最終更新:2007年07月01日 19:05
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