印刷およびファイル共有機能
手元のLAN環境にはHP6840ネットワークプリンタが接続してあり、そのための設定作業はごく通常の手順で済ませることができた。具体的には、Yast2を起動、HardwareセクションにあるPrinterを選択、ネットワークプリンタのインストール用メニューを開く、プリンタのIPアドレスを入力する、ドロップダウンメニューからプリンタのモデル番号を選択する、ネットワーク接続とプリント状況を確認する、そして最後に完了ボタンをクリックするという流れである。
次に行ったのはファイル共有の設定である。私は通常、LANでつないだマシン間におけるファイルの共有とコピーには、ごく基本的なSSHとセキュアコピー(scp)を用いているのだが、openSUSE 10.2に用意されているNetwork Folderオプションには何かそそられるものがあったので、今回は試しにこの機能を使ってみることにした。結果的にこの選択は正解だったようである。
設定後1分と待たされることなくopenSUSE 10.2のデスクトップ上には、プライマリデスクトップボックスにある自分のホームディレクトリを示すアイコンが表示された。このアイコンをクリックするとKonquerorのファイルブラウザが表示されるのだが、その後はここからリモートマシンにある任意の共有ディレクトリにアクセスするだけだ。例えば今回のレビュー記事は、原稿用のテキストをドラッグアンドドロップでKonquerorからデスクトップに移動させてから、openSUSEボックスにあるKateを使って執筆したものである。この機能のおかげで、私のLAN環境はその生産性が一段と向上したと言えるだろう。
デジタルカメラとの接続テスト
今回は、KDEのデフォルトフォト管理ツールであるdigiKam 0.8.2による、デジタルカメラからの写真のインポートおよび保存と表示機能を検証してみた。テストに使用した2台のデジタルカメラKodak EasyShare Z740およびCanon Powershot A90は、どちらもUSBポートにコネクタを差し込むだけで即座に認識され、その後の操作も特に問題なく行えることを確認している。
XglおよびCompiz
XglおよびCompizのインストール作業は、ほぼ問題なく進めることができた。なお私の環境の場合、これらのパッケージを使用するにあたって、Nvidia提供のプロプライエタリ系ドライバを事前にインストールしておく必要があった。ドライバのインストールと設定作業については、openSUSEサイトにある説明を参照することで手早く済ませることができる。
ただしXGLおよびCompizを動作させるにあたってIRCのヘルプフル・ボット(suseHELP)がたいして役に立たなかったことを報告しなければならない。現状でこのドキュメントはバージョン10.2関係の更新が施されておらず、少なくともKDE環境に関しては古いままになっているのだ。最終的にドキュメントで言及されているツール群が入っていないかを確認する意味で、Gnome版のCompizパッケージ(パッケージ名はgnome-compiz)をインストールしてみることにした。この判断は吉と出て、こうした場合の救世主的存在であるDesktop Effectsも入手することができたのである。
必要なアプリケーション群の検証が一通り終わったので、次なる段階として、揺れるウィンドウや回転する3Dキューブの世界へと足を踏み入れることにした。CompizにはBeryl Projectほどの付帯機能は装備されていないが、安定して使えるというメリットを有している。Beryl-Projectについては、先日その現状に関するレビューを掲載し、そこでは同プロジェクトがCompizから分岐した理由についても解説しておいた。Berylでは、燃えるウィンドウ、透明なキューブ、雪の結晶など、目もくらむばかりの効果が多数利用できるが、問題は安定して使えないという点だ。Compizでも似たり寄ったりの効果を使えるが、こちらの方がより安定している。どちらを選ぶかはユーザ次第だ。
ビデオ再生
デフォルトのopenSUSEでは、プロプライエタリ系のビデオコーデックや暗号化されたDVDを扱う機能はサポートされていない。私としてはNetflix DVDで借りた『Revolution OS』を再生してみたかったので、MPlayerをインストールするために非公式なリポジトリを1つ2つ追加してみた。なお、openSUSE用のサードパーティ系リポジトリが欲しければ、このサイトを探してみればいい。
結論から先に言うと、MPlayerでのストリーミングビデオおよびムービーの再生には成功しなかった。現在はopenSUSE 10.2で使用可能なmplayerplug-inパッケージを探しているところである。私の予想として、これらの問題については間もなく解決されるものと楽観視している。
これは以前から聞かされていた話だが、Smart Package Managerを入手すれば必要な関連パッケージは直ぐに見つけられるとのことであったので、その後数日がかりでその可能性を試してみたのだが、最終的には「多数のリポジトリに飽きたらずパッケージマネージャまで複数のものを抱き合わせると結果は悲惨になる」ということが分かっただけであった。
まとめ
openSUSEに関して私が不安に感じている材料を挙げるとすれば、それはオンラインアップデート機能だけになる。このアップデート機能は状況次第で非常に低速化するが、その現象はインストレーション時に特に顕著であり、またリポジトリについても本来あるレベルの安定性に達していないように感じられるからだ。それに加え、今朝になってモニタ上に正体不明のUpdate Error Messageというウィンドウが表示されるに至り、当初抱いていた「Ubuntu EdgyデスクトップをopenSUSE 10.2に置き換えようか」という私の構想に今や大きな陰りが差し始めたのも事実である。もっとも最終的な結論に達するまで、あと1ないし2週間程度は使い続けてみるつもりだが。
openSUSEは優れたディストリビューションであり、何を使用するかの選択基準が哲学や宗教あるいは政治的信条などではなく、その機能によって決定するユーザであれば、一度は試してみるだけの価値があるだろう。openSUSEは、インストール手順、インタフェース、操作性のすべてに秀でており、私が過去に使った中でも最高点のLinuxデスクトップディストリビューションに属するだけに、仮に先のような基準での拒絶をされることがあるとすれば、それは非常に残念な話である。また自宅ないし職場にてWindowsマシンとの平和的共存を迫られているユーザの場合、現行のLinuxディストリビューションの中でopenSUSEより適した選択肢を見つけるのはほぼ不可能だろう。
私に関してはWindowsを使用する機会はほとんど存在しないのだが、それでもプライマリのデスクトップ用ディストリビューションをopenSUSE 10.2に入れ換えるべきか否かを、現在真剣に検討しているところである。
