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Web 2.0で起業を志す者に捧げる9つの心得

2007年01月30日 09:41 Bruce-Byfield(2007年1月26日(金)) 1 2
Web 2.0が最近の流行語の1つとなっているが、それが正確に何を意味するのかについては実のところよく分からないというのが実際だろう。漠然としたイメージとしては、ユーザ主導型のコンテンツビジネスに関係するもので、ユーザ間をつなぐネットワークの一種といったところだろうが、果たして何かそれ以上の意味があるのだろうか?

何かがあるに違いない。なにしろ、未だ記憶に新しいGoogleによる16億5000万ドルでのYouTube買収劇といったような事例があるのだから。これだけの金額が動くということは、現在の時流に乗った経営者たちはWeb 2.0ビジネスに参入する糸口を血眼で探しているはずなのである。もっとも、そうした人々の意識の根底にある発想は、世紀の変わり目に発生したドットコムバブル当時がそうであったように、「とにかく事業さえ立ち上げてしまえばユーザなどは後から付いてくるものだ」という考えだろう。

残念ながら、現実はそこまで単純ではない。Web 2.0というオープンな世界で事業を展開する場合、大部分の経営者にとって想定の範囲外であろう不可思議なビジネス戦略に則った活動をしなければならないからである。それがどのような戦略であるかは『Wikinomics』や『The Cluetrain Manifesto』などの書物からある程度の知識を仕入れることも可能だが、これから解説する9つの心得をスタート地点とすることも不可能ではないはずだ。

これから始め出す者は既に出遅れていると心得る

あなたが耳にしたWeb 2.0のサクセスストーリは、何年にも渡る活動の成果なのである。これらの成功者は先駆者たちであり、未だゴールドラッシュは完全に終わっていないとしても、めぼしい鉱脈の大半は掘り当てられてしまっているのだ。そんな状況下で、これから新規参入しようとするなら(特にテクニカルコミュニティの一員でもなく、ソーシャルネットワークに携わった経験もないという人間の場合)、著しい不利を覚悟しなければならない。

だからといって、今から始めても成功が完全に不可能という訳ではない。特に電子メールやニュースレターを使ったカスタマサービスを過去に行ってきた経験のある人間であれば、これから新たに立ち上げるサイトにユーザを引き込んで大金を入手する可能性は大いに残されているだろう。ただし、そうして得られる金額として何桁の数字を妄想するかについては、現実に則した妥協も必要なはずだ。仮に数十億ドル単位の利益を夢見ても、おそらくそれは幻に終わるだけだろう。そうではなく、黒字の決算を出すなり適度な収入源を確保するという穏当な目標を持って事業を進めれば、最終的な失望感を味わう危険性は少なくなるはずである。

これから足を踏み込むのは矛盾に満ちた世界だと覚悟する

まずは現実を見据えよう。ソーシャルネットワークの世界における価値観は、ビジネススクールで学ぶ知識や小さな都市レベルで通用する常識とは著しく相反する存在である。伝統的なビジネス慣行では「利益になるものは手の内に囲い込んでおく」のが正しいあり方だとされているのに対して、ソーシャルネットワークの世界では“共有”するという姿勢が望ましいと見なされているのである。よって経営者たらんとする者は、収益として計上されて欲しい金額と、これから形成するコミュニティで受け入れられるであろう価値観との間に、何らかの妥協点を見いだすよう努めなくてはならない。それは非常な困難を伴う作業である。なにしろ、あなたの運営方針に対する疑惑の発生は、それが萌芽程度のものであっても、呆気ないほど簡単に潜在カスタマの関心を失わせてしまう危険性を秘めているのだから。

世間ズレしたユーザならば、企業である限り利益を追求するのはある程度当然だと受け流してくれるだろうが、露骨な利益第一主義の態度が見透かされれば、たちまちに信用を失ってしまうはずだ。よって心得ておくべきは、Web 2.0に金の成る木を見いだした人間はあなたが初めてではないこと、そしてあなたのコミュニティのメンバの中には、自分と同程度に物事が見通せる人が多数いるはずだ、ということである。

自分は特権的立場にいる訳ではないと心得る

従来馴染んできた発想法からすれば、ビジネスの情報とは基本的に経営者側からカスタマ側に流されるのが自然な姿である。仮にカスタマ側から流される情報のフローがあったとしても、それは経営者側が欲しいままにコントロールできる程度の存在でしかなかったはずだ。しかしWeb 2.0時代のソーシャルネットワークの世界において、経営者側のコントロールなどは不可能なのである。カスタマがあなたに不満を感じれば、遠慮会釈なく批判意見を投げつけてくるはずだ。そうした批判意見をコントロールないし抹殺しようとする試みは、更なる批判を生み出すだけでしかない。

インターネットで行われるカスタマ間のコミュニケーションとはすなわち個人レベルの意見交換であり、そうした世界では経営者といえどもギブアンドテイクの原則を受け入れざるを得ない。この原則は逆らうべき存在ではなく、むしろ経営者たらん者は、礼節を保ちつつカスタマ側の意見を読み取る方法を身につける必要があるのだ。また、個々の批判意見に対してどのような反応をすべきかのセンスも磨かなくてはならない。例えば、コミュニティの大勢ないし発言力の強い人物が述べている意見については、まずもって何らかの対応をする必要があるだろう。逆に、極めて限られた少数派からの意見、ないしは万人に煙たがられているトラブルメーカからの批判であれば、たいていは無視しても大丈夫なはずだ。

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最終更新:2007年07月01日 19:05