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デスクトップで欠落していた機能を埋めるPDFedit

2007年03月16日 10:04 Bruce-Byfield(2007年3月14日(水))
GNU/Linuxのデスクトップにも、PDFファイル編集ツールはあった。しかし、真に実用的なツールとしては、PDFeditが初めてと言っていいだろう。0.2.5というバージョンにもかかわらず、PDFファイルのページやテキストを加工したり、コンテンツを利用可能な形式へ抽出したりするソリューションとして十分な実用性を備えている。難点は、インタフェースが風変わりなことと、浅いバージョンにありがちな不安定性くらいだ。

従来あったPDF編集ソリューションは信頼性が低いか、さもなければPDFファイルをほかの形式に変換する必要があった。KWordはPDFファイルを開くことはできるが、レイアウトが複雑な場合、PDF形式から独自形式にあるいはその逆に変換するとレイアウトが崩れてしまう。同様に、GIMPもPDFファイルの個々のページを開いて画像として編集することはできるが、出力はPostScriptに限られる。Scribusなどのソリューションも、PDFファイルをPostScriptに変換しておかなければならず厄介だ。しかも、使用する変換ツールと、PDFやPostScriptのバージョンの組み合わせによっては正しく機能しない。これに対して、PDFeditは、PDFファイルを直接編集できレイアウトを壊すことなく保存することができる。

機能

PDFeditは、PDFのページをさまざまに加工することができる。各ページのサイズを変更する。Times Roman、Courier、Helveticaなどの基本フォントを埋め込む。ページを回転するなど。ほかのPDFのページを追加することもできる。他のPDFを別のダイアログ・ウィンドウに開き、ページを選んで挿入位置に置くだけだ。PDFファイルのテキストを抜き出したければ、書式なしでダイアログに抽出し、それをコピーして貼り付ければよい。さらに、行を追加したり矩形を加えたりすることもできる。

PDFedit
PDFedit - クリックすると大きな画像が見られます

だが、多くの人が一番歓迎するのはテキストの編集機能だろう。既存のテキストに取消ラインを入れたり強調したり、色や大きさやフォント――選択できるフォントは基本フォントかファイルに埋め込まれているフォントに限られ、システムにインストールされている任意のフォントを選ぶことはできない――を変更したりできる。

中でも有用なのは、テキストを削除するとツールバーのフィールドに表示され、そのテキストを追加できる機能で、このフィールドをドラッグするとフローティング・ウィンドウになり非常に便利だ。ただし、テキストの削除も追加も、できるのはちょっとした修正レベルまでだ。これは一つには、テキストのブロックが大きいと変更を隠すのが難しいという実用的な理由からだが、PDFeditのバッファーが短い(約50文字分しかないと思われる)という事情もある。長いテキストを追加しようとすると、PDFeditはフリーズしたりクラッシュしたりする。編集するテキストが表示されるフィールドにでたらめな文字が入ることもある。とはいえ、PDFエディターを使う主な理由の一つである誤字脱字を修正するだけなら問題はない。

おそらくPDFエディターが校正作業――誤りの訂正やテキストの抽出――に使われることが多いからだろうが、PDFeditにはリビジョン・システムが組み込まれており、現在のページを表示するペインの上にあるコンボ・ボックスにバージョンが目立つように表示される。また、編集した結果を、.BMP、.JPG、.PNGなど、7種のグラフィックス形式のいずれかにページごとに保存することもできる。PDFに保存する必要がなければ、ドキュメント全体をXMLにエクスポートすることも可能だ。

欠点

PDFeditの持つ最大の欠点は、グラフィカル・インタフェースが明らかに標準と異なっていることだ。思うに、PDFeditのプロジェクト・チームは、開発の現段階では機能の作り込みに集中しており、開発者たちが簡単に追加可能なスクリプトの集合体にしようとしているのだろう。それは編集ウィンドウを見れば明らかだ。編集ウィンドウには現在のページが表示されるペインのほかに、コマンドライン・メッセージ用のペインもあり、PDFファイルのPostScript構造もツリー表示される。PDF形式を知りたいと思う利用者はいないだろうから、こうした機能は主にプロジェクトの開発者に向けたものだろう。しかも、デフォルト状態では、こうした部分が編集ウィンドウの4分の3を占めている。

編集ウィンドウの細部にも風変わりな点がある。テキスト機能のほとんどは「Edit」メニューの下にあるが、既存テキストの変更は「Page」メニューの中だ。同様に、XMLエクスポート・フィルターは「Files」ではなく「Tools」メニューの中にある。ツリー表示は画面の右にあり、取り消しも複写も最近開いたファイルの一覧もない。このような風変わりなインタフェースではあっても、ほとんどの利用者は使っているうちに慣れるだろうし、プロジェクトのサイトにある堅苦しいがそこそこの英文で書かれている解説書で学ぶこともできる。しかし、そうしなければならないというのは、やはり変だ。

また、頻発するクラッシュやフリーズにも十分な備えが必要だ。まとめて編集しようと長いテキストを選択したり、タイミングの悪いときに選択したりすると、PDFeditを再起動せざるを得ない事態に陥る。

とはいえ、現在の開発段階では、安定性や使いやすさよりも機能の方が大切だ。PDFeditはAdobeのAcrobat 8のフリー版を目指しているが、まだ比較にもならない。現行版では、コラボレーション、注釈、ワープロ形式での出力、OCRスキャン、デジタル署名、PDFセキュリティー機能――必要性はあまりないが――など、Acrobatが持っている機能の多くを欠いている。こうした欠点のあるPDFeditだが、開発の初期段階でありながら、GNU/Linuxデスクトップ上に長い間欠けていた基本機能を実現している。

Bruce Byfield、コンピュータ・ジャーナリスト。NewsForge、Linux.com、IT Manager's Journalの常連。

NewsForge.com 原文
最終更新:2007年07月01日 19:05