Palmの巻き返し
ところで、Linuxオペレーティング・システムを携帯機器に持ち込むのは、Palmが初めてというわけではない。たとえば、SonyとAcerはmyloやn30でLinuxへの賛同を示し、Sharpは携帯機器シリーズZaurusでLinuxを採用している。しかし、これまでの市場獲得の試みでは、そうした機器は市場にあまり浸透しなかった。大きく不格好で、米国内では使えなかったからだ。
しかし、巨大技術企業Nokiaが今年初めにリリースしたLinuxベース機器の第2世代Nokia N800 Internet Tabletは、オープンソース・コミュニティーに暖かく受け入れられた。そのNokiaのConvergence Product Sales in North Americaの長であるPaul Murdockは、Palmの発表を「携帯機器用オペレーティング・システムとしてのLinuxの価値を再確認する」ものだと述べている。
また、オープンソース・ソフトウェア開発者向けにLinuxベースのスマートフォンを開発しているノルウェイのコンピューター・ソフトウェア企業Trolltechは、Greenphoneを提供する。オープンソース・ソフトウェア開発者がモバイル・コンピューティング機器向けのLinuxをベースとするアプリケーションを開発するための機器シリーズ第1弾だ。
そして今月初めには、Opera Softwareが、ライセンス料および開発費(額は非開示)と交換で、同社の人気オープンソースWebブラウザーをPalm機器の将来のリリース向けに提供・維持・サポートすることに同意した。
小出しかつ遅すぎ
Palmは年内発売を予定する機器の構想を描くが、このニュースに当惑しているアナリストもいる。その一人、Forrester Researchでインフラストラクチャーおよび運営に関するアナリストを務めるBenjamin Grayは、他社に追いつくのは容易ではないだろうと言う。
「今日のモバイル事業は厳しく、Palmはその入り口にとどまるだけで精一杯でした。Treoは数年前なら革命的でしたが、今となってはさほど革新的には見えません。RIM、Nokia、Motorola、Samsungなどといった大手モバイル機器メーカーは、スマートな新しい機器を提供して人気を集めており、その多くはWindows Mobileプラットフォームです。もちろん、RIMは例外ですが」
そして、Palmが数年がかりでようやくLinuxベース機器の提供を決めた理由は、潜在的な購入層に対して自社の魅力を高めたいというところにあったのかもしれないが、決算の数字によるものと考える方が当たっているだろうと言う。
「このところ、Palm買収の可能性に関するいろいろな思惑が交錯しています。しかし、オープンソースへ舵を切った主な要因は明確に経済的なものだと思います。同社の来るべきモバイル・オペレーティング・システムはオープンソース・テクノロジーに基づいていますから、Palmは自前のオペレーティング・システムを再び持つことができます」
Grayは、Palmが競争力を保つつもりなら速やかに市場における存在感を強化する必要があると言う。「当社のクライアント企業の間では、Windows Mobileに将来性を見るところが増えています。主にコスト面からの判断です。Linuxは確かにWindows Mobileに挑戦できるでしょう。Palmが参戦した今は、なおさらです。しかし、少なくとも今後2年間はエンタープライズ・クラスの機器ではMicrosoftが勝者だろうと思います」
一方、PalmAddictのMcLoughlinはもっと楽観的だ。「概して言えば、みんな期待しているようです。正しい方向へ大きく一歩を踏み出したのだと私は思います。近い将来、Palmからいろいろなことが飛び出してくることでしょう」
