より広範囲なデータベースを
Summers氏がこの認定プログラムを先頭に立って進めているのは、HWDBで掲げていたのと同じような目的からだ。当初「The Love of Linux(Linuxを愛する心)」と称されていたHWDBは、当時MandrivaやFedoraプロジェクトによって提供されていたハードウェアFAQに対抗する形で開始された。Summers氏によるとそれらのハードウェアFAQは、ユーザからの報告ではなく社員による報告が多かったという。それに対しSummers氏はユーザの経験を信用することによって、より幅広くより信頼性の高いハードウェア互換性データベースを構築したかったのだという。
HWDBに載っているコンポーネント/組み立て済みシステム/周辺機器などの種類は今はまだそれほど多くはないものの、日増しにPCLinuxOSコミュニティのための便利で信頼性の高い資料になりつつある。さらにSummers氏は、ユーザが報告した情報を利用して、PCLinuxOS開発チームに対してPCLinuxOSディストリビューションのハードウェア互換性を高めるような変更を提言することも行なっている。またSummers氏は、データベースはウェブ上で公開されているため他のディストリビューションでも是非活用してほしいとしている。
Summers氏がPCLinuxOS認定プログラムを始めたのは、ハードウェアベンダに対してLinuxカーネルチームが無料でデバイスドライバ開発を引き受けることを提案した、Greg Kroah-Hartman氏によるFree Linux Driver Development(無料Linuxドライバ開発)アナウンスにインスピレーションを得てのことだという。そしてこのKroah-Hartman氏の無料Linuxドライバ開発プログラムや、Linuxカーネルがすでに膨大な数のハードウェアをサポートしていることを考えてみると、Linux互換性を売りとして宣伝しているハードウェアベンダの数が現状のようにそれほど多くないのは驚きに値するという。自社の組み立て済みのマシンでLinuxを問題なく動かしているユーザを世界中に抱えるベンダのうち、マシンのケースに「Linux認定」を示す何らかのマークなりを示しているベンダはほとんどない。Summers氏は「おそらく彼らに必要なのは、あなた方のハードウェアはサポートされていますよという通知であり、そのような通知さえ行なわれればマシンに『Linuxで動作可』と記載し始めるベンダもいるだろう」と考えている。
他のディストリビューターの取り組み
ハードウェア認定プログラムはPCLiuxOS以外のディストリビューションからも提供されている。例えばNovellのYES CERTIFIEDプログラムは、PartnerNetプログラムとReadyプログラムの会員に対してSUSE LinuxとNetWareの認定プログラムを提供している。Novellのパートナープログラムの会員になるには、年間1,500ドルのシルバー会員から、年間数十万ドル相当の(Novellに対する)「直接的/間接的な売上貢献」が必要なプラチナ招待会員まで様々な料金体系がある。またRed Hatからも認定プログラムが年間5,000ドルの会員費で提供されている。Red Hatの認定プログラムの場合、ベンダが自らテストと結果報告を行なう必要があるが、一製品につき1,500ドルの追加料金を支払ってRed Hatにテストを依頼することもできる。
またMandrivaは、Mandriva社員がテストし互換性を評価した結果に基づくハードウェアデータベースを公開している。Mandrivaでは一パーツ/一周辺機器あたり500ドルから一サーバシステムあたり1,500ドルまで幅のある料金体系で製品を正式に認定するプログラムも行なっており、認定された製品にはユーザに対する最高レベルの推奨が与えられる。またLinspireのハードウェア認定プログラムはユーザからの報告に基づいて行なわれているようだが、Linspireのシステム構築者向け無料パートナープログラムの会員に対し互換性情報を報告するように呼び掛けている。またUbuntuもハードウェア認定プログラムを有料で提供している。
PCLinuxOSハードウェア認定プログラムは以上に挙げたような他の認定プログラムよりも明らかにコミュニティ指向となっている。したがってすでにPCLinuxOSとパートナーシップを結んでいるSeascapeやeLinuxstopのように比較的小規模なOEMやニッチベンダにとって魅力的なプログラムとなる可能性が高いだろう。
