認定の後
この業界のまた別の問題として、認定に有効期限を設けるかどうかということがある。LPI認定は現在では5年間有効となっている。ただしLacey氏によるとこの有効期限が導入された際に適用を免除された認定者もいるという。一方Red Hatの認定はリリースに対しての認定なので、該当リリースに対してはある意味無効になることはないとも言えるが、認定取得者の確認ページには認定取得の期日が記載されており、認定は2リリースサイクルの間有効だということになっている。Russell氏によると「カレンダー上の単なる任意の日付よりもリリースの方がずっと意味のある判断基準」であるとのことだ。対照的に、CompTIAとO'Reillyの認定には有効期限はない。ただしCompTIAは同社のトレーニングコースがISOとANSIの認証を取得するために有効期限を設けることを検討しているとのことだ。
また、ほとんどの認定試験提供企業では、認定の取得者たちから非常に好意的なフィードバックがあるとしている。特にRed Hat認定の取得者はその認定を誇りに感じているようだ。Russell氏は「彼らはRed Hat認定を他の多くの認定よりも『上』だと感じているようです。そしてそのような資格を持っていることを誇りに思っています」と言う。Russell氏はまたRed Hat認定の取得者たちは、メディアでRed Hat認定プログラムが取り上げられた際などに即座に支持してくれるとし、彼らの職場においてもコミュニティ全般においてもRed Hat認定プログラムの「素晴らしい唱道者」になっていると表現している。
一方でそのような認定取得者のためのサービスはと言うと、まだ始まったばかりの状態で各社で対応が異なっている。例えば、O'Reillyでは、学生は月々のラボ料金を支払うことで「学習サンドボックス」の利用を継続することができる。Gray氏によると、実験用の環境として、また、就職活動中にもアクセスすることができるインターネット上のファイルサービスとして、学生の約40%がこの仕組みを利用しているという。またRed Hatでは学生はメールフォーラムにログインして仲間と連絡を取り合うことができる。一方LPIでは現時点ではそのようなサービスは提供されていないが、Lacey氏によると特定の市場におけるキャリアマッチングサービスが現在試験段階にあるという。今後この市場の競争が激しくなるにつれ、このようなサービスへの関心も高まるかもしれない。
今後の傾向
今回意見を聞いた人の全員が、GNU/Linuxの認定は今後も継続すると見ていた。またその多くが認定プログラムのトレーニングコースをさらに増やすことを検討しているとしており、さらに全員が既存のコースのアップデートの必要性を強く感じていた。なお、仮想化などの新たなテーマの採用と古いテーマのその時点での妥当性を再評価するプロセスについてRussell氏は「10リットルの泥を圧縮して、何とか5リットル用の袋に詰め込もうとしている感じに似ている」と表現した。
このように試験やトレーニングコース教材に最近のテーマを反映させること以外にも、認定プログラムの提供企業は個人や企業の顧客向けにより多くのサービスを提供することにも関心を向けている。例えばLPIでは、新たなテーマについての広範な認定プログラムや、よりベンダに特化した認定の計画を企業とともに検討するなど、企業向けのコンサルティングに重点を置いている。同じようにRed Hatも、トレーニングコースの受講をより便利にすることなど、企業顧客のニーズに関心を寄せている。
この記事で紹介したような認定に関する現在の活動や将来的な予定を考えると、Lacey氏が言うように「認定に対する需要の急増とオープンソースに対する投資が再び戻ってきているように思われる」という点について疑いの余地はほとんどない。この点について異議を唱える人は業界内にもほとんどいないだろう。認定市場は明らかに拡大しており、今後ますます成長しそうな勢いだ。
Bruce Byfieldは、NewsForge、Linux.com、IT Manager's Journalへ定期的に寄稿するコンピュータジャーナリスト。
