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議論を呼ぶIndy 500初「TeamLinux」スポンサーのレーシングカー

2007年05月09日 18:59 Tina-Gasperson(2007年5月5日(土)) 1 2
 Tux500プロジェクトの構想は、一見したところ特に変わったところはないようにも思われる。2人の熱心なLinuxファンが自分たちの大好きなオペレーティングシステムを宣伝するクールな方法を探していて、やがてLinuxの広告を付けたレーシングカーを今年のIndy 500カーレースに参加させるということに決め、必要となる資金を集め始めることにした。

 Tux500プロジェクトの運営者の一人であるKen "helios" Starks氏は、カーレースで宣伝をするのはオープンソースを世に知らしめるための良い方法だと言う。Tux500は、ドメイン名を取得し、ウェブサイトを立ち上げ、Diggへリンクを投稿するといった、オープンソースコミュニティの典型的なやり方である草の根的なやり方をしている。しかしTux500の運営者である、Starks氏とITコンサルタントでもあるBob Moore氏の2人は、コミュニティの度肝を抜くもう一つのことを行なった。すなわちPayPalアカウントを開設し、Linuxファンに25万ドル以上の寄付を求めたのだ。

 これが度を超していると感じる人のために言っておくと、Ken Starks氏がこのようにとんでもなく大きな夢を持つのははじめてのことではない。Starks氏のブログを読んでいると、プロプライエタリなソフトウェアに魂を売るという罪悪について語る、日曜日の教会の激しい説教を聞いているような気分になってくる。それが無駄骨になるかもしれないなどという心配はStarks氏の中には存在しない。そしてたとえそのような心配が心に浮かんだとしても、だからと言ってそれによってStarks氏が思い止まることになることも決してないだろう。

 2006年、Starks氏はLinux4Austinという、Linuxの普及を目的としたスケールの大きいキャンペーンの先頭に立っていた。Linux4Austinの構想は、PCLinuxOSを無料でダウンロードする方法を説明するコマーシャルをカーラジオの聴取率が高い通勤時間帯にAMラジオで流すために1万ドルの資金を集めるというものだった。Starks氏がこの構想を発表したときのLinuxコミュニティの反応には賛否両論があったものの、とにかく大反響があった。Starks氏はインタビューを行なったりプレスリリースを流したりするなどの活動をしていたが、Linux4Austinプロジェクトはやがて不活発になり、計画を話し合うためにStarks氏が立ち上げたフォーラムさえも現在ではアーカイブから削除されている。

 Starks氏によると「うまく軌道にのせることができなかった。Steeprock Media社がすぐにアナウンサーを用意してくれて、コマーシャルの試作も編集もやってくれると言ってくれていたんだけど。だから僕は今でも時々自分のブログにSteeprock Media社のバナーを載せて感謝の気持ちを表わしている」とのことだ。Starks氏によるとLinux4Austinに対して集まった寄付総額は100ドルにも満たず、Linux4Austinウェブサイトの運営資金に当てられたという。

 Steeprock Media社の創設者であるGreg Wilder氏は、Linux4AustinプロジェクトのためにナレーションとBGMを寄付するつもりだったと言う。「Ken(Starks氏)は私たちに連絡を取りLinux4Austinのことを話してくれました。私たちもGNU/Linuxユーザだったので私たちはちょうど良いチームとなることができたのです。そしてコマーシャルを実際に製作して流すことができそうだったのですが、あることがあってプロジェクトをなかなか前に進めることができなくなりました」。

 Starks氏によると、その「あること」というのは同氏が肺がんと診断されたことだという。しかも状況は非常に悪かったためStarks氏はもう助かることはないと思い、ブログを続けることができないことを告げ、住む場所を確保するための寄付を求める記事を投稿した。現在のところ、同氏のがんは鎮静状態にあるとのことだが、Starks氏はこのことをくよくよと考えることは好まず「これまでにすでにがんの闘病にはあまりに多くのエネルギーを費やしてしまったのだから、もうこれ以上自ら進んで(そのことばかり考えてしまって)無駄にエネルギーを使いたくはない」と言う。

 健康上の問題がやや軽減されたため、Starks氏は新たな使命とともにLinux普及活動の道に再び戻ってきた。Starks氏は「Linux4Austinプロジェクトは、僕らが『LIFE』と名付けたプロジェクトのほんの一部分に過ぎない。LIFEというのは『Linux Is For Everyone』の略。LIFEというのは単に、Linuxの普及活動をずっと続けていくことができるように、みんなから支持/賛同/寄付を集めるというプロジェクトなんだ」と言う。

 おそらくではあるが、Starks氏のプロジェクトがいつも議論の的になってきたのは、Starks氏が大きな夢を持つことを恐れないため、あるいはStarks氏がこれまでにも複数の資金集めを行なった経験があるためなのであろう。しかし議論の的になってしまうからと言って、Starks氏がLinuxを普及させるという使命をあきらめることはなかった。「僕は、たちの悪い病気にもくじげずに踏ん張ってきた。そしてその間ずっと僕は、強さ、ひたむきさ、そして少しの洞察力と想像力という健全な性質を、最高のバランスで持ち合わせた人物が現れるのを待っていたんだ」。

 そして今Starks氏は、そのような特別な性質をすべて兼ね備えた人物を見つけたと考えている。それがMoore氏だ。「Bob(Moore氏)は僕に連絡をしてきて『あなたは私を知らないと思いますが、私はあなたのやってきたことを知っています。話をしませんか』と言った」。Moore氏はとんでもないアイデアを持っていた。それがすなわち、40日以内に今年のIndy 500カーレースに出場するレーシングカーのスポンサーになるための資金を集めるというものだった。

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最終更新:2007年07月01日 19:05
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