Pidgin 2.0のダウンロードサイトからは、Fedora CoreとWindows用のバイナリファイルおよびソースコードが入手できる。このように特定プラットフォーム用のパッケージのみが用意されている理由については、Pidgin WebサイトにPidgin開発者による説明が掲載されている。
私の場合、Pidginのインストール先をUbuntu 7.04(Feisty Fawn)にしたかったので、まずはソースコードのtarボールを入手し、sudo apt-get build-dep gaimを用いて依存関係上の問題が無いかを確認してから、通常の手順に従い./configure ; make ; make installコマンドを実行した。この操作によるPidginのコンパイルは正常に完了している。
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Pidginを起動する前には開発元からの注意に従って、Gaim当時のプレファレンスおよびログの格納ディレクトリ(~/.gaim)をバックアップしておいた。もっとも今回インストールしたPidginでは、旧バージョンの設定を問題なくインポートできている。また過去に行ったチャットのデータとログのコピー先は~/.purpleという新しいディレクトリに変更されるが、これはPidginの中核を成すlibpurpleライブラリに因んだ名称だとのことだ。
Pidginには若干の外観的な変更が施されている。全体的にはGaim 2.0ベータ系列の外観を踏襲しているのだが、新規のアイコンおよびスマイリー記号のセットが追加された他、Pidgin本体のアイコンも改められている。新たなアイコンは、マンガ風の吹き出しが付いたパープルカラーの鳥というデザインだ。もっともこのアイコンはPidgin実行時のシステムトレイでは使われておらず、ここには吹き出しと交信ステータスを示すアイコンが表示されるようになっている。Pidginのインタフェースの場合、交信可能な状態(Available)ではグリーンのボタンと吹き出しが表示されるが、交信者の不在時(Away)には時計をあしらったとおぼしきアイコンと吹き出しが表示されるのだ。このアイコンセットはかなり洗練されたデザインであり、これに比べると旧バージョンの表示はあか抜けていない感じがしないでもない。
Pidginで使えるプロトコルについてだが、同プロジェクトのWebサイトでは、AIM、Bonjour、Gadu-Gadu、Groupwise、ICQ、IRC、MSN、QQ、SILC、SIMPLE、Sametime、XMPP(Jabber)、Yahoo!、Zephyrという14種類をサポートしていると説明されている。このようにPidginでは、若干のマイナーなプロトコルも含めて、主要なIM/チャット用プロトコルのほぼすべてに対応しており、有名どころでサポートされていないのはMySpaceのIMクライアントくらいである。ただしMySpaceIMに関しても、Google Summer of Code(SoC)プロジェクトにおいてPidginでの実装が試みられる予定であるから、そのうちに使用可能となるかもしれない。
私としてもPidginでサポートされているすべてのサービスのアカウントを有している訳ではないので、今回はJabber、AIM、Yahoo!、IRCのみを試してみた。その結果、テキスト方式のチャットに関しては、テストしたすべてのサービスを正常に使用できることを確認している。ただし残念ながら、音声およびビデオ方式のチャットについてのPidginの対応状況はかなり遅れていることを認めざるを得ない。私の場合、知人の多くがマイクやWebカメラを装備して、Yahoo! MessengerやGoogle Talkなど音声およびビデオ式のチャットに対応したIMサービスを使用している。ところがPidginではこれらのサービスに関してテキスト式チャットしかサポートしていないため、Pidginを使う限り文字による交信を強制されることになる(あるいはWindowsやMac OS X付属のクライアントを使う手もあるが、できれば遠慮したいところである)。
