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レビュー:VectorLinux SOHO――Slackwareよりも優れたSlackware

2007年05月24日 19:28 Susan-Linton(2007年5月21日(月)) 1 2
 1年半ほど前に初めて試して以来、VectorLinuxは私のもっともお気に入りのプロジェクトの一つとなっている。私がVectorLinuxを気に入っている理由は、VectorLinuxがそのルーツであるSlackwareの安定性とシンプルさを忠実に引き継ぎながらも、幅広いソフトウェアを取り揃えていて、また、初期設定のままでも非常に見掛けが良いためだ。

 つまり言い換えるとVectorLinuxは、堅固な基礎の上に装飾性と機能性を追加したものだということだ。標準版のVectorLinuxにはXfceデスクトップ環境と多様な汎用的アプリケーションが含まれているが、VectorLinux 5.8 SOHOではKDEデスクトップと数多くのSOHOユーザ向けアプリケーションも提供されている。

 VectorLinuxのインストールプログラムはSlackwareのncursesベースのインストーラに基づいていて、システム設定をよりユーザフレンドリにするための手順や機能が追加されている。VectorLinuxではパーティション分割にcfdiskを使用している。すでにディスクのパーティションが分割されている場合は、ルートパーティションなどとして希望するパーティションを指定するだけでよい。一方まだパーティションが分割されていない場合には、パーティションを作成し、そのタイプを指定する必要がある。インストールの際、適切なパーティション分割や設定についての提案などは行なわれない。私の場合、VectorLinuxのインストールの際にスワップ用のパーティションが検出されなかったことが何度かあり、その際には後で/etc/fstabにエントリを追加しなければならなかった。

 ディスクのパーティション分割が完了すると次に、ソフトウェアのカテゴリ選択とシステム設定をメニュー形式で行なうステップになる。Slackwareのアルファベット1文字のカテゴリ名とは異なり、VectorLinuxではopenoffice.tlzやkernel-src.tlzという分かりやすい名前から選択できるようになっている。パッケージにはその他にもMoodin、Firefox、Pidgin、MPlayer、GIMPなどがあり、すべてデフォルトでインストールされる。またVectorLinuxのデフォルト言語は英語だが、その他にもヘブライ語、オランダ語、スペイン語がサポートされている。

 ソフトウェアのインストールが終わると次は設定だ。ここでもやはりメニュー形式でステップごとに進めることができ、入力の際にはチェックボックスやテキスト入力用の枠が用意されている。設定できる内容には、一般ユーザ、画面の解像度、ホスト名とネットワーク設定、ルートのパスワード、ブートローダなどがある。なおVectorLinuxではブートローダとしてLILOとGRUBのどちらも使用することができる。また設定を容易にするためにハードウェアの自動検出機能が装備されているので、大抵の場合にはハードウェアの自動検出結果に応じて提案される設定に同意するだけで済むはずだ。

システム

 システムのブート後ログインすると、ユーザの便宜をはかって、文書やローカルのディレクトリやよく使うアプリケーションなどにリンクしている様々なアイコンがデスクトップ上に表示される。また画面の下部に表示されるパネルには、システムメニュー、いくつかのクイックランチャ、デスクトップページャ、システムトレイ、時計などが用意されている。

VectorLinuxのデスクトップ(クリックで拡大)

 メニューはKDEのデフォルトのメニューで、KDEオフィススイートのすべてとその他のアプリケーションやツールが含まれている。パッケージ管理にはGslaptという、見掛けも操作もSynaptic風のグラフィカルなアプリケーションを利用する。Gslaptには、アップデートや追加パッケージをインストールするためのレポジトリがあらかじめ設定されていた。私はパッケージ・データベースをアップデートした後、いくつかのパッケージをまったく問題なくインストールすることができた。パッケージをインストールするためには、選択したパッケージの上で右クリックして目的の操作を選択し、ツールバーのExecute(実行)をクリックするとよい。

 VectorLinuxには「Vector Administration System Menu」という独自のグラフィカルなシステム設定ツールがある。Vector Administration System Menuを実行するとウィンドウが開き、その中にメニューが入っていて、ユーザパスワードを変更したり、使用するウィンドウマネージャを設定したり、設定を部分的にあるいは全面的にまっさらの状態にするためにスケルトンファイルのエントリをリセットしたり(スケルトンファイルには、より便利にしたり、よりユーザフレンドリにしたりするために、アプリケーションやプロセスに対するデフォルトの動作が設定されている)、rootパスワードが必要となるようなシステム設定を行なったりすることができる。なお最後に挙げたrootパスワードが必要なシステム設定としては、ハードウェア自動検出ユーティリティの設定、ユーザ管理、Xサーバの設定、ブート時に起動するサービスの指定、ホスト名/ネットワークオプションの設定、ハードウェアデバイスの設定、ファイルシステムの設定などがある。

 VectorLinuxの利点としては付属文書も挙げることができる。Vector-Docsという名前のデスクトップアイコンをクリックすると、VectorLinuxシステムを紹介する文書を表示したブラウザのウィンドウが開く。この文書にはVectorLinuxプロジェクトのウェブサイトやヘルプフォーラムへのリンクに加えて、ローカルにある多様なハウツー文書やFAQへのリンクも用意されている。

最終更新:2009年06月24日 13:41