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レビュー:VectorLinux SOHO――Slackwareよりも優れたSlackware

2007年05月24日 19:28 Susan-Linton(2007年5月21日(月)) 1 2

ハードウェアのサポート

 今回私はVectorLinux 5.8 SOHOをHewlett-Packard Pavilion dv6105usノートPC上で試してみた。このノートPCにはNvidia GeForce Go 6150グラフィックスチップ、Altec Lansing MCP51サウンドチップ、Broadcom 4311ワイヤレスLANチップが搭載されている。私はこのノートPC上で数多くのディストリビューションを試してきたが、ハードウェアの大部分はLinuxカーネルでサポートされていた。

 ほとんどのディストリビューションではこのノートPCのハードウェアは問題なく自動検出されたが、VectorLinuxも例外ではなかった。キーボードもサウンドもワイヤレスではないネットワークも、ログイン時に適切に動作した。タッチパッドも問題なく動作したが、やや反応が過敏過ぎるようにも思えた。USBマウスとUSBメモリを挿入してみたところ、マウスは即座に利用可能になり、USBメモリについてもデスクトップ上にアイコンが表示された。またプリンタの設定は主にCUPSのブラウザインターフェース経由で行なうようになっていた。

 グラフィックス画面は、デフォルトでは「vesa」と1024x768の解像度を使用するように設定された。これは私のディスプレイにとっては最良の設定ではなく、私はベンダ推奨の解像度である1280x800の使用を希望していた。またXサーバはNVドライバでは起動しなかったため、プロプライエタリのNvidiaドライバをダウンロードする必要があった。プロプライエタリのNvidiaドライバをインストールしたところ、解像度を目的の1280x800に合わせることができた。

 一方、今回使用したノートPCのワイヤレスアダプタについてはどのLinuxディストリビューションでもうまく行かないことが多く、Linuxカーネルは私のワイヤレスチップをネイティブにサポートしていないので、私はふだんNdisWrapper経由でWindowsドライバを利用している。しかしVectorLinuxでのサポートは、私が試した、最近リリースされた他のディストリビューションの中でも平均以上の出来映えだった。VectorLinuxは私のチップセットを検出し、bcm43xxモジュールを自動的にロードした。これは類似のチップセットにとっては正しいことなのだが、私のノートPCの場合には不適切だ。しかしVectorLinuxでは、「rmmod bcm43xx」、「ndiswrapper -i bcmwl5.inf」、「modprobe ndiswrapper」、「dhcpcd wlan0」というコマンドを実行するだけでワイヤレスネットワークを動かすことができた。その後この設定をリブート後にも有効にするため、bcm43xxをブラックリストに追加し、ndiswrapperがブート時にロードされるようにした。VectorLinuxは私が経験した中では、ワイヤレスの設定をもっとも簡単に行なうことができた部類に入る。なおドライバはWEPとWPAをサポートしていた。

 VectorLinuxのパワーマネージメントには良い所も悪い所もある。バッテリの残量表示機能はしっかりと機能し正確であるように思われる。また省電力オプション機能についてもちゃんと機能し、klaptopでプロファイルを「ondemand」に設定するとCPUの周波数が動的に変更されるようになった。しかし、ACアダプタを取り外したり再び差し込んだりしたときに自動的にプロファイルが切り替わることはなかった。また、設定しても、一定時間入力がない場合に自動的に画面を消したり、スリープ状態にはならなかった。さらにはklaptopの右クリックのメニューからハイバネーションとサスペンドのオプションが完全になくなっていた。なおログアウト用のメニューも含めどのメニューにもサスペンド(STR)やハイバネーションするという項目が含まれていなかった。なおノートPCのフタを閉じるとバックライトは消えるのだが、 ノートPC自体はサスペンドしなかった。私はklaptopの設定がすべて正しく行なわれていることと、acpidが有効になっていることをしっかりと確認したのだが、結果的にはVectorLinuxではこのような点で問題があるということのようだ。

バンドルソフトウェア

 ソフトウェアは、VectorLinuxが本当に優れている分野だ。699MBのインストールイメージには、便利なソフトウェアがぎっしりと詰まっている。KDEのアプリケーションのすべてに加え、さらに追加のアプリケーションが入っていて、VectorLinuxでは非常に幅広いアプリケーションが提供されている。

VectorLinuxのマルチメディアアプリケーション(クリックで拡大)

 システムの基幹部分では、Linux 2.6.21.1、Xorg 6.9.0、gcc 3.4.6、KDE 3.5.6が採用されている。VectorLinuxには、開発関連やゲーム関連のものも含め、標準的なKDEアプリケーションのすべてが含まれている。またユーザがGNOMEファンである場合のために、GNOMEもGslapt経由で入手可能になっている。グラフィックス関連では、GIMP、Xara Xtreme、showFoto、digiKam、xsaneといったアプリケーションが含まれている。またインターネット用アプリケーションとしてはSeamonkey Internet Suiteが含まれているが、Firefox、Opera、Dillo、Lynx、Konquerorも含まれている。その他にもPidgin、Grsyncに加え、ワイヤレスモニタリング/接続用のツールが3種類含まれている。マルチメディア関連では、mhWaveEdit、MPlayer、JuK、Amarok、K3b、GTV、XCam、Xine、Kabooodle、VLCメディアプレイヤが提供されている。オフィスアプリケーションとしては、OpenOffice.org全体と、Tellico、Samba Network、J-Pilotが含まれている。「Settings(設定)」メニューには主にはKDE Control Panel内のKDEの設定が含まれているが、Xscreensaverの設定も含まれている。「System(システム)」メニューには幅広いモニタリング/設定用ツールがあり、gkrellm、vcpufreq、mVL-Hot設定用アプリケーション、vwifi-connect、Gslapt、ファイアウォール設定用のVL、VASM、プリンタ管理用アプリケーションなどが含まれている。また「Utilities(ユーティリティ)」メニューには、各種エディタやCharacter Map、Groupware Wizard、KchmViewerが含まれている。

 私が試したところ、どのアプリケーションもまったく問題なく利用できたが、Pidginだけは何度もクラッシュし続けた。標準KDEアプリケーションに関しては、私が試した限りはそれぞれ適切に機能した。ビデオプレイヤについては、素晴らしいことに、手元にあったビデオ形式をすべてまったく問題なく再生することができた。ただし、Xineについてのみ.bins形式に関して問題があった。またブラウザには多様なプラグインが含まれていた。アプリケーションはすべて安定していて高速であるように思われた。OpenOffice.orgは最初の起動には10秒ほどかかったが、それ以降はその約半分の時間で起動した。Firefoxは最初の起動に5秒かかった。それ以外のアプリケーションのほとんどは、ほぼ瞬時に起動した。

まとめ

VASM tools(クリックで拡大)

 私にとってSlackwareよりも優れたSlackwareとでも言うべきものを提供し続けているという観点から、私はVectorLinuxを高く評価している。VectorLinuxは美しく、便利であり、ホームオフィスでの作業のためには十分に機能する。デスクトップとしてのVectorLinuxは、困ってしまうような問題などはまったく存在しない、素晴らしいディストリビューションだ。一方モバイルシステムとしては、もう少し洗練する余地があるかもしれない。というのも、ほとんどの要求は満たしているものの、サスペンドのような高度な省電力機能のサポートが欠けていたからだ。

 また、ハードウェアの検出、サポート、設定は全体的には優れていたが、Xorgのバージョンが古かったことには少しがっかりした。このことが原因で、何かささいな問題が起こるシステムもあるかもしれない。VectorLinuxに含まれているVASM toolsとGslaptは非常に便利だった。また、バンドルされていたパッケージの選び方は妥当なものに思えたが、インターネット用のブラウザとビデオ再生の分野ではやや重複が多かったかもしれない。システムの性能については、非常に安定していて、高速で、応答性にも優れていた。全体的にVectorLinux 5.8 SOHOは、ベテランLinuxユーザにも初心者Linuxユーザにも推奨することのできる堅実なリリースだ。

NewsForge.com 原文

最終更新:2009年06月24日 13:41