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デスクトップに新風を吹き込むキーボード主導の環境

2007年06月04日 10:29 Bruce-Byfield(2007年5月31日(木)) 1 2 3
 GNOMEやKDEのような従来のデスクトップを使っている人からすれば、最低限のユーティリティしか持たないキーボード制御のデスクトップは、インタフェース設計の歴史を10年か15年逆戻りした存在のように思えるかもしれない。使いやすいデスクトップが存在し、RAMやディスクが安く手に入る現在、何故そんなものが必要なのだろうか。

 確かに、最低限の機能しか持たないデスクトップは万人向けではない。何といっても操作の習得に時間がかかる。しかし、最小機能のデスクトップが快適に思えるくらいまで十分な時間をかけて使ってみると、今ある主流派デスクトップの背後にある設計上の前提条件に疑問を抱き始めるかもしれない。さらには、必要最低限の機能だけを持たせようとするアプローチ(ミニマリスト・アプローチ)そのものに賛同するようになるかもしれない。

 ミニマリスト・デスクトップの主張は、Ionのホームページにまとめられている。そこには「最近はまるで公然の事実のように思われているが、ユーザビリティとは、断じて学習曲線を低く抑えることではなく、システムの詳細をユーザから隠すことでもない」と記されている。つまり、マウスは習得が容易な操作手段かもしれないが、アプリケーションを操作する最も効率の良い方法ではない、ということだ。マウスを使っているときは、片手をキーボードから離したままにしなければならないし、簡単なタスクを実行するのに大抵はメニューの階層をいくつもたどらなければならない。さらに、グラフィカル・アプリケーションでは、使いやすさを重視するあまり、プログラムのオプションやフィードバックの情報がユーザの目に触れなくなっていることも多い。ある意味、基本レベル以上のことを学ぼうとするユーザの意欲が巧妙に抑えられていると言える。もっと高度な機能を使えば、作業が楽になるかもしれないのにである。

 キーボード主導のインタフェース操作は、一連のメニューをマウスクリックでたどる操作よりも習得に時間がかかるが、使い慣れるとそのほうが速度と効率の面で優れていることが多い。キーボードバインディングを有効に使ったユーザインタフェースは、長時間のマウス使用による反復性ストレス障害のある人々にも向いている。また、カスタマイズの要素が少ないので、設定もマウスより簡単である。

 さらに、GNOMEやKDEのような標準的なデスクトップでは、多数のウィンドウをそれぞれがすぐに見つけられるように配置するのが難しいことがある。複数のワークスペースを用意する、パネルにウィンドウリストを表示する、ウィンドウの自動配置を利用するといった解決策はあるが、それらの多くは問題を解決するというよりむしろ、より一層複雑にしている。

 これに対し、ミニマリスト・デスクトップのほとんどには、1つ1つのプログラムを全画面で表示するか、画面上の決まった領域を占めるタブかフレームまたはその両方を使ってプログラムを開くか、のどちらかの解決策が用意されている。ものによっては、Ionのように、設定ファイルを編集して特定のプログラムの各インスタンスを常に同じフレーム内で開くようにすることもできる。当然ながら、どんなミニマリスト・デスクトップにも、ウィンドウ、タブ、フレームを切り換えるためのコマンドが多数ある。

 もう1つ、ミニマリスト・デスクトップのふさわしい使い方は、古いマシンをよみがえらせることだ。こうしたデスクトップは、GNU/Linux用の従来型デスクトップとしては最も軽量なXfceと比べても、必要なメモリ容量がずっと少ない。wmiiプロジェクトに至っては、デスクトップ環境のコードを10,000行以下に抑えることを目標の1つとして掲げている。コードベースの小ささが必ずしも応答性の高さを示すわけではないが、リソースの無駄遣いをなくす狙いがあるのだろう。

最終更新:2007年07月01日 19:05