キーボードショートカットとマウスジェスチャ
キーボードショートカットとマウスジェスチャのどちらも、「Edit」→「Preference」のメニューでカスタマイズが行える。キーボードショートカットのインタフェースには、2つの設定方法がある。ショートカットを設定したい動作の選択までは同じだが、その後は制御キー(Shift、Ctrl、Alt)に対応した各チェックボックスの1つをクリックしてもう1つの文字を入力するか、「Grab」ボタンをクリックして定義したいキーの組み合わせを押すかのどちらかになる。このインタフェースには、前者の設定方法にファンクションキー用のチェックボックスがない、複数の制御キーまたは通常キー単独での設定ができないといった欠点があるが、基本的な設計はわかりやすく操作の効率もよい。
ご存知ない人のために説明しておくが、マウスジェスチャというのは、簡単に言うとマウスに対するショートカットである。マウスジェスチャは一連のマウスの動きで成り立っており、Mozillaベースのブラウザでサポートされているが、ほとんど使われていなかった。風博士の場合は、キーボードショートカット用のものと同様のインタフェースによってマウスジェスチャに新たな注目が集まっている。ただし、マウスジェスチャ用のインタフェースでは、マウスの上下左右の動きを組み合わせて一連のモーションを定義する。マウスジェスチャ機能を際立たせ、それらをカスタマイズ可能にすることで、風博士はこの機能を、非常に良い形で、しかもこれまでより多くのユーザにもたらそうとしている。
その他の機能
ここまでは、風博士の機能のうちで比較的目立つものだけを紹介してきた。このブラウザには、便利でユニークな工夫が本当にたくさん見受けられる。例えば、リンク抽出(link extractor)によって現在表示されているページ上のすべてのリンクをテキストファイルに保存でき、そのページの選択した範囲だけを保存するクリップ選択ツールが用意されている。また、好みのエディタでページを編集することもできる。その他にも、ドラッグアンドドロップによるサイドバーへのダウンロード、履歴を一連のサムネイルにした表示、参照済みリンクの上にマウスカーソルをあてたときのサムネイル・ポップアップなどの興味深い機能がある。
| |
| 風博士の設定画面 ― クリックで拡大 |
独創的なアイデアが随所に盛り込まれてはいるが、風博士はまだまだ未完成品である。ヘルプ機能が、まったくと言っていいほど見当たらない。もう1つ困った点が、ポップアップ画面に閉じるためのボタンがないので、「File」メニューから操作するか、該当するキーボードショートカットを覚えておかなければならないことだ。また、風博士は各種レンダリングエンジンをサポートするようだが、現行版ではGTK+2に限られている。
もっと深刻なのは、Firefoxユーザが当たり前のように思っている多くの機能が風博士では利用できない点だ。そうした機能には、ポップアップウィンドウの自動ブロック、パスワード管理や暗号化に対するJavaScriptとJavaの無効化も含まれる。さらに、私のDebianシステムで風博士の現行版を動作させたところ、再現性のないクラッシュが何度も発生したので、ここしばらくは日常使用に向かないだろう。
だが、こうした欠点にもかかわらず、風博士が一見の価値のあるアプリケーションであることに違いはない。どのWebブラウザも機能に違いがないように見えるなかで、風博士は積極的にユーザニーズの見直しを図っているプロジェクトの1つである。
Bruce Byfieldは、NewsForge、Linux.com、IT Manager's Journalに定期的に寄稿しているコンピュータジャーナリスト。
