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先進諸国に後れを取る米国のブロードバンド環境――平均ダウンロード速度は1.9Mbpsで日本の30分の1以下

2007年06月27日 12:53 [IDG-2007/06/26]
 米国は高速ブロードバンド・ネットワークの分野で他の先進諸国にかなり後れを取っていることが、米国通信業労働組合(CWA:Communications Workers of America)が6月25日に発表した調査リポートで明らかになった。

 この調査は、米国在住のブロードバンド回線ユーザー約8万人を対象にしたもので、CWAの「SpeedMatters.org」サイトを使い、ファイルのダウンロード速度を測定する形で実施された。調査期間は昨年9月から今年5月までの8カ月間である。

 調査リポートによると、米国ユーザーの平均ダウンロード速度は1.9Mbpsだった。これは、同リポートに掲載されている諸外国のデータ――日本(61Mbps)、韓国(45Mbps)、フランス(17Mbps)、カナダ(7Mbps)――に比べるとかなり遅い。

 CWAは昨年9月、「あらゆる米国民に普遍的かつ廉価な高速ブロードバンド・アクセスを提供するための国家的ポリシーを採択するよう米国政府に働きかけることで、デジタル・デバイドを解消し米国の競争力を維持する」ことを目指し、SpeedMatters.orgサイトを開設した。CWAは、電気通信、メディア、製造、ヘルスケア、航空などの業界で70万人以上の会員を抱える労働組合である。

 同リポートによると、米国は高速ネットワークの敷設と可用性の点で世界16位だという。

 CWAで組合長を務めるラリー・コーヘン氏は、今回の結果を受けて、次のように語っている。

 「インターネットで何ができるかはスピードしだいだ。経済と雇用の拡大に必要な21世紀のネットワークと通信を確保できるかどうかはスピードで決まるのだ。他の先進諸国は真の高速ネットワークを積極的に推進してきた。それとは対照的に、米国のブロードバンド環境は経済成長の足を引っ張りかねない状況だ」

 CWAは、ハワイ州選出の民主党上院議員、ダニエル・イノウエ氏が今年5月に提出した「Broadband Data Improvement Act(ブロードバンド・データ改善法案)」に盛り込まれている多くの条項を支持する立場を表明している。同法案は、ブロードバンドの敷設に関するデータ収集と評価、「高速」の定義改定、そして州と地方自治体が独自のブロードバンド・マッピングを行うための助成金制度を要求する内容になっている。

 当時、イノウエ氏はこう述べている。「ブロードバンド・ポリシーの改定にあたり最初のステップとなるのは、基になるデータを客観的に把握できるようにすることだ。今のデジタル時代、世界はわれわれを待ってはくれない。ブロードバンド・ネットワークの基盤を整備し、時代に即した通信ポリシーにすることが大事だ。だが、そのためには客観的な基準が必要となる」

 CWAのリポートは、インターネットでの平均的なダウンロード速度に基づいて各州をランク付けしている。

 まず、回線スピードが最も速いのはロードアイランド州(5.011Mbps)で、以下、カンザス州(4.167Mbps)、ニュージャージー州(3.68Mbps)、ニューヨーク州(3.436Mbps)、マサチューセッツ州(3.004Mbps)と続いている。

 一方、下位はワイオミン州(1.346Mbps)、アイオワ州(1.262Mbps)、ウエストバージニア州(1.117Mbps)、サウスダコタ州(0.825Mbps)、そして最下位はアラスカ州(0.545Mbps)となっている。

 ロードアイランド州だと15秒でダウンロードできる10MBのファイルが、アラスカ州ではダウンロードに2分半もかかる計算だ。

 SpeedMatters.orgによる計測テストに参加したほとんどのユーザーは、DSLかケーブル・モデルを使っていた。米国人の3~4割はいまだにダイヤルアップ回線を使用しているため、もしこれらのユーザーも参加していたら、米国の平均速度はさらに遅くなっていたはずだ。

 今年5月には、下院エネルギー・商業委員会の電気通信インターネット小委員会会長を務めるエドワード・マーキー氏(マサチューセッツ州選出の民主党下院議員)が、米国におけるブロードバンド・マッピングとデータ収集への対応策として、ブロードバンド・データ改善法案に関する聴聞会を開いた。

 聴聞会でマーキー氏は、米国連邦通信委員会(FCC)のデータ収集方式は不十分で欠点が多いと批判した。FCCの方式では、あるZIPコード・エリア(郵便番号が同一の地域)にブロードバンド回線の加入者が1名だけいる場合、その加入者が住民でなく1企業であっても、まるでその地域全体でブロードバンド・ネットワークを利用できるような印象になる。「こうした誤った解釈だと、ブロードバンドの可用性と利用状況を正確に測るのは無理だ」とマーキー氏は語った。

 また、FCCは1999年に「高速」を200kbpsと定義したが、マーキー氏の法案はこれを10倍の2Mbpsに高めることを提案している。

 米国はブロードバンドの料金面でも諸外国に後れを取っている。日本の場合、米国の一般家庭には提供されていない50Mbpsの高速回線を月額30ドル程度で利用できるが、それに対して米国の消費者が支払う料金は、一般に1Mbpsで20ドル、4Mbpsで30~40ドルになるという。

(リンダ・ローゼンクランス/Computerworld オンライン米国版)

米国通信業労働組合(CWA)
http://www.cwa-union.org/

提供:Computerworld.jp

最終更新:2007年07月01日 19:05