WebRunnerは、SSB(Site-Specific Browser)と呼ばれるタイプのソフトウェアで、一度に一つのアプリケーションだけを動かすように設計されている。WebRunnerはまだ完成していないが、すでに将来性を感じさせるアプリケーションだ。
WebRunnerの現在の最新版はバージョン0.5だ。WebRunnerはFirefoxの機能縮小版であり、WebRunner自体のプロセスの中で一度に一つのサイトだけを実行することができる。WebRunnerブラウザには最低限のユーザインターフェースしかなく、ツールバーやナビゲーションのためのユーザインターフェースさえもない。WebRunnerのウィンドウには、Google Reader、Flickr、Webベースのヘルプデスク、各種のウェブメール用クライアントといったアプリケーションを使用するのに必要となる最低限のものだけが用意されている。
なぜSSBなのか
サイトの閲覧にはFirefox(やその他のブラウザ)を使用するだけで良いはずなのになぜ特定サイト用のブラウザが必要なのだろうか? 例えばニュースサイトなどのコンテンツ系のウェブサイトの場合は、表示がFirefoxを使ったときと他のブラウザを使ったときとでまったく同じではなかったとしても、大した問題ではない。しかし、アプリケーションが特定のブラウザではまったく機能しないという場合には、ユーザにとっては大きな問題となる。
開発者もユーザも同じように、ブラウザの非互換性にはうんざりしてきている。多くのウェブ開発者がまだ若いのに頭が薄くなってしまったのは、サポートすることを求められたブラウザの大群に必死に対応しようとした結果であることは疑う余地がない。一方でLinuxユーザも、IEに特化したサイトについて常にブラウザの非互換性に悩まされている。
一部のウェブベースのアプリケーションを、メインのブラウザセッションとは別のプロセスで実行することにはメリットがある。一つには、Firefoxの通常のセッションがクラッシュしてしまった場合でも、生産性アプリケーションのために使用しているSSBは影響を受けない。また、ここ何年かの間にFirefoxやその他のブラウザには、閲覧中のページ以外のページやセッションのデータを盗み取られる可能性のある脆弱性が存在していたが、SSBを使えばセキュリティをさらに高めることができる。金融機関などがSSBを提供すれば、ユーザに自社のオンラインサービスと「だけ」やり取りをさせることができるようになって、ユーザがフィッシングや詐欺に会う恐れが小さくなるので良いかもしれない。
開発者にとってのメリットとして、SSBによって単純化されたアプリケーションインターフェースを使用することができるようになるということがあげられる。厳密に言えば、使用しているアプリケーションがブラウザベースなのかどうかについてユーザが知っている必要はまったくない。WebRunnerの開発がもう少し進めば、「ここをクリックしてアプリケーションを起動する」以上のことをユーザが知る必要なく、WebRunnerで特定のサイトを実行するようにカスタマイズしたパッケージが作られるようになるだろう。
最後に、WebRunnerでは他のブラウザ(Firefoxも含む)ではできないようなカスタマイズも可能になるはずだ。というのも、Firefox用の拡張は多くのウェブサイトで問題が出ないように対応する必要があるが、SSBの拡張やカスタマイズは一つのウェブサイトやサービスにのみ適用できれば良いためだ。
