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Google幹部、R&Dセンターの国際展開構想を語る――「Googleは、R&Dもグローバルに考える」

2007年08月02日 12:42 [IDG-2007/08/01]
 米国Googleは先ごろ、シンガポールに新たなR&Dセンターを設置する計画を発表した。これを機に、同社の国際エンジニアリング・オペレーション担当ディレクター、カンナン・パシュパシー氏がIDG News Serviceのインタビューに応じ、R&Dへの投資を拡大し続けるGoogleのねらいと課題について語った。ちなみに、パシュパシー氏は米国外のR&Dセンターの設立・運営に関する責任者であり、3年足らずの間に20ほどのR&Dセンターを新たに建設したほか、それらのセンター間を結ぶネットワークの監視にも携わっている。以下、パシュパシー氏へのインタビューの内容をまとめた。

サマー・レモン
IDG News Service シンガポール支局

――Googleは、以前はわずか3カ所にすぎなかった米国外の R&Dセンターの数を、3年足らずの間に20カ所以上に増やしたと聞いた。だが、企業文化を維持しながら、会社の成長に見合ったペースでR&Dセンターを立ち上げるというのは容易なことではないと思う。そんな中で、Googleはなぜこれほどのペースで国際R&Dセンターを増やしたり、それらを結ぶネットワークを構築したりしようとするのか。

 確かに、日々変革するこの業界にあって、このようなスピードでR&Dセンターを立ち上げるのは、大変な作業だ。しかしながら、プロジェクトに必要な人員はまだまだ不足している。当社は、多言語をサポートする製品を投入したり、あるいは国ごとの製品を同時にリリースしたりすることで、「グローバル・カンパニー」としての成長を維持しているが、正直言ってエンジニアリング面ではかなり厳しい。そのため、各国・地域ごとにR&Dセンターを設立する必要があるわけだ。

――R&Dセンター間では日常的に相互通信が行われているのか。また、センター間ではどのようにプロジェクトを共有しているのか。

 まず相互通信については、もちろん日常的に行っている。形態として多いのは、電話やビデオを介した通信だ。当社のセンターはすべてコーポレート・ビデオ会議システムでつながっているため、各チームが必要なときに連絡を取り合うことができるのだ。しかしながら、時差の問題があるため、電話やビデオがいつも役に立つとは限らない。

 そこで、「共同作業を行う際には、あまり多くのロケーションに作業を振り分けない」、「異なる場所で作業を進めるチームは、常にコミュニケーションを行わずとも済むようなプロジェクト構成にする」といった、簡単なルールをいくつか設けている。また、センター別に2~3の専門分野を割り当てることで、あるスキルが特定のセンターに集中するようにしている。これにより、研究開発(R&D)を行う際の効率がアップするわけだ。

 なお、それぞれのセンターには、グローバルとローカルの両方のプロジェクトを担当させるようにし、どちらの分野にも貢献するようにしている。

――Googleの企業文化と水平型組織を米国以外の国に浸透させるに際して、何か障壁のようなものはあったか。

 まず大前提として、そういったものに対してオープンな考え方を持った人を採用するようにしている。実際、当社では異文化適応能力を持っているかどうかを確かめるために、入社時に厳しいテストを行っている。当社にとっては、その人の才能、分析能力、問題解決能力、成績に加えて、異文化適応能力が非常に重要なのだ。

 異文化適応能力テストでは、「オープン思考」、「異文化を尊重する考え」、「あらゆる人々から学ぼうとする姿勢」のほか、「重要なのはヒエラルキーではなくアイデアだ」ということを理解しているかどうかが試される。どこかの会社に勤めた経験がある人なら、すでにそうしたことはある程度実践しているだろうし、少なくともそうした方向に自分を向かわせようと努力しているはずだ。

 しかしながら、年齢が高い人の中には、自分流のビジネスのやり方に固執して、いくら努力しても当社のような能力主義の環境に適応できない人もいる。当社では、大学を卒業したばかりの新卒社員が、20年も社会人をやっている社員と同じ発言権を持っているのだから。

――Googleが今年4月に中国でリリースした簡体字IMEの辞書データベースが、ライバルである捜狐(Sohu)の辞書データベースを不正転用したものであることが明らかになったが、このような結果を招いた原因は? そして、そこから学んだことは?

 これは、あるまじき過ちだった。原因を追及すべく社内調査を行い、このようなことが二度と起こらないよう厳しい措置を講じた。

 ただ、こうした事件は、社内の慣行を見直し改善する機会にもなる。当社では現在、テクノロジーの革新に加えて、社員管理をはじめとするプロセスの革新にも力を注いでいる。

 Googleは非常にオープンで透明性に富んだ企業文化を有しているが、今回の失態は、それが裏目に出た格好だ。組織もきわめて水平であるため、一人ひとりの社員にまで注意が行き渡らないうらみがある。質問のあった事件にはインターンが関与していたことがわかったが、会社としてもっと厳しく監督をしておくべきだった。

 企業で勤務した経験のない人を使う場合には、彼らが「正しく動く」との前提に立っていてはいけないということを、われわれはこの事件から学んだ。さらに、そこがそのスタッフにとって初体験の職場である場合には、なおさら、きちんとしたトレーニングを施す必要があるということも。

提供:Computerworld.jp

最終更新:2007年10月02日 17:07