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Linuxレビュー:Absolute Linuxは“絶対買い”なディストリビューションか?

2007年08月10日 09:02 Susan-Linton(2007年8月7日(火)) 1 2
 Absolute Linuxは、定評のあるSlackware Linuxディストリビューションをベースとして作成された軽量型Linux OSであり、ごく最近にバージョン12.0がリリースされたところである。このディストリビューションでは、カーネルバージョン2.6.21.5、IceWMおよびFluxboxウィンドウマネージャ、ncursesベースの各種グラフィカル設定ツールが採用されている。

 その開発目的として掲げられているのは、新規およびベテランLinuxユーザ双方の利用に適する操作性に優れた軽量版Slackwareの構築というものである。実際このパッケージは、安定性とセキュリティを損なうことなく、速度とパフォーマンスを重視したディストリビューションに仕上がっている。

 オリジナルのSlackwareについては、そのインストレーションおよび設定作業(の煩雑さ)が、新規Linuxユーザを遠ざける1つの壁になっていると言っていいだろう。Absoluteではこうした点を改善するため、説明用の各種ドキュメントおよび操作性に優れた設定用ツールが用意されている。たとえばAbsoluteのダウンロードパッケージにはzip化されたISOだけではなく、操作手順に関するテキストファイルおよび、Absolute(およびSlackware)をハードドライブにインストールするためのスクリーンショット付き設定ガイドが収録されたインストールディレクトリが同梱されている。もっとも、このインストラクションの中には説明不足の箇所もあり(cfdiskのステップなど)、最新バージョンの内容が反映されていない部分もありはするが、全体的な操作手順そのものに変更はないので、バージョン番号の食い違いを無視すれば特に大きな問題はないはずである。いずれにせよこのドキュメントについては、新規ユーザが直面するであろう困難を部分的ながらも解消している点を高く評価すべきだろう。

 Absoluteのインストールプロセスでは、Slackwareで使われているncursesベースの対話型グラフィカルインストーラが流用されており、基本的な操作手順については他のLinuxインストーラのものと大差ない。独自の仕様としては、アップグレードオプションが追加装備されており、この機能は旧バージョンを利用しているユーザが重宝するはずだ。その一方で、煩雑なパッケージとカーネルの選択ステップはすべて排除されているが、これは本ディストリビューションでは1種類のカーネルだけが用意されており、バンドルソフトウェアのすべてがインストールされるという仕様によるものだ。またAbsoluteの初回ブート時には、ビデオカードおよびスクリーン解像度の設定を行う必要があるが、私の場合は自動認識された設定内容を確認するだけで済んでしまった。

 システムのブートが終了すると、ターミナルログインの画面に誘導される。その後Xを起動するとデフォルトのIceWMウィンドウマネージャが表示されるが、ここではAbsoluteに用意された多数のテーマや壁紙を選択することができる。

 新規にオペレーティングシステムをインストールした際に行う定番の作業といえば、ユーザアカウントの設定である。Absoluteでのユーザアカウントの追加は、System Toolsメニューからグラフィカルな設定画面を呼び出すことで、簡単に実行できるようになっている。

absolute_1_thumb.jpg
Absolute Linuxのデスクトップ

 root用のデスクトップでは、画面右上に「whoami=root」というエンボス文字が配置されたカスタムの壁紙が表示される。またGetting Startedアイコンをクリックすると、User_Login、USB_Stuff、Audio_Helpなどの各種ヘルプファイルの格納されたディレクトリにアクセスすることができる。なお、Package Tool、Create a new user、Configure Xorg、Software Updating、Configure Networkなどのシステム設定ツール群については、通常のユーザ用メニューではなくroot用のメニューにのみリンクが用意されている。

 実際に使ってみたところ、こうしたシステム設定ツール群がrootメニューからしかアクセスできないのは、不便な構成のような気がしてならない。この種のツールは、rootパスワードの入力を必須にした上で、個々のユーザ用メニューからも利用可能にしておくべきではなかろうか。現状の仕様では、ユーザデスクトップをいったんログアウトしてからroot権限を取得してrootデスクトップにログインし、そこで必要な設定変更を施してから、再び元のユーザアカウントに入り直さなければならないからだ。同様にAbsoluteのGetting Startedドキュメントへのアクセスは、ユーザデスクトップからも行えるようにしておくべきだろう。

 Absolute Linuxには、WebブラウザのFirefox 2.0.0.4、メールクライアントのSlypheed、インスタントメッセージのPidginなど、ユーザが必要とするであろう各種のアプリケーションが同梱されている。その他にデフォルトでインストールされるのは、ワープロソフトのAbiword、画像処理用のGIMP、P2P型ファイル共有ソフトのKTorrent、マルチメディア系ソフトのSMPlayer、K3b、Audaciousといったラインナップである。またメニューからは各種のゲーム、計算機、検索用ツール、開発用アプリケーション、ファイルマネージャ、プランナ/カレンダにアクセスできるようになっている。同梱されているドキュメント類も豊富で、Slackwareについての解説書、Linuxの入門書、IceWMのマニュアルなどを始め、開発作業、グラフィックス、マルチメディアなどの個別分野に関する情報も提供されている。実際このディストリビューションは、Linux-2.6.21-5、Xorg 7.2.0、GCC 4.1.2を中核として、非常にバランスの取れたコンポーネント群で構成されていると評していいだろう。

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最終更新:2009年06月24日 16:11