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SHAREでのLinux実践トレーニング

2007年08月21日 10:34 Nathan-Willis(2007年8月16日(木))
 サンディエゴ発 ― 今週開催されたSHAREでは、メインフレームのプログラマやシステム管理者を対象に、商品の売り込みや新しい情報の得られる講演だけでなく、実環境を用いた演習も行われた。IBMやNovell、その他独立系ソフトウェアベンダのエンジニアによる教育セッションと実地演習に参加してきたので、その内容をご紹介しよう。

計画、診断、比較

 zSeries Linuxのリソースサイトlinuxvm.orgを管理しているNovellのMark Post氏は、メインフレーム向けLinuxのインストールにあたってのプランニングについて解説してくれた。その中では、どのシステムアーキテクチャがどんなアプリケーションに最も適しているか、各種ネットワークおよびストレージハードウェアを相互に比較してどんな利点があるかなど、いくつかの技術的な結論が述べられた。また、メインフレーム上でLinux仮想サーバをサポートする際の責任をどのように割り振るかの決定 ― Post氏がこの問題について、以前からメインフレームとサーバに別々のサポートスタッフがいる大半の現場では「恨みを込めた議論」が交わされていると説明すると、会場からは笑いが起こった ― といった管理上の判断も取り上げられた。

 Velocity SoftwareのPhil Smith氏による「具合の悪い(ヴァーチャル)ペンギンを救え!(Help! My [Virtual] Penguin Is Sick!)」というセッションでは、IBMのz/VMオペレーティングシステムのLinux仮想マシン(メインフレーム仮想化技術の関係者の間では「ゲスト」と呼ばれている)の診断およびデバッグ問題の基本事項の説明が行われた。最初に、彼は「動作が気になるアプリケーション、障害の不安が残るシステム」というスライドを提示して、z/VM関係者は「Linuxゲストからの反応がない」が口癖になっているが、そうした状況はネットワークやLinux、あるいはz/VMの各問題のどんな組み合わせでも起こり得る、と説明した。

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SHAREにおけるz/VM向けLinuxの実地トレーニング

 残りの時間では、それぞれの要素がうまく動作しているときの基本特性の確認、不正な振る舞いがないかを診断するためのチェックリストなど、実践的な作業の概要が紹介された。そのほかSmith氏は、カーネルのログ記録のしくみ、ファイルシステムのさまざまな要素、またそれらのディスクパーティションへの伝統的な配置方法など、Linuxシステム管理の基本事項の説明にも時間を割いていた。

 講演の途中では、z/VMの立場から見たLinuxの欠点も述べられた。Linuxシステムはシステムリソースに対してきわめて貪欲(なるべく多くのメモリを確保して放さない)であり、cronはほとんどの時間は存在しないのにスケジューリングされたジョブがないかどうかの定期的チェックのためにシステムをウェイクアップさせて混乱を引き起こすといった内容だった。

 Post氏もSmith氏も時折LinuxとメインフレームOSの違いについてコメントすることで、また別の興味深い知見をメインフレームの世界に投げかけていた。Post氏は/procおよび/sysの仮想ファイルシステムを歓迎すべきイノベーションとして支持しており、それらによってシステムのプロファイリングが容易になると述べている。

 Smith氏は、メインフレームユーザとして、システム全体を破壊できるほどの絶大な権限を持つrootアカウントの概念には信じ難い恐ろしさがある、と語った。その一方で、彼は「すべてをファイルとみなす」UNIXの考え方は偉大だったとも語り、システムを構成する別々のコンポーネントどうしを接続するだけのカスタムプログラムを書くのに、今どれだけの時間がかかっているか考えてほしい、と聴衆に問いかけていた。とにかく「あまりに長い時間」というのがその答えのようだ。

テストとインストール

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仮想マシンにLinuxをインストールする参加者を手伝うIBMのChuck Morse氏 (立っている人物)

 System zハードウェア向けのLinuxを取り上げたいくつかのセッションの後に続くべきものといえば、それはもちろん実物に触れる機会だ。そのために、SHAREのコンピュータルームの1つでIBMのRichard LewisとChuck Morseの両氏による実践的なインストールワークショップが開かれた。

 このワークショップクラスは3セッション分の長さがあり、カンファレンス1日分の大半の時間を占めていた。参加者は展示フロアのIBMブースにあるzSeriesメインフレームへのアクセス権が与えられ、そこで仮想マシンを作成してLinuxをインストールすることができた。最初にマリスト大学(Marist College)版のインストールを行った。これは2.2カーネルの最小構成のディストリビューションで、zアーキテクチャ向けの完全なLinuxカーネルとしては初めて一般向けにリリースされたものだった。

 Morse氏は、最近の商用ディストリビューションでは自動的に処理してくれるタスクも、旧式のディストリビューションでは参加者が手作業で実行しなければならないので、より深く学ぶ機会が得られる、と説明していた。その次には、もう少し新しいディストリビューションが用意されていた。Maristのインストールを終えた参加者たちはNovellかRed HatのどちらかのSystem z用ディストリビューションのインストールを行った。あるいは、時間がかかってもよければその両方のインストールに取り組むこともできた。

 Lewis氏によると、IBMはここ6年ずっとSHAREイベントでこうしたワークショップを行ってきたという。その間、Linux側の要因にはあまり変化がなく、顧客は以前と同じアプリケーションを実行しており、ワークショップの参加者には依然として新旧の顧客が入り混じっている。彼は、今年のセッションにおけるある大きな変化について指摘していた。顧客からの関心が増しているため、今年のインストール環境では従来のメインフレーム用DASDディスクに代わってSCSIストレージを使用しているのだという。

 たったそれだけの違いだが、これは読者の皆さんが思っている以上に重要なことだ。SCSIストレージに対する顧客の関心というのは、すべてz/VMコミュニティ向けLinuxに端を発したものだが、IBMは自社のその他のメインフレームオペレーティングシステムに対してさえSCSIディスクを用意していない。つまり、今回のSCSIストレージの一件は、Linuxが初めて実世界のメインフレームハードウェアの設計に影響を与えつつあることを意味しているのだ。

Linux.com 原文

最終更新:2007年10月21日 17:07