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Miro――オンラインビデオの検索とカジュアル再生に特化したプレーヤ

2007年08月24日 10:20 Nathan-Willis(2007年8月9日(木)) 1 2
 当初それはDTVという名称で登場し、次にDemocracy Playerと名を変え、そして現在ではMiroと呼ばれるようになった。その呼び名が何であれ、このMozillaベースのクロスプラットフォーム型オープンソース系ビデオプレーヤは、今やパブリックリリースの段階に到達している。MiroにおけるVLCなどのプレーヤとの最大の相違点は、操作性に優れたコンテンツの検索および管理ツールを装備している点だ。そのような機能に特別な意味はないと言う読者もおられるだろうが、その場合は本稿を一読した上で、是非とも再考して頂きたい。

 Miroのダウンロードに関しては、Linux、Mac OS X、Windows版を個別に取得することができる。現行の最新リリースはバージョン0.9.8.1であり、その位置づけはPublic Preview 1とされている。なおLinux版については、ビルドノート付きソースコードや、Fedora、Ubuntu、Debian用のバイナリ版を直接入手できるなど複数のダウンロードオプションが用意されており、こうした配布態勢は高く評価すべきだろう。

 Miroの開発ベースはMozillaプラットフォームであるが、それに付随する依存関係の多くもそのまま継承しており、Mozillaそのものが巨大かつ複雑な構造をしているため、予期せぬトラブルを誘発している。例えば、一部のユーザからはSunのMozilla用Javaプラグインがトラブルを引き起こすとのレポートが出されているが、MiroそのものはこのJavaプラグインをまったく使用していないのだ。こうした問題の最新情報についてはサポートフォーラムにて確認して頂きたい。

 ビデオコーデックのサポートに関しても注意が必要だ。Miroの場合、再生システムとしてはXineおよびGStreamerが使用できるが、現行のXineライブラリはH.264の再生に重大なバグを抱えているのである。

 そのような事情があるため、使用するならGStreamerということになると思うのだが、再生エンジンを変更する場合は設定ファイルを書き換えなければならない。設定ファイルは/usr/share/python-support/miro/miro/frontend_implementation/VideoDisplay.pyにあるので、その中にあるXine用の設定行をコメントアウトして、GStreamer用の設定行のコメントアウトを解除する。この設定変更法は初心者には分かりづらく、そもそもアプリケーション本体の動作設定用オプションパネルに装備しておくべき機能だと思うのだが、現状では他に設定変更の手段は無い。

ビデオの再生

miro_1_thumb.png
Miroのガイドサービス
 Miroのアプリケーション画面左側のペインはコンテンツリストに割り当てられており、この領域には、ガイドサービス、検索ツール、各ユーザのローカルライブラリ、プレイリストなどが表示される。画面右側のペインは、再生ウィンドウ兼ビデオの選択用ブラウザに割り当てられている。

 コンテンツの再生については、再生ボタンをクリックする以外に特に行うべきことはない。GStreamerが読み込めるデータであればMiro上ですべて再生できる。ただしフルスクリーン表示をするためのオプションを除き、画質の調整などはいっさい行えない。

 Miroが優れているのは、ネットワーク上のコンテンツを手元のPCに取得する能力である。ここでの処理は、Miroによって自動的にアップデートされる“チャンネル”というビデオフィードベースで行われる。通常のRSSフィードで提供されているビデオ形式のポッドキャストなどは、最も単純な形態のチャンネルの事例だが、Miroにはその他の方法でチャンネルを独自作成する機能も用意されている。例えば、ビデオの検索結果をチャンネルとして保存したり、YouTubeアカウントをチャンネルとして登録することも可能だ。そしてMiroではこうしたチャンネルに対して定期的なアップデート処理を施して、HTTP経由のダウンロードあるいは内蔵されたBitTorrentクライアントによって、該当するコンテンツを取得させることができるのである。

 テレビの番組もそうであるが、ネットワーク上に散在しているビデオの中から自分の見たい内容のものを探すのは一苦労である。そうした状況を反映してMiroの支援団体であるParticipatory Culture Foundation(PCF)が立ち上げたのがチャンネルガイドサービスである。このサービスでは、カテゴリ、キーワード、人気ランク、言語によるフィード検索が行えるようになっている。

 その謳い文句を信じるなら、このガイドサービスに登録されているチャンネル数は1,800を越えているそうだ。ここにはユーザ側からチャンネルを投稿することもできるが、送信した情報は無条件に掲載されるというシステムにはなっていない。投稿内容についてはPCFによるチェックが入り、ビデオやRSSフォーマットに関する技術的な要件および利用規約を満たしているものだけが採用される。

miro_2_thumb.png
MiroによるGoogle Videoの検索
 この数年間でビデオポッドキャストの普及がかなり進んだが、Miroのビデオ検索サービスを利用すると、より広範なコンテンツ検索が行える。このアプリケーションからは、1度に1箇所のみという制限は付くものの、YouTube、Veoh、Google Video、Blogdigger、Revver、DailyMotion、Blip.tvを対象とした検索が行えるのである。ここで行う検索結果は直ちに解析されてダウンロード用リンクが自動作成されるので、RSS形態で提供されているビデオと同等の感覚で、ユーザは希望のコンテンツを入手することができる。

 Miroは、各ユーザが別途収集したローカルライブラリからのビデオ再生にも対応している。ポッドキャストのビデオコンテンツは1度見れば削除される性質のものだという前提の下、これらは自動ダウンロードの取得データとは別扱いにされている。ダウンロードされたビデオについては、デフォルト設定下において6日後には“有効期限”切れとされるが、この失効期間に関する設定は変更が可能であり、必要であれば個々のビデオ単位で失効の対象外にしておくこともできる。

 ユーザの登録したチャンネル(ポッドキャストおよび検索結果の保存)は、Miroの画面左側に一覧される。これらの項目はフォルダベースの整理をすることも可能で、また個々のジャンルごとの登録数や未再生件数を確認できるようにもなっている。

最終更新:2007年10月24日 17:07