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Miro――オンラインビデオの検索とカジュアル再生に特化したプレーヤ

2007年08月24日 10:20 Nathan-Willis(2007年8月9日(木)) 1 2

散見される不備

 Miroには未完成な点がいくつか残されている。私が最初に試した際には、定期的にCPU使用率が100%に達し、起動してから数秒後にクラッシュするという現象に遭遇した。この原因については、Miroが個々のビデオに対して行うメタデータの収集とサムネール作成にあることが判明している。私の環境では、MythTVのコレクションなどを含めた相当な数のビデオライブラリが格納されているのだが、こうしたビデオファイルのヘッダやフレームにMiroや再生エンジン側で対処できないものがあると、それがクラッシュを誘発していたのである。

 この問題の対処については、再生エンジンをXineからGStreamerに切り換えたことが役立った。しかしながらカタログ情報の収集に関しては、ユーザによる命令がなくてもMiroが勝手に実行する点はもとより、この処理を停止させる方法が見つからないのである。その後判明したのは、Miroによるコンテンツの自動ダウンロード先を私の巨大なビデオコレクションと同じディレクトリに指定した点に問題があり、この設定については別のフォルダを指定し直すことにした。

 ところがこうした変更後も、Miroによる先のフォルダに対するスキャンは止まらなかったのである。結局のところ、他のユーザ設定がMiroの設定ファイルに書き込まれるのに対して、ユーザの“ダウンロードフォルダ”の設定はGConfキーに記録されることが判明した。つまりMiroのユーザ設定は、拡張子を.miroとするメインの設定ファイル、ここで触れたGConfキー群、そして/usr/share/python-support/miro/miro/にあるサポートファイル群といった、3つの異なる場所に分かれて記録されているのである。いくら何でも、これは統一性が無さすぎるだろう。

 原因が何であれ、ビデオのメタデータを読み込もうとする際にMiroがクラッシュするのは大きな問題である。インターネットからダウンロードしてくるビデオの中には、ヘッダ情報が狂っていたりフレームの一部が欠落しているものがざらに存在している。このことはMiroのログファイルにも記述されているが、それにもかかわらずMiroはガイドサービスの収録ビデオを読み込む際にかなり高い確率でクラッシュしているのである(検索エンジンで見つけたビデオについては、もっと危険である)。

 またMiroは、QuickTimeなど一部のプロプライエタリ系フォーマットをLinux上で再生することができない。この辺の権利関係をMiroが対処するのは不可能だとも思えないのだが、むしろこの不具合は都合が悪い問題への逃げ口上に使われているのではなかろうか。例えば『Ask a Ninja』などは2種類のビデオフォーマットでフィードが提供されているにもかかわらず、Miroはユーザに選択の余地を与えることなくデフォルトで“iPod”フォーマット版を取得するようになっているため、Linux上では再生できないのだ。

miro_3_thumb.png
ビデオダウンロード時のMiroのコンテンツチャンネル
 その他にMiroのユーザインタフェースに関しては、原因不明のフリーズを起こすケースがある。この場合、HTMLによりレンダリングされるガイドウィンドウを除いた残りの画面全体がマウスクリックに反応しなくなり、Miroを強制終了させるしかなくなるのである。またシステムの構成によってはFlashビデオがこのトラブルの原因となることもあり、その際にはサウンドサーバまで巻き添えになってクラッシュし、サウンドサーバを再起動するまで音声関係の再生がすべて不可能となるケースもある。

 私個人としては、BitTorrent経由でコンテンツをダウンロードするというMiroの機能に高い将来性を期待しているのだが、現状ではまだまだ未完成のようである。おそらくはこの方式でコンテンツを配信しているフィードがほとんどないためだろうが、現状のMiroの場合、一般に利用されている.torrentファイルのハンドラとして自分自身をFirefoxに登録するようにもされていない。

まとめ

 以上、いろいろとMiroに付随する不具合を取り上げたが、これらをもってコンテンツ検索機能を始めとする各種のメリットを切り捨てるのは賢明ではないだろう。特にMiroで気軽に行えるビデオ検索の操作性は、Webブラウザの比ではない。選択したビデオを1度クリックするだけで、その後のダウンロードおよびローカルフォルダへの格納がバックグラウンドで自動的に処理されるのである。この操作感に慣れてしまえば、よもや同様の作業をFirefox上で行おうとは思わなくなるはずだ。

 同じくMiroのガイドサービスも優れたユーティリティに仕上がっている。Apple製のiTunesプレーヤは装飾過剰で比較する気にもなれないのだが、多くのオープンソース系オーディオプレーヤはiTunesの外見だけを模倣することに目を奪われて、より重要度の高いiTunes Store型機能の実装がおろそかになっているのではなかろうか。Miroの場合は、コンテンツの作成元や発信元という枠組みを超えて利用できる操作性に優れたビデオ検索機能を装備することで、他の同種ソフトと一線を画していると見ていいだろう。

 かく言う私であるが、手元にあるMythTVのコレクションやDVDをLinux PCで再生する場合は、再生品質も高く各種の画質調整の行えるVLCをおそらく今後も使い続けることになるだろう。それでも1度見れば終わりという低解像度なポッドキャストやYouTubeを再生する場合は、その種の再生に特化したMiroを使うメリットが充分にあるはずだ。

 つまりMiroとは、アプリケーションを切り換えることなく興味のあるビデオコンテンツをその場で探して気軽に再生やダウンロードをしたいという用途に適したソフトウェアなのである。

Linux.com 原文

最終更新:2007年10月24日 17:07