実行中のシステムの比較
上述したように、3つのディストリビューションにはどれにも0.20.xシリーズのMythTVが含まれている。0.20.xシリーズは、MythTVプロジェクトの最新安定版だ。パッチレベルはディストリビューションによって異なっているものの、どのディストリビューションでもハードウェアのサポートやデインターレースのようなソフトウェアの重要な機能については基本的に同等だ。
MythTVの先進的な「メディアセンター」機能のすべてを利用することができるようにするための正式パッケージである「MythTV Plugins」についても同様に、3つのディストリビューションはすべて、基本的には同じバージョンを使用している。MythTV Pluginsには、MythArchive、MythDVD、MythFlix、MythGallery、MythGame、MythMusic、MythNews、MythPhone、MythVideo、MythWeatherなどが含まれている。ただしMythBuntuでのみ、音声/ビデオRSSフィードを扱うための新しいプラグインであるMythStreamが省かれていた。
レビューを行なうには都合の良いことに、3つのディストリビューションはMythTVのデフォルトのテーマとしてそれぞれ異なるものを選んでいて、MythBuntuは「G.A.N.T.」、MythDoraは「Retro」、KnoppMythは「Titivillus」を使用していた。これらの中ではRetroが圧倒的にかっこ良くて新しい感じがしたので、私の好みとしてはMythDoraに分があった。当然ながら好みは人によって大きく異なると思われるが、使いやすさという観点からはテーマの選択は重要な点になり得る――MythTVのほとんどの設定や操作はキーボードで行なうが、カーソルは隠されているため、メニュー内の現在位置の分かりやすさという点で、テーマがハイライトを行なう方法の違いが大きな違いを生むこともある。
手間のかからない、クリック一つで起動するMythTVマシンが実現できれば夢のようなのだが、今のところはMythTVユーザは時折、通常のLinuxマシンと同じようにシステム管理を行なう必要があるだろう。このことを欠点(すなわち「MythTVはTiVoほど使いやすくはない」)と考える人もいるが、MythTVの持つパワーの一つであることも忘れてはいけない。つまりMythTVシステムの強みの一つは、変更することができる――プラグインを使用して機能を付け足したり、キャプチャカード、ストレージ、出力用ハードウェアを新しく追加したり、MythTVマシンを複数台接続したりすることができる――ということだ。
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| MythBuntuのテーマは「G.A.N.T.」 | KnoppMythのテーマは「Titivillus」 | MythDoraのテーマは「Retro」 |
これら3つのMythTV用ディストリビューションには、必須ではないパッケージは最低限しか含まれていない。MythBuntuは軽量なOpenBoxウィンドウマネージャを使用しているが、グラフィカルなSynapticパッケージマネージャも含まれているので、Synapticを使用すれば通常のUbuntuレポジトリ経由で提供されているあらゆるものをインストールすることができる。MythDoraは通常のFedoraデスクトップ(Fedoraのパッケージマネージャも含まれる)を提供しているので、GNOMEに慣れていれば簡単に使うことができるだろう。KnoppMythはFluxboxを使用していてテキストモードのAptitudeパッケージマネージャが利用できるようになっているが、インストールするための追加ソフトウェアという点ではあまり多くは提供していない。
選び方
どのMythTVディストリビューションが自分に最も適しているのかを決めるには、どのような点についての便利さを最も重視するのかを決める必要がある。今回試したところ、ブートとハードディスクへのインストールに最も時間がかからなかったのはKnoppMythで、最も時間がかかったのはMythDoraだった。その一方で、インストールのプロセス自体はMythDoraが最も簡単だった――ステップやオプションの説明が優れていて、MythBuntuでのようにOSの設定とMythTVの設定の順番が入り交じることもまったくなかった。
当然ながら、インストールプロセスよりも実行中のシステムの能力の方がさらに重要だ。3つのディストリビューションはすべて、MythTVとプラグインに関してはほぼ同等のものを提供している。セキュリティを気にかける場合には、3つのディストリビューションでそれぞれ異なるユーザ/ルートのアカウントの形式を考慮のうえ、最も良いと思うものを選ぶのが良いだろう。MythDoraは最初の時点で最も多くのパッケージをインストールする(したがってインストールに時間がかかる)。このことは軽量なシステムを構築したい場合には欠点となるものの、肥大化しているわけではなく、含まれているアプリケーションにはCD/DVD作成用ユーティリティのK3bなど非常に便利なものもある。
日常的なシステム管理に関して言えば、KnoppMythはMythBuntuとMythDoraにはかなわない。KnoppMythは、KnoppixのライブCDであるという性質を受け継いでいるため、個々のパッケージをアップデートすることができない。それでも良ければ問題はないが、MythTVのバックエンドのように常に稼動させておく類いのシステムの場合には、通常のディストリビューションのように柔軟性が高く設定可能な部分が多い方が好ましいように思う。
結論としては、もしTiVoの代わりとなるシステムを今日構築するというのであれば、私はMythDoraを使用するだろう。MythBuntuは大きな将来性を示しているので、7.10の最終版がリリースされればもう一度検討したいと思う(これは部分的には私がメインのデスクトップマシンでUbuntuを使用しているためでもある)が、今のところはまだ採用には早いだろう。とは言えどのディストリビューションを選んだとしても、最新式のMythTVマシンを立ち上げて適切に設定することは、これまでにないほど非常に簡単にできるようになっているということは間違いない。
