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Wikipedia創設者、Jimmy Wales氏の講演録:Wikimania 2007から

2007年09月28日 17:26 美谷 広海 1 2 3
 今月25、26日、未来のインターネット社会を展望する国際カンファレンス「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007」が開催された。このカンファレンスのために来日したウィキペディアの創設者、Jimmy Wales氏は、いま世界で最も注目を集めるビジョナリーだ。ここでは、先月(8月3~5日)台湾台北市で開催されたウィキペディアの国際カンファレンス、Wikimania 2007での氏の講演の内容を紹介したい。この講演では、彼がウィキペディアとは別に立ち上げたWikiaという企業でどのようなプロジェクトを行っているのかが語られた。

JimmyWales_thumb.jpg
Jimmy Wales氏

Wikiaについて

 今日は、検索の未来についてお話をしたいと思います。その前にまずWikiaで何を行っているかについて総括したいと思います。

 Wikiaのビジョンは世界で最大の持続可能なユーザーコントロールによるフリーコンテンツのメディア企業(world's largest sustainable free content user control media company)になることです。持続可能とは、利益の出る方法を見つけなければいけないということです。人々を引っ張りソフトウェアを開発していき、長く維持していくということです。フリーコンテンツについては、なぜならば私はこの世界から来ているからです。私はフリーライセンスのコンテンツ、フリーオープンソフトウェアの考えを信じています。私はこれに人生の全てを注いでいます。そして、ユーザーコントロール。ウィキペディアで示されたとおり、コミュニティーが誠実なコントロールを行っており、フリーライセンスがそのための重要な役割を果たしています。

 私が話した言葉で有名なものに「この惑星にいる誰もが、あらゆる知識全体にフリーにアクセスできることを想像してください」というものがあります。そしてWikiaは全ての人間の知識にフォーカスしています。それは単なる百科辞典を超えるものです。百科辞典がスタート地点であり、それがウィキペディアですが、図書館にはもっと多くのものが置かれています。私たちが考えているのは、ウィキペディア財団は、百科辞典、辞書、マニュアルなど非営利の文献を取扱い、Wikiaは、それ以外の本や雑誌、その他人類によって生みだされるあらゆるメディアを扱うということです。

 すでにWikiaには様々なコンテンツが生まれてきており、現在3000以上のコミュニティーがあります。ウォークラフトや、ファイルナルファンタジーなどのゲーム、エンターテイメントの世界、テレビ番組のジャンルでは、とても複雑なシリーズである「24」や「LOST」についてのものがあります。こういった番組を何気なく観た視聴者は話がどうなっているのかを知ったり、ずっとあらすじを把握していくのは難しいのですが、そこでファンがあらすじがどうなっているのか、詳細をドキュメント化してくれます。で、私のようにたまたまLOSTを見た視聴者はLOSTで何が起こったのかわからないところがあると、LOSTのウィキをチェックして理解します。

 なぜWikiaなのか。それは私がウィキペディアの創始者であるということから、ユーザーからの信頼があります。またスタッフは、様々な言語圏からのウィキペディアン(ウィキペディアユーザー)ですのでコミュニティーについての長い経験があり、自由とコントロールとの間で正しいバランスを取るために何が必要かについても熟知しています。ウィキをつかっているその他の会社もいろいろとありますが、ライセンスの取り扱いに問題があったり、不適切な検閲を行っていたり、コミュニティー自身に判断をさせていなかったりなどします。

 ですが一番のポイントは巨大なコミュニティーを独自に創り出すのは難しいということです。大勢の人がMediaWikiをダウンロードし、ウィキを立ち上げていますが、コミュニティーを創造し、維持し、その熱を保ち続けるのは非常に大変なことです。いくつかの独自に立ちあがっていたウィキがWikiaにファミリーとして加わったのですが、それらのウィキではトラフィックとユーザーの参加が急増しました。シングルサインオンによる利便性もありますし、また関連する他のトピックから誘導できるからです。ウィキコミュニティーを独自に始めたときは、運営し続けていくのに苦労するでしょうが、Wikiaでコミュニティーを始めることで、すぐに似たような興味を持つ人たちが参加してくるのです。

 そして私たちが考え続けているのは、このウィキのムーブメントをどのようにしたらギーク文化以外にも広げることができるか?ということです。どのような人たちがウィキペディアをつくっているのかと言えば、それはギークと呼ばれるような人たちです。これを次のグループへと広げていきたいと考えています。複雑なソフトウェアの使い方を学ぶ時間がない人に、できるだけ簡単な方法を提供したいと考えています。Wikiaは今までのところ、とても良い勢いで成長してきています。Wikiaの記事数は現在、フランス語、日本語、ポーランド語のウィキペディアを越え、2番目に大きいドイツ語のウィキペディアよりも成長しています。

 それでは、WikiaのCEO、Gil Penchinaを紹介したいと思います。彼はWikiaの特徴についてデモンストレーションを行います。GilはeBayからやってきました。彼はヨーロッパのeBayの元トップで、コミュニティーに関する本物のセンスを持っています。eBayには何百万ものユーザーがいますが、eBayにとって本当に大切なのはコアとなるユーザー、実際にeBayを創り出している人たち、商品を出品している人たちです。それはWikiaでも同じです。何百万人もの人がWikiaを読んでいますが、最も重要なユーザーはWikiaを書いている人たちです。それでは、Gilのデモです。

…中略(Gil氏によるWikiaのデモンストレーション)…

最終更新:2007年11月28日 17:08