CADは、建築家向けのオープンソースのツールの中では、もっとも未発達なツールだ。AutoCADでは建築家にとって効率の良い機能が提供されていて、例えば何百個もの扉や窓や柱を数秒で設計図に追加することなどができる。一方オープンソースのCADでは、そのような作業のほとんどを一から行なう必要がある。また現時点のオープンソースCADアプリケーションでは、まだ大量の定型的な作業をうまく扱うことができない。しかし非定型的な設計を行なったり自分の需要に合わせた特注のCADソフトウェアを作成したりしたい場合には、オープンソースは優れた選択肢だ。
QCadのコミュニティ版はオープンソースのシンプルな2D CADアプリケーションで、建築設計図の作成にも適している。QCadコミュニティ版は台湾などの国や地域では非常によく使われていて、台湾企業の中にはQCadコミュニティ版を建築設計図のための標準的なソフトウェアとして使用している企業もある。
QCadコミュニティ版は、QCadプロフェッショナル版の数ヵ月後にリリースされる。したがって例えば、QCadコミュニティ版の現在の最新バージョンは2.0.5.0で、プロフェッショナル版は2.1.3.2となっている。なおQCadプロフェッショナル版は一ユーザあたり33ドルで購入することができる。またプロフェッショナル版にはデモ版があり、ダウンロードして機能無制限で100時間使用することができるが、10分ごとにシャットダウンするようになっている。
QCadには、点、線、弧、円、楕円、多角形、NURBS、テキスト、寸法記入、陰影、塗り潰し、寸法測定などに関する強力なツールがある。ラスタ画像を使用することもできるし、その他にも多くの編集用ツールがある。またメインウィンドウの中にコマンドラインがあって、そこから製図の制御を正確に行なうことができる。一言で言えば、ベテランの建築家が設計図を作成する際に必要なものはすべて揃っている。
ただ残念な点として、QCadはAutoCADのDWGファイルをサポートしていない。
QCad以外のオープンソースのCADアプリケーションには、BRL-CADがある。BRL-CADは3D CADでCSG(Constructive Solid Geometry)モデリングをすることができる。あるいはもし独自のCADを開発したいという場合には、Open CASCADEをプラットフォームとして利用するという手もある。
