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航空会社の機内エンターテインメントシステム賞を制したLinux

2007年10月11日 10:33 Mike-Ho(2007年10月5日(金)) 1 2
 Panasonic AvionicsによるLinuxベースの機内エンターテインメント(IFE:In-Flight Entertainment)システムeX2が、IFE業界グループの主催する今年のAvion Awardsの各賞を制した。総合部門の最優秀IFEに選ばれたのはエミレーツ航空(Emirates)、シンガポール航空(Singapore Airlines)、キャセイパシフィック航空(Cathay Pacific Airways)であり、3社ともeX2の派生版を採用している。

 このRed Hatベースのシステムは、カンタス航空(Qantas Airways)の各機種とデルタ航空(Delta)およびコンチネンタル航空(Continental)のボーイング777型機にも設置されている。Panasonicの機内エンターテインメントシステムの最新版であるeX2は、これまでのようなお決まりのラジオ番組ではなく、そのコンテンツは航空会社にもよるが、オンデマンドのオーディオおよびビデオ番組、ゲーム、オンライン書籍まで提供するものだ。

 獲得票数の多かった上位3社がすべてPanasonic AvionicsのIFEを採用していることから、実際に各賞を制したのはPanasonicではないかと思われる方もいるだろう。南カリフォルニアに本社を置くPanasonic Avionicsによると、同社のシステムは世界中の3,000を超える機体に導入されているという。

 Panasonic AvionicsのCEO、Paul Margis氏は次のように話している。「我々の顧客を非常に誇りに思っている。それぞれに独自色の強いシステムをお持ちだ」

 受賞した航空会社はいずれも同じeX2のコアソフトウェアを使用していて類似のハードウェアプラットフォームを共有しているが、Margis氏によるとユーザインタフェースの部分はカスタマイズされていて外観は各社で異なるという。

 Red HatのオペレーティングシステムはPanasonicのハードウェア構成と連携させるために「相当なテーラリング」が必要だった、とMargis氏は語る。こうしたテーラリングを可能にしたのがLinuxのオープンソース性だったという。同社ではコンテンツの高速ストリーミングが必要な少数のコンポーネントにはWind RiverのVxWorksを採用しているが、eX2のほとんどのコンポーネントは各種Linuxを動作させている。

 また、ヴァージンアメリカ航空(Virgin America)も自社のLinuxベースのシステムREDにおいて、Panasonic製システムのコンポーネントを利用している。REDは社内で「スクラッチから」構築されたもので、PanasonicのeFXなど各種のIFEコンポーネントを利用している、とヴァージンアメリカで機内エンターテインメントシステムに携わるディレクタCharles Ogilvie氏は話す。

 このIFEを備えた各機体全域に及ぶ無線アクセス機能により、持ち込んだノートPCを使って座席に居ながらゲームを楽しんだり食事を注文したりできるという。手持ちのPCがなくても、それぞれの座席にはキーボードが用意されている。

 REDは継続的にアップデートが行われるベータ版的製品と見なされているため、同システムには投書箱も用意されている。「求められるものは常に変化しているはずだ」とOgilvie氏は述べる。

 今年、ヴァージンアメリカがAvion Awardsに選ばれなかったのは8月の時点で運航を開始していなかったためだが、来年は受賞を狙いたいとOgilvie氏は語る。

 また、Thales Aerospace社もLinuxベースのIFEシステムを手がけている。同社のTopSeriesシステムは、エアチャイナ、エアインディア、アイスランド航空など、いくつかの航空会社で機内エンターテインメント用として採用されており、さらに来年には日本航空での導入も予定されている。

最終更新:2007年12月11日 17:07