今後
今後はどのような展開になると予想されるのだろうか? 調査会社The 451 Groupでオープンソース調査担当ディレクタを務めるRaven Zachary氏によると「予想される結果は非常にたくさんある。訴訟の申し立てが却下される可能性もあるし、この訴訟に意味がないことを証明するような先行技術が発見される可能性もある。裁判官が原告にとって有利な判決をする可能性も、被告にとって有利な判決をする可能性もある。あるいはどの企業も和解するという可能性もある」。
Zachary氏は「訴訟の対象となっているのは非常に一般的な概念なので、侵害したのはLinuxが最初ではないと思う。実際、他の企業にもまったく同様に当てはまるだろう。今回の訴訟がLinuxオペレーティングシステムに痛手を与える可能性があるというのであれば、間違いなく確実に、他のオペレーティングシステムに対しても痛手を与える可能性がある」と指摘した。
Zachary氏によると、ビジネス界ではこの種の特許侵害訴訟はあまりにもよくあることであるため、ニュースにならないことさえもあるのだという。「しかしオープンソースの世界では、(この種の訴訟は)目新しいことであり事例も少ないため、過剰に反応している」とのことだ。
この訴訟は特許制度改革につながるのだろうか? 必ずしもそうとは限らないようだ。Naughton氏によると「技術企業、特にソフトウェアやIT産業の企業では、あらゆる特許トロールを撃退することのできる魔法のお守りかのように『特許制度改革』が掲げられることがよくある」が、「現在の特許システムには深刻な問題点があり、より優れたシステムにするための改革方法もあるだろうとは言え」、今回の訴訟で議会や裁判所からそのような類いの反応を引き出すことができるとは考えにくいとのことだ。Naughton氏は、そのようなことが起こるためには現在のシステムが言語道断な方法で悪用される必要があるが、Acaciaの今回の訴訟はそれには当てはまらないとした。
Naughton氏によると 「今回の場合は一見したところ、特許審査官が先行技術の徹底した調査を怠ったために発明者が根拠の弱い特許を取得することができてしまい、その特許を使用してロイヤリティをゆすり取ろうとしている、というようなケースではないようだ。半年ほど前にAppleがこの特許に直面して早急に和解していることから、この特許には実質的な中身があると思われる」とのことだ。
Zachary氏は、この訴訟の結果がどのようなものになろうと、裁判が長期化してしまった場合にRed HatとNovellが下すかもしれない判断に対して、オープンソースコミュニティは心を閉ざすことのないようにすべきだと考えている。「技術のライセンスを購入する方を選択するということは、有罪を認めるということではなく、単にその方が安価な選択肢であるからという可能性もあるのだ」。
Zachary氏は、示談による解決には波及効果があるかもしれないという。「もしもRed Hatがこの訴訟を片付けるためとして支払いに応じることにした場合には、今回と同じ原告が他のオペレーティングシステムに対しても訴訟を起こして同様のことを要求するだろう」。そのような筋書きは不愉快なようではあるものの、「特許トロールによる訴訟が巧妙化するにつれ」、将来的にはどのみち起こる可能性の高い訴訟だ。そういう観点からRed HatとNovellは、破産しないことを期待する株主や顧客を抱える上場企業として最も合理的な行動を取る必要があるとZachary氏は指摘する。
Zachary氏は「結局のところ、これはビジネスだ。ライセンスを買った方が安くつくのであれば、ライセンスを買うだろう。しかしまだ決め付けるのは早い――とりあえずは裁判の成り行きを見守ることにしよう」とまとめた。
