こうしたFOSSの専門家によれば、GPLv3の採用は予想どおりに進んでいて、慎重を期すべき理由はあるが今後数年間でGPLv2はGPLv3に置き換わるだろうという。また、Evans Data社の調査についても、記載されている情報は複雑な状況を一般化しすぎている、と指摘する。
Evans Data社は380名の開発者を対象とした調査から、FOSSに携わる開発者の“わずか”6%しかGPLv3を採用していないと結論付けている。もっと深刻なのは、調査対象者の3分の2が今後1年間GPLv3を採用する予定がなく、43%はずっと切り替えるつもりがない、と記していることだ。同社は「GPLv3を導入したプロジェクトにはあまり参加したくないという人の数は、参加したいという人の2倍にのぼる」とも述べている。ただし、こちらの調査結果についての詳しい数値は記されていない (報告書の完全版をは有料サービスの顧客のみ参照可能)。この発表が暗に主張しているのは、GPLv3は失敗だったということのようだ。
しかし、FOSSに関わる人々からすれば、この主張は早計なものに見える。Palamidaのマーケティング担当バイスプレジデントTheresa Bui氏とFSFの常任理事Peter Brown氏がそろって認めているのは、多くのアナリストやコミュニティメンバーはGPLv3への移行の速度について非現実的な想定をしている、という点だ。
GPLv3リリースの翌日のことをBui氏は次のように語る。「なかには6月29日になれば堰を切ったようにGPLv3の採用が相次ぐだろう、と本気で思っていた人もいます。しかし、そういう人はソフトウェアがどのように開発されるかをよく知らないのです。回帰テストの実行やソフトウェアのまったく新しいバージョンの切り出しというのは、大半のソフトウェアプロジェクトにとってあまり優先順位の高い項目ではありません」。多くのFOSSプロジェクトはソフトウェアの次回のリリースでしかGPLv3への切り替えを行わないでしょう、と彼女は説明する。
