成功の見込みと途中経過の観測
こうした問題をすべて承知しながらも、Bui氏は、おそらく「1年ないし1年半後」にはGPLv3がGPLv2に取って代わるはず、と述べる。Bui氏にとって、GPLv3の成功の鍵は、無数のディストリビューションやその他ソフトウェアに含まれているコアのGNUユーティリティ群にあるという。「私の予測では、GNUプロジェクトのような随所で活用されていて商標化されていないコアのプロジェクトがこれまでどおりに採用されて再利用され続けるなら、それらが組み込まれる非常に多くのオープンソースプロジェクトもまたGPLv3になるという単純な理由から、GPLv3は最も有力なライセンスになるはずです。ええ、きっとそうなります」(Bui氏)。こうした流れは、GNUのものと同等のユーティリティ群が別のライセンスの下で開発されることがない限り、妨げられることはないだろう。
同様に、Brown氏もGPLv3の採用についてこう語っている。「(GPLv3の採用は)何年かかけて進むものだ。こうした検討には結論が出るまでに時間がかかるし、人々がライセンスの変更によって何が起こるかを理解するのにも時間がかかる」。Brown氏にとって真の問題は、今後フリーソフトウェアがどんな状況に直面するかである。「我々が守ろうとしている自由が脅かされていないと感じるような環境 ― つまりフリーソフトウェアにとって比較的安全な環境 ― にいる以上は、人々が慌ててGPLv3に移行することはないだろう。しかし、いずれは各プロジェクトがGPLv3、自分たちのいる環境、そしてGPLv3が自分たちのためになる点について検討するときが間違いなくやってくる」(Brown氏)
結局、FSFにとってGPLv3の成功を測る基準は、どれだけ広い範囲で利用されているかではなく、GPLv3によってソフトウェアの自由を守ることができるかどうかなのだ。「成功とは何だろうか。私が思うに、成功の意味について都合のよい目標値を定めることは重要ではない。我々にとって大事なのは、適当な数字を都合よく解釈することではなく、GPLv3の目的の重要性をどれだけ人々にわかってもらえるかという点だからだ。GPLがもたらす自由の価値がわからなければ、GPL採用の問題に自由が絡んでくることはない。単なる技術的検討の問題に終わってしまう」(Brown氏)
Bruce Byfieldは、Linux.comとIT Manager's Journalに定期的に寄稿しているコンピュータジャーナリスト。
