コンピュータ業界の報道に多数のあてこすりが見られることは認めざるを得ない。とりわけ、Linuxの目を見張る成長を認めまいとして次のような発言を載せる記事が非常に多い。「まあ、当然のことだろう。取りやすいところを早々に取り尽してしまった反動が来ているのだ」。
そうした評論家たちはこの20年間どこにいたのだろうか。それはちょうどMicrosoftがUNIXキラーを自称し、UNIX市場の全シェアを手に入れると公言していた時期にあたる。本当に、Linuxの増加がUNIXマシンのシェアを取り込んだ結果であって、その数がMicrosoftによるUNIXマシンのシェアの奪取よりも多い、つまり、Linuxの新たなインストール先になっているのがWindowsマシンではなくUNIXマシンであれば、彼らもそれほど問題にはしないだろう。Linuxは依然として、かつてMicrosoftが狙いをつけ、割り込んで、奪取を宣言したマシンを取り込み続けている。今やMicrosoftはUNIXから奪い取ると宣言していたサーバと獲得を目論んでいたマシンを失いつつあるというのが実状である。そして、それらを奪っているのはLinuxなのだ。これ以上説明は要らないだろう。
何年か前に出回ったある調査の内容を思い出した。小規模事業者はLinuxへの関心を失いつつある(翻訳記事)という調査結果で、それを発表したInfo-Techというカナダの調査グループはその結果の公表後にMicrosoftから金を受け取っていたのだ。Microsoftはこの作り話を顧客に吹き込むのに必死で、その調査結果を自社のWebサイトに貼り付ける始末だった。
2年前の状況を振り返ってみよう。Red Hatは四半期末の2005年2月28日に5750万ドルの売り上げを発表していた。ところが、今年の同じ四半期の売り上げは1億1110万ドルで2年前に比べて93%以上増えている。一体どこの会社がLinuxに対する関心を失ったのだろうか。これに対し、Microsoftの売り上げは、2004年の大晦日を最終日とする四半期末とその2年後2006年の同じ四半期で比べると、18%しか増えていない。Microsoftのほうは、取りやすいところを見つけることさえ難しいらしい。
要するに、Linuxは成長を続けているが、Microsoftのほうは(成長のために)最善の手を打ち続けているというわけだ。Linuxのユーザ層は日々増え続けて拡大しており、一方のMicrosoftは人々を欺く情報をばらまいている。Galli氏のほか、Peter Judge氏、Stan Beer氏といった評論家たちが ― 過去2年間の売上高の伸びがRed Hatの93%に対してMicrosoftは18%しかないという事実にもかかわらず ― Linuxの衰退を執拗に触れ回っていることに注意が必要である。もし、壁にぶち当たっている会社があるとすれば、それはLinuxベンダではないはずだ。
