このプロジェクトの目指しているものの1つが、あらゆる意味での完全なフリー化であり、追加設定をいっさい必要とせず、ユーザフレンドリで見た目も美しく親しみやすいディストリビューションを提供することが目標のようだが、残念なことに、そうした理想の中には機能的な完成や安定性は含まれていなかったようだ。
Vixtaはインストール対応型のライブCD形式で提供されており、言語としては英語とポルトガル語での利用が可能である。このライブCDにおける簡素なブート画面と対照的な過剰気味のブート出力という構成はそれほど印象的な組み合わせではなく、またせっかくの詳細なブート出力も途中で表示されるスプラッシュ画面によって残り半分が隠されてしまう。
ログイン画面をバイパスして出現するのは、スケールダウン版のKDE 3.5.7デスクトップである。デフォルトの壁紙は青い一輪の花とそれを取り巻く葉っぱというデザインとなっており、そこにアナログ時計とカレンダが表示されると、その段階でかなり込み入った印象を受けることになる。またアナログ時計とカレンダの表示位置が固定されているので、画面サイズによっては中央により過ぎていたり逆に画面からはみ出すことになってしまう。これらの小物はロックを解除して移動させることもできるのだが、次回のログイン時には元の位置に戻ってしまい、どうやら1280×1024画面のみに最適化されているため、デスクトップ全体のスケーリングが上手くいかないようである。
簡潔にまとめられた光沢ブラックのパネルには小振りのメニュー表示ボタンが配置されているが、これをクリックして表示されるメニューは実際にVistaメニューとよく似た外観に仕上がっている。この功績はKBFXテーマをうまくカスタマイズできているためで、同様のテーマはkde-look.orgで入手することもできる。
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| Vixtaのデスクトップ |
このメニューは2つのペインに分かれている。右側の領域にはInternetやSettingsといったメニューの見出しが一覧され、左側の領域には各見出しに属するアプリケーションという構成である。アプリケーションのリストが表示スペースに収まりきらない場合は、ペインの上下にスクロールバーが表示される。これらのアプリケーション群の見出しの下側には、KDEコントロールパネルのメインモジュールが一覧されている。こうしたメニュー構成は、パネルを何度も切り替えなければならない通常のKDE Kickoffメニューに比べて使いやすいよう感じられた。操作性に関しては、ペイン下部に配置された検索フィールドについても触れておくべきだろう。指定された検索用語に該当するものをピックアップするのは当然として、システムにインストールされていれば、メニュー中にないアプリケーションを起動させることも可能となっているのだ。
これらすべての要素が調和することで、Vixtaのデスクトップは美しくかつ独特なものに仕上がっている。
このデスクトップにはVixtaインストーラも配置されるが、それはFedoraのライブCDインストーラそのままであり、何のカスタマイズもされていない。パーティションの作成やファイルシステムの設定などのインストールステップは、すべてインストーラのガイドに従って実行するだけである。ただしこの方式でインストールされるのは標準システムだけに限定されており、ユーザによるパッケージ選択の余地はない。とは言うものの、ブートローダに関するいくつかのオプションは提示されるようになっており、またリブート後は、ユーザアカウント、rootパスワード、ファイヤーウォール、SELinuxオプションについての設定を行う必要がある。このインストーラについてはトラブルフリーであるかのように思われたが、後述するように今回の試用では1つの問題に遭遇することになった。
Vixtaには、ソフトウェアマネージャとシステムアップデータが同梱されており、簡潔にまとめられたインタフェースを介してFedoraリポジトリにアクセスすることができる。私の試した限り、両者を用いた追加ソフトウェアのインストールおよびFedora用アップデートの適用は、いずれもスムースに処理できている。ただしアップデートについては、ネットワーク設定とセットアップツールに関する若干のトラブルに遭遇したため、アップデート終了後にネットワーク接続を手動で再開させなければならなかった。
その他に同梱されているのは、Firefox 2.0.0.6およびOpenOffice.org 2.3.0のコンポーネント群である。
