多くの平均的ユーザから見れば、GNU/LinuxにおけるPDFファイルのサポートはかなり進んだように思えるだろう。PDFファイルの作成、表示、編集にはそれぞれOpenOffice.org、Kpdf、pdftkまたはPDFeditのようなプログラムを利用することができる。だがそれで終わりではない、と語るのは最近誕生したGNU PDFプロジェクトの創設者Jose Marchesi氏だ。「残念ながら、既存のフリープログラムには多くの機能が欠けている」。フリーソフトウェア財団(FSF:Free Software Foundation)がGNU PDFを最優先プロジェクトの1つとし、その進捗を速めるための寄付を積極的に求めている最大の理由はそこにある。
Marchesi氏はずっと前からGNUプロジェクトを支援してきた。GNUプロジェクトは、FSFとつながりを持つフリーソフトウェアプロジェクト群の統轄組織にあたる。彼は1999年にGNU Spainを創設し、その後GNU ItalyとGNU Mexicoの創設にも携わる。また、GNU Ghostscript、GNU gv、GNU Ferretの各プロジェクトでも貢献している。最初の2つには、PDFとの関わりが深いPostScript形式とPDFの双方をサポートする機能が備わっている。さらにMarchesi氏はGNUプロジェクトにおいて、内部コードの作成やWebページの編集など、自らが“突発的な仕事”と呼ぶ活動も必要に応じて行っている。
もっと優れたフリーのPDFサポートの必要性に最初に気付いたのはgvのメンテナとして活動していた数年前のことだった、とMarchesi氏は言う。2005年12月、Marchesi氏はgvで利用しているGhostscriptというPDFインタープリタの書き換えを試みるが、結局、技術的に実行不可能だとわかる。解決策はもっと基本的なレベルで問題に取り組むことだと判断した彼が、この問題についてFSFとGNUプロジェクトの各メンバーと話し合った結果生まれたのがGNU PDFだった。
