まとめ
TEDはどれくらい有能なのだろうか? まず一つには、ユーザが自分自身で見つけることのできないような何かをTEDなら見つけられるということはない。言い換えると、TEDを使うことによって得られるのは利便性だけだ。したがって例えば仕事のためなどで、ABC.comの「Lost」の無料ストリームが閲覧できない地域から離れることができないという場合には、その時の放映分を見逃さずに済むようにするためにTEDが役に立つだろう。
一方で「Larry Sanders Show」のような古めの番組の全放映期間に渡る全話を見たいという完全主義の人にとってはおそらくTEDは何も新たには見つけてくれないだろう。
私自身が試してみたところ、TEDの組み込みの番組データベース内の番組についても独自に追加した番組についても、現在放映中のものであればtorrentファイルを見つけることについてTEDは頼りになった。組み込みの番組データベースに含まれている番組は、放映期間や放映話数に関する情報がより新しいものの、番組データベースに含まれていなかった番組よりも発見できる確率が高いということはなかった。そのようなことから、torrentファイルを見つけることができるかどうかにもっとも影響を与えているのは番組データベースではなく組み込みのRSSフィードではないかと感じた。
一方、古い番組、特に放映話番号によって簡単に特定することができない番組については成功率はずっと低かった。深夜のトークショーなどの長寿番組はDVDでリリースされていなかったり、BitTorrentが生まれる前から放送されていたりするために、放映期間や放映話番号で番組を言及するという慣習があまりないようだ。
TEDの成功率はどうやら番組データベースというよりはフィードのデータベースの保守に左右されるようだが、どちらにしてもそのデータベースの質と量を維持するのにはTEDの活発なユーザから寄せられる情報が必要だ。TEDのフォーラムとwikiには、番組データベースとフィードデータベースを増やして最新に保つために協力したいボランティアが最初に見ておくべき情報が書かれている。
スクリーンショットを見る限り、(Linux上のJavaアプリケーションに関していつも不公平に感じる点であるが)TEDはWindowsとMacプラットフォーム上では見掛けがずっと良いようだ。とは言え、見たいのはテレビ番組なのだから、これが理由でTEDの使用を躊躇するべきではないと思う。
従来の方法でtorrentファイルを探すことと比べれば、TEDプロジェクトは大成功していると言えるだろう。しかしこの目的のためだけに独立したアプリケーションが必要かどうかと言われれば、必ずしもそうではないだろう。TEDが、AzureusのようなBitTorrentクライアントやBitTorrentに対応しているMiroのようなビデオ検索/再生ツールにプラグインなどの形で組み込まれれば、もっと幅広く普及するのではないかと思う。Miroに関してさらに言えば、今現在BitTorrentプロトコルのサポートはRSSやYouTubeの検索機能と比較してあまり注目されてはいないが、TEDのシリーズ物に特化したアプローチは、Miroの「ビデオを購読」するというモデルとうまく合うはずだ。
今後どのように進化していくにしても、TEDは、テレビ業界にもう一人、新たなテッドがいても良いということを示している。放映分の所在位置とそのダウンロードというのはニッチ的な問題だが、実際にその問題に直面すると、誰か他の人が既にその問題に取り組んでくれているということは非常に嬉しく感じる。
