まずは中国政府の打ち出した違法コピーの取り締まりが功を奏し始めたことが挙げられる。昨年2度に渡って出された中央および地方政府に対する海賊ソフトウェアの使用禁止令が、これら政府機関による低価格なLinuxデスクトップ用ソフトウェアの導入に拍車をかけたという訳だ。昨年の違法コピーの取り締まりは主として行政区から市庁舎レベルで進められたが、今年になってからは、かねてより海賊ソフトウェアの巣窟と見られていた町村レベルの行政組織にまで広げられている。その様な成り行きで、現在の中国におけるLinuxデスクトップ用ソフトウェアの売り上げは政府による購入が4分の1以上を占めるようになったのであるが、こうした政府調達分についてはRed Flag Linuxという中国産ディストリビューションがその先頭を切っている。
また、ホテル、宝くじ、通信企業といった産業ユーザによるLinuxデスクトップ用ソフトウェアの購入増加も本年の傾向の1つである。例えばCCW Researchのレポートでは、インターネット予約システムを整備するためのハードウェア/ソフトウェア購入が増えたため、中国のオンラインビジネスにおける本年のホテル業界の成長幅は30%以上を示すものと予想されている。この分野においてLinuxデスクトップ用ソフトウェアは、その低コスト性が評価されて市場占有率を大きく伸ばせたのである。
こうした市場拡大は、Linuxデスクトップ産業を後押しする形となっている。例えば2007年から2008年にかけて中国の農村部で購入されるコンピュータ数は600万台に達すると見られているが、これがLinuxデスクトップ用ソフトウェアの販売においても絶好の機会となるのに間違いはない。
ハードウェアベンダも中国市場におけるLinuxデスクトップ用ソフトウェアの販売促進に力を入れ始めている。例えばDellやLenovoなどのコンピュータメーカから中国人ユーザを対象としたLinuxデスクトップオペレーティングシステム(OS)のプレインストール版コンピュータが販売され始めたのも、この2007年のことである。Dellの場合、同社製コンピュータの一部にて、NovellのSUSE Linuxをインストールして中国市場に出荷するようになっている。
