| 変換すべきか、再スキャンすべきか |
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そもそも、なぜ、PCDのような古いプロプライエタリーなファイル形式を問題にするのだろうか。それはPhoto CDファイルが今も残っているからだ。PCDは広く使われた形式であり、ほんの10年前までフィルム・スキャンの最高峰だったのだ。
スキャン技術は年々大幅に向上しており、普及機では特に著しい。したがって、オリジナルのスライドやネガがあるなら、古いPCDファイルに拘泥するよりも、最新の機器を使ってスキャンしなおした方が品質の高いイメージが得られるだろう。とはいえ、PCDファイルを変換した方がよいケースが2つある。一つは、オリジナルがないか損傷している場合だ。理想的には決して起こりえない最悪ケースだが、いずれ無くしたり傷付けたりしてしまうものだ。その場合は、古いPCDスキャンを使うほかはない。 もう一つは純粋に実務的なケースだ。PCDファイルが大量にある場合、オリジナルのフィルムを再スキャンすると、ディレクトリー中のPCDファイルを一括変換するより、かなり長い時間を要する。フィルム・スキャナーのパンフレットに何と書かれていようが、高品質のスキャンは数秒では終わらない。したがって、Photo CDが大量にある場合、PCDを一括変換し、大きく印刷したいものや引き延ばしたいものに限って再スキャンするのが有意義な時間の使い方というものだ。 |
教訓
私がPCDサポートに関心を持ったのは、この記事のコラムに書いたケースの一つに該当したからだ。あるイメージを使いたかったのだが、オリジナルがなく、残っているスキャン・イメージの中でPCDが最良のものだったのだ。やむを得ず行った作業だが、お陰で、デジタル・アーカイブ一般、そしてアーカイブ形式の重要性について考えさせられた。
といっても、PCDに技術的な欠陥があったわけではない。単に特定メーカーの形式だったというだけのことだ。しかし、その唯一のメーカーが保守に関心を失ったとき、PCDは完全に死に絶えてしまった。もし生きのびていたとしても問題はある。公開された文書(Ted FelixはKodakのサポート文書を解読したのだった)があるにもかかわらず、多くのソフトウェア・メーカーが変換ユーティリティーを不完全に実装し出荷した。そして、いったん使われなくなれば、その正しい解釈はすぐに失われ、ImageMagickのようなオープンソース・プロジェクトにさえ、バグが忍び込んでくる。
この話には汲むべき教訓がある。今日、デジタル・カメラの大手メーカーは自社だけしか使わないRAW形式を採用しており、その多くは十分な資料が提供されていない。10年後、果たして.NEFや.CR2ファイルに簡単にアクセスすることができるだろうか。カメラ・メーカーに中立で仕様が公開されているAdobeのDNG形式でさえ、それを実装し提供しているのはAdobe、ただ1社だけだ。10年後もAdobeがあることは確かだろうが、私には、DNGもそうだとは言いきれない。そのとき、ImageMagickがあることを望むばかりだ。
