「思想的な面では、フリーソフトウェアを大いに支持している。だが、私の興味はずっと以前から効率的かつ透明性を備えた検索エンジンにある」とWales氏は話す。分散型WebクローラのGrub(昨年夏にWikiaが買収、その後すぐにソースコードが公開された)など、Wikia Searchを支えるフリーソフトウェア・テクノロジだけでなく、「編集上の決定が必要になるあらゆる時点で、そうした決定を社外そしてコミュニティに公表していきたい」というのがWales氏の決意である。
Wales氏は、利用者の検索にも使えるソーシャルネットワーキングのプロファイル、曖昧性解消のような機能、それに画像や定義など“コミュニティが役に立つと考えるあらゆるもの”を提示するためのミニアーティクル、検索結果別の5段階評価、コミュニティの活動によって検索結果の質を高めるためのホワイトリストおよびブラックリストといった機能について話してくれた。今回のアルファリリースで実装されているのはこれらの機能の一部だけだが(囲み記事を参照)、彼は興奮した口調で語った(この検索エンジンに携わるようになってからは、同じことを何度もあちこちで話しているはずなのだが)。
「これは新たな検索エンジンを作り出すプロジェクトだ」とWales氏は飾らずに言う。
| 初日のWikia Search利用結果 |
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Wikia Searchは、Googleのような著名な検索エンジンを普通に使っている人ならだれにでもすぐ使えるはずだ。検索項目の入力フィールドは1つだけで、詳細検索用のボタンはない。ただし、この入力フィールドではGoogleと同様の詳細検索が行える。たとえば、フレーズを引用符で囲んで入力したフレーズそのままで検索をかけたり、キーワードの前にマイナス記号を付けてそのキーワードを含むページを検索結果から除外したりできる。
また、検索結果の各リストの最上部には、定義、イメージなど補足的な結果を提示するミニアーティクルが表示される。検索結果のリンクは1ページに10件ずつ表示され、ボタンを押すと次の10件が表示される。それぞれの検索結果にはキャッシュ版へのリンクも表示されるが、このリンクは昨日の朝の段階ではまだ機能していなかった(この時点ではおそらくページの収集が一度しかされていないはずなので、キャッシュ版が存在しないのは当然かもしれない)。 だが、Googleの代わりとして使えるものを期待している人は不満を感じるはずだ。共同設立者のJimmy Wales氏は「公開初日の時点だと、収集済みURLは5000万~1億ほどに留まるだろう」と語っていたが、確かに検索のヒット数は少ない。たとえば"Free Software Foundation"で通常の検索をかけたところ、Wikia Searchのヒット件数が3,969なのに対し、Googleのそれは7,220,000件である。 今のところ、Wikia Searchの魅力は検索結果ではなく、付加機能のほうにある。検索結果にマウスカーソルを置くと、そのページに対する5段階評価が表示される。この評価は数値でも表示されており、クリックすると評価値の計算過程が参照できる。この評価方法は単独で見るだけでは不可解だが、別の結果と比較すればその計算の仕組みがわかってくるはずだ。 検索結果のページの右側にもWikia Searchの特徴が表れている。そこには、Wikiaのソーシャルネットワーキング形式のプロファイルを活用した利用者のマッチング機能、良質なサイトの上位10件、50件、100件をまとめた編集可能なホワイトリスト(Wikiaコミュニティによるもの、ない場合もある)、検索エンジンVisvo(検索インデックスをWikia Searchと共有しているらしい)へのリンクが存在する。 現状、付加機能はそれほど多くないが、Wikia Searchの効用を知るには十分といえるだろう。最初から検索結果の順位評価方法がわかっているので、検索エンジン最適化についてはノウハウや技よりも数学的なアプローチが効いてくる。だが本当の問題は、Wikia Searchの検索件数がGoogleやYahooに追いつくまで、これらの機能によって利用者をつなぎ止めることができるかどうかだ。 |
