既成概念で分類不能な新世代のユーティリティ
GNOME Doのような他のプログラムを起動するユーティリティのことは、通常“アプリケーションランチャ”と呼ばれている。ただしこうした動的な選択をするタイプとは対照的に、より一般的に使われているProgramsメニュー、パネル、“Recent Applications”ショートカットなどの静的なタイプもあるため、単にアプリケーションランチャと一括りにするのはその実態を正しく伝える名称だとは言い難いだろう。後者のタイプでアクセスできるのは、所有するアプリケーション群のごく一部でしかないからだ。確かに“Recent Applications”もアプリケーションを使用するごとに登録項目が変化するが、個々のアクセス時においてその表示内容は固定されているし、パネルやシステムメニューにあるランチャの登録項目もユーザによる変更はできるものの、これらは常用する特定アプリケーションに対するアクセスを簡単化しているだけに過ぎない。
GNOME DoおよびKatapultの場合、アクセス対象となるのは所有するアプリケーション全体であり、いわば手の届く等距離にこれらすべてを配置するようなものである。“Recent Applications”メニューでは目的とするアプリケーションが登録されていない場合もあるのに対して、これらのユーティリティではどのようなケースにおいても必要なアプリケーションに速やかにアクセスできる分だけ各自の生産性を向上させるはずだ。
私の場合、使用頻度の少ないアプリケーションを実行する際に、そのインストーラが起動用のメニューエントリをどこに配置していたかを推測できないことがあると、あれこれ探すために時間を無駄にすると同時に、フラストレーションが極限に達してしまいそうになることがある。そうした場合にGNOME DoやKatapultを使うと、コマンドラインでのTab補完機能を使用するのと変わらない手間でアクセスできて、非常に便利である。
またこれらのユーティリティはアプリケーションの検索と実行だけでなく、デスクトップファイルの検索などの様々な機能も統合されている。こうなると難しいのは、このようなタイプのツールに装備されている機能を余すことなくカバーすると同時に、その実態を端的に示す名称はいったい何かということだ。とりあえず“スーパーキーボードショートカット”というのはどうだろうか?
だがどのような名称で呼ぶにせよ、GNOME DoおよびQuicksilverクローン系ツールの普及によって、デスクトップ操作に新たな形態が取り込まれつつあるのは間違いがない。KDEの4.0リリースにおけるメインメニューの見直しや、GNOMEにおけるGimmieおよびGNOME Online Desktopプロジェクトなど、オープンソース式の開発形態によりユーザ体験の向上がもたらされるのは喜ばしい限りである。
