高速な接続を使用していても(今回のテストはすべて15MbpsのDSL経由で行なった)、想像していた通り、各操作の間にはやはりわずかな遅延があった。デスクトップの画像は圧縮率を高めているためにあまり品質が高くなく、ノイズが見られることも頻繁にあった。Ulteoセッションの起動前に接続速度の指定を行なうことができるのだが、画像の質やサービスの全体的な速度がその指定内容によって変わっているわけでもないようだった。興味深いことに画像の質は一定ではなく、あるセションでは画像の質が高かったのにも関わらず、また別のあるセッションでは圧縮率を高めたJEPGファイルのような画像になることがあった。推測に過ぎないが、もしかするとUlteoのサービスに同時に接続している接続数によって圧縮率が変化するようになっているのかもしれない。
現在のところサービスはプライベートベータ版となっているので、当然ながら欠けている点がいくつかある。まずサブスクリプションの種類や価格についての情報がない(Ulteo Storeのページはまだ作成中となっている)ことや、その他にも今現在はサポートがUlteoのウェブサイトのフォーラム経由でしか利用できないこと、文書がどこにも用意されていないということなどがある。とは言っても文書については、UlteoデスクトップがKDEデスクトップの縮小版に過ぎないため、あまり問題ではない――KDEについてのリソースはいくらでも見つけることができる。
全体的に言えば、Ulteoの前途は非常に有望だと感じた。Google DocsやZohoなどのウェブベースのオフィススィートと比べると、いくつかの重要な利点がある。例えばUlteoを使用した場合、文書のネイティブ形式のまま作業を行なうことができるため、文書形式の変換を繰り返し行なう必要もなくなり、また変換後の問題に対処するための時間も節約することができる。またUlteoでは使い慣れた環境やアプリケーションをまったく制限のない状態で使用することができるというのも利点だ。具体的に言うと、FirefoxやOpenOffice.orgでお気に入りの拡張を使用したり、手元のデスクトップのアプリケーションのユーザ設定をコピーしたりすることができる。さらに、共有フォルダやサーバをマウントしたり、他のユーザとデスクトップのセッションを共有したりすることもできることを考えると、Ulteoは非常に心をそそられるサービスのように思えてくる。
Dmitri Popovは、ロシア、イギリス、アメリカ、ドイツ、デンマークのコンピュータ雑誌で活躍するフリーランスのライター。
