Eliveの場合、画面/オーディオ関連の設定、ユーザの追加、プリンタのセットアップなどはElive Panelを介して行うようになっており、テーマ切り替えによるデスクトップのルック&フィール変更にも対応している。Elive Panelの操作法については、初心者であっても簡単に理解することができるだろう。各アイコンの機能については、パネル上のアイコンにマウスポインタを重ねることで、パネル下部に説明文がスクロール表示されるからだ。このパネルはElive独自の仕様であり、同ディストリビューションを特長付ける優れた機構であると評していいだろう。
Eliveはハードウェアサポートの面でも秀でている。例えば私のCanon製デジタルカメラを接続したところ、数分と待たされることなくGtkamでの作業ができる状態になってくれた。同様にネットワークカードを動作させるにあたって必要とされたのも、Elive Panelを開いてワイヤレス接続を有効化させることだけである。これと対照的だったのが妻のVistaマシンにおけるワイヤレスネットワーク接続で、こちらの設定作業には1時間半もの手間がかかってしまった。
また一方でEliveには未完成な部分も残されており、この種の問題は特にアプリケーション関連の部分にて散見される。その1つがIceweaselで頻発する突発的なクラッシュである。例えば同ブラウザ上でYahoo! Mailの送信ボタンをクリックすると常にセグメンテーション違反が発生してしまうのだが、この件に関してはその後Debianフォーラムを調べたところ、TrueTypeフォント設定をオフにすることで解決できることを確認している。その他の事例では、オーディオ関係のメニューにあったElive Essenceというオーディオストリーマを試してもサーバに接続できないというマイナーなトラブルに遭遇した。手こずらせられたのはテーマ関連の設定についても同様である。この設定も他の項目と同様にメインのElive Panelにあると思っていたのだが、Eliveの場合はLook n' Feelという独立した設定コンポーネントになっていたのだ。しかもその設定メニューではEnlightenment 16およびEnlightenment 17というアイコンが表示されるものの、現状でどちらが有効化されているかが何も表示されないのである。試しにE16を選択してからバックグラウンドセレクタに移動したところ、Elive Panelに戻ってしまった。その他にもElive Panelはデスクトップ上での移動ができないようであり、これは些細な問題のようにも感じられるが、パネル背面に表示されている内容を確認したい場合には不都合となるはずだ。
こうしたEliveを開発しているコアチームは非常な小所帯であり、同ディストリビューションの構築にフルタイムで携わっているメインの開発者もSamuel Baggen氏1人だけであるため、ダウンロード時にはPayPal経由によるプロジェクトへの寄付金が求められるシステムになっている。
ディストリビューションを支えるユーザコミュニティとしては、Eliveフォーラムが活発な活動をしており、またIRCチャンネルでも常時20から30人のユーザによる質問と回答のやりとりが行われているようだ。
本稿でも言及したようにマイナーな問題点がいくつか残されているものの、Eliveの総評としてはUbuntu/Knoppixに対抗しうる手堅い構成のディストリビューションと見なしていいだろう。
Mark Scheckは、IPC Information SystemsにてUnixシステム管理者として活動しており、SunOS時代からのUnixユーザでもあると同時に、LinuxについてはRed Hatがフロッピー形態で配布されていた当時からの使用経験を有している。
