/procディレクトリは不思議な存在だ。本当に存在しているわけではないのだが、ディレクトリ内を見て回ることができる。ディレクトリ内にある各ファイルの容量は0で、バイナリでもテキストでもないのだが、ファイル属性を確認したりファイルの中身を表示したりすることができる。この特殊な/procディレクトリには、カーネル、プロセス、設定用パラメータなどに関して、Linuxシステムについてのあらゆる詳細な情報がある。そのため/procディレクトリを学ぶことで、Linuxのコマンドの仕組みを学んだり、さらにはシステム管理的なことをいくらか行ったりすることなどができる。
Linuxではあらゆるものをファイルとして扱うようになっていて、例えばデバイスさえも(/devディレクトリ内の)ファイルとしてアクセスする。「普通の」ファイルは、テキストファイルかバイナリファイルのどちらか(ことによるとデバイスファイルやパイプファイル)だと考えているかもしれないが、/procディレクトリにあるのはもっと珍しいタイプのファイル――仮想ファイル――だ。仮想ファイルはlsで確認することができるが、ディスク上に実際に存在しているわけではなく、ユーザがファイルを読もうとしたときにオペレーティングシステムが動的に生成する。
大半の仮想ファイルのタイムスタンプは常に現在時刻になっているが、これは絶えず更新され続けているということを表わしている。なお/procディレクトリ自体は、マシンの起動時に毎回作成される。一部のファイル(プロセスに関連するものなど)はプロセスを起動したユーザが所有しているので、/procディレクトリのすべての部分を見るためにはrootユーザになる必要がある。ほぼすべてのファイルは読み取りのみ可能だが、書き込み可能なものもいくつかあって(代表的なものは/proc/sys)、それらのファイルを利用すればカーネルのパラメータを変更することができる(ただしこれを行う際には注意が必要だ)。
