ユーザが定義する変数と関数のセットは、1つのリソースファイルにまとめておき(その拡張子は通常.calとする)プログラムに一括で読み込ませることもできる。リソースファイルの記述構文はインタラクティブシェルのものと同じである。ここでは、化学の授業で原子量の計算を頻繁に行うという状況を考えよう。下記のサンプルはそうした計算で使用する各種の変数、関数、コマンドをperiodic.calというリソースファイルにまとめたサンプルである。
#!/usr/bin/calc -i read H = 1.00794 He = 4.0026 Li = 6.941 Be = 9.012182 B = 10.811 C = 12.0107 N = 14.0067 O = 15.9994 ## (以下省略) print "You are using the periodic resource for calc."
こうしたリソースファイルの読み込みは「calc -i read periodic.cal」といった構文のコマンドで行える。あるいは「chmod +x periodic.cal」というコマンドで実行可能にしておけばリソースファイル本体を直接起動させることもできる。リソースファイルの読み込み後、そこに登録されている変数については下記のようにそのまま利用可能となる。
You are using the periodic resource for calc.
; ## 以下インタラクティブシェルにての計算例
; O
15.9994
; C+O*2
44.0095
;
Linuxユーザの大半はコマンドライン一本槍ではなく、同時にXも実行させていることだろう。そうした環境にてCalcを手軽に使用するには、atermなどの仮想ターミナルを用いて「aterm -e calc」や「aterm -e calc -i read /pathtoyourresource/periodic.cal」などの構文で起動させるのも1つの方法である。また最新バージョンのCalcにはバグがあり、存在しない関数を呼び出そうとすると終了してしまう。こうした現象についてもCalcの強制終了の影響を受けないタイプのターミナル上で計算をするようにしておくと、途中まで入力したCalc用の計算式を単なる関数名のタイプミスで失う危険性などを回避することができる。
コマンドライン愛好派のユーザであれば、電卓計算程度でGUIに切り替えたくないという人間も多いだろう。そうした場合は本稿で解説したCalcなどのアプリケーションを利用すれば、マウスに手を伸ばすことなくキーボード操作だけで電卓以上の複雑な計算を処理できるはずである。
Ben Morganはセネガルの学生で、2002年からのLinuxユーザである。
