アップグレード作業を開始したのは午前11時、それがようやく 完了したのは翌日の午前6時半だった。もちろん睡眠をとる間は作業が中断されていたが、それにしてもかなりの時間だ。これに対し、先に別のデスクトップ機で行ったクリーンインストールのほうは1時間しかかからなかった。
アップグレード作業は、アップグレード用ツールのダウンロードから始まる。続いて、「新しいソフトウェアチャンネルの設定」という処理が行われる。ここでは、現在インストールされているアプリケーションを最新版にするのに必要なレポジトリを調べるようだ。これらの処理は2つ合わせても30分とはかからなかった。
最も時間を要したのは、新しいパッケージのダウンロードだった(約12時間)。ダウンロードが遅かった最大の理由は、きっと私以外にも大勢の人が同じ時間にダウンロードを行っていて1人あたりの帯域幅が減少したためだろう。アップグレードの実行があと数日早かったら、8.04のISOイメージ全体をダウンロードしてメディアに焼くのに1時間もかからなかったはずだ。新しいパッケージのダウンロードに予想以上の時間を取られたので、念のため、変更を適用する前にメールのバックアップをもう一度取ってからメーラを終了した。
次は、新しいパッケージのインストールと設定だった。この作業にかかる時間もまたクリーンインストールの場合より長くて、私のマシンでは1時間ほどだった。作業が始まってすぐにプログレスバーの示す残り時間は33分になったものの、その後しばらくは残り時間が逆に増えていく始末だった。結局、そのまま放っておいて眠りに就いた。対話式の操作が求められるアプリケーションが2つ(CUPSとPostgreSQL)あったため、翌朝マシンの前に戻った際には以前の設定ファイルをそのまま使うか、別の設定に変えるかを選択する必要があった。
それ以降のアップグレード手順(クリーンアップとリブート)はすんなりと済み、やっとのことで目の前にUbuntu 8.04の画面が現われた。作業開始からほぼ丸一日が経っていた。しかし、メールのアカウントやデータはアップグレード前と同じ状態で残っており、ブラウザのツールバーやブックマークもそのままだった。
どちらを選ぶべきか
アップグレードとクリーンインストールの両方のやり方でUbuntu 8.04のインストールを体験した私が選ぶのはどちらの方法だろうか、またほかの人にはどちらを勧めるだろうか。実は、その答えは必ずしも一致しない。
両方やってみた身としては、間違いなく「クリーンインストール」を支持する。その方がずっと速いし、誤りの入り込む余地が少なくて確実だと思えるだけでなく、インストール中に管理上のあらゆる決定が行えて新規インストール環境の動作をより広い範囲で管理できるからだ。
しかし、クリーンインストールがだれにとっても正しい選択であるとはいえない。私が思うに、判断の基準となるのは以下のような点である。以前の環境と同じ状態ですぐにシステムを使えるようにすることを重視するベテランのUbuntuユーザはアップグレードを、Ubuntu関連の問題に対処できる自信がない、またはシステムをすぐにこれまでと同じように動作させることよりも最新かつ最大規模のパッケージを揃えることを重視する人はクリーンインストールを選ぶといいだろう。
幸いなことに、私の環境ではいずれの方法で手に入れたUbuntu 8.04も問題なく動作しているようだ。
