UbuntuのISOイメージは、ライブCDとインストーラの両方の役割を果たす。インストールの実行を選ぶと、Xサーバが起動してライブCD環境にあるのと同じインストーラが立ち上がる。ライブCDのほうは、デスクトップ画面が出るまでに2分45秒かかったものの、出だしは上々だった。まず、X環境の画面が真っ黒になるのを避けるためのnoapicブートオプションの指定が必要なくなったことに気づいた。NVIDIAのGo 6150グラフィックチップと液晶ディスプレイの組み合わせという私の環境ではXorgのnvドライバを使って解像度が1280×800に設定され、ALTEC LANSINGのMCP51サウンドチップも有効になり、正しく機能していた。また、Broadcomの4311無線チップが動作しなかったのは予想どおりだったが、有線のイーサネットチップは問題なく動作した。
この時点で、ハードディスクへのインストールを行うために、これまでのいくつかのバージョンでも使ってきたおなじみのインストーラを起動した。このインストーラで最初に気づいた変更部分は、タイムゾーンの設定画面だった。マーカー上にカーソルを持っていくと、その部分の地図が拡大されるようになっていた。操作は若干難しかったが、従来のドロップダウンメニューも使えるので問題はない。
パーティションの設定画面にも目新しい点があった。「Guided」オプションではパーティションの分割状況がグラフィックで表示され、境界を動かすことでWindowsパーティションのサイズを調整できるのだ。私のハードディスクは分割済みだったので、「Manual」オプションを選択した。また、これまでのバージョンではMigration AssistantによるWindowsの壁紙やユーザアイコン、ブックマークのインポートができなかったのだが、今回は正しく行えた。インストーラの実行は無事に終わり、続いてGRUBをUbuntuのルートパーティションにインストールした。こちらもうまくいき、マシン上のほかのシステムがすべて検出され、きちんと表示された。以前のバージョンでは、一部のシステムしか表示されなかったのだ。ハードディスクにインストールすることで、Ubuntuのブート開始からログイン画面が出るまでの時間は36秒になった。同じマシン上のほかのLinuxディストリビューションと比べても同等またはそれ以上の速さだ。
今回のリリースには、UbuntuをWindowsパーティションにインストールするWubiというWindows用のインストーラも含まれている。設定オプションが数個だけのきわめて簡単なインストーラだが、私のWindows XPが格納されたNTFSパーティションでは問題なく動作していたようだ。この方法でインストールを終えると、Windowsのブート画面でUbuntuが選べるようになる。Ubuntuが起動してログイン画面が出るまでに51秒かかるが、各アプリケーションもきちんと使えている。ただし、ネイティブのUbuntu環境と比べるとアプリケーションの起動に少し時間がかかる。OpenOffice.orgの起動に15秒、Firefoxでは6秒といったところだ。ハードウェアサポートの面もネイティブの環境と変わりなかった。以前のWindows用インストーラに比べるとかなりの進歩といえる。
外観の印象
Hardy1_thumb.jpg
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| Policy Kit |
このところUbuntuは新規ユーザのほとんどにとってLinuxの顔とも呼べる存在になっている。よって、第一印象が重要になってくる。初めてこのリリースをブートして最初に目に留まるのは、新しいログイン画面とデスクトップの背景だろう。ログイン画面の趣向は控えめだが、背景の壁紙には暗い琥珀色の地に派手なサギ(heron)の姿が描かれている。実は、茶系の色を使ったディストリビューションがほかに見当たらないのにはそれなりの理由がある。茶色は見た目に美しくないからだ。この点に関して言えば、Hardy Heronはパッとしないディストリビューションである。
今回のリリースで特にわかりやすいの変更点の1つが、一部の管理ユーティリティに見られる「Unlock」という新しいボタンだ。これまでは、Time and Date(日付と時刻の設定)のような管理ツールを開く前にパスワードの入力が必要だった。こうしたツールがパスワードなしでも開くようになるのだが、パスワード入力を省略するための変更手続きにはやはりパスワードが必要になる。認証ユーティリティでは、デフォルトのセキュリティポリシーをツールごとに設定できる。設定の変更については、だれでもパスワードなしで行えるようにする設定から、あらゆる変更を禁止するものまで、自在に決められる。このバージョンで新たに登場したPolicyKitは、マルチユーザシステム(特に子供とマシンを共有する場合)や複数のクライアントを管理できるネットワークツールとの連携において役に立つ。だがシングルユーザの環境ではありがたみが感じられず、また新規ユーザにはとっつきにくいインタフェースになっている。
