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Brad Neuberg氏とGoogle Gearsが描くWebの未来

2008年05月15日 11:31 Bruce-Byfield(2008年5月12日(月)) 1 2 3
 「思いも寄らないようなことをブラウザにさせたい」というのがBrad Neuberg氏の口ぐせだ。Google Gearsの開発推進役として、Neuberg氏は広い視野でこの好奇心を追求している。そこには意欲的な開発者の枠を超えた思いがあり、何度もカンファレンスで講演をしている者としての一面も伺える。Gearsは単にインターネットのコンテンツをオフラインで扱う手段(これまでのGoogle ReaderやGoogle Calendarのようなアプリケーションにおける主要機能)ではなく、Webの自由を守るのに役立つ普遍的なブラウザの更新メカニズムとしても期待できる、というのが彼のメッセージである。

BradNeuberg.jpg
Brad Neuberg氏

 Neuberg氏は多くの点から、GoogleのGearsチームがオフライン作業に注目するのはごく自然なこと、と考えている。まず、かつてオフラインで使えるWebベースの協調型ワープロを実現したいと考えていたNeuberg氏は、有名なJavaScriptおよびAjaxライブラリであるDojo Toolkitの主要コンポーネントの2つ、Dojo OfflineDojo Storageの作者でもある。また、自ら手がけるKiwiという名のWikiのオフライン化に取り組んできたほか、営利企業RojoによるWebベースのフィードリーダにも携わった。「私が考えてきたのは大体、新しいタイプのブラウザやWebを生み出す方法、つまり、それまでの常識にとらわれずにブラウザやWebを活用することだった」

しかし、こうしたふさわしい経験を持ちながらも、Neuberg氏はGoogleに加わるのをためらっていたことを認めている。同社の支援を受けることがGearsの普及と長期的目標の達成にとってプラスになるかどうかに不安を感じていたのだ。「正直に言うと、この問題のせいでGoogleに入ったときの気持ちは複雑だった。オープンソース支持者でAjax使いである私が本当に活躍できる場所がGoogleにあるのか、しっかりと確かめたいと思った」。はじめは「Google」の名を冠したプロジェクト名にさえ戸惑いを覚えたという。

 しかし、半年間Googleで仕事をしてきたNeuberg氏は、自分の選択が正しかったことを確信しているようだ。「これまではとてもうまくいっている。私がやっているのは、開発者とWebのためを思って意見を述べること。開発者にとって大事なことを社内の人々を伝えるのにかなりの時間を割いている」

 Neuberg氏がGoogleで過ごす時間の多くは、特定のオープン規格の採用を主張したり、小さな会社のGearsへの参画を提案したりするのに使われているという。「イノベーションは小さな組織や草の根の活動から生まれるものだ、と自分は信じている。重要な鍵を握る人物であれば、社外の人材を参加させることもある。そういう場合は、そのままオフィスまで引っ張ってくる」。また、Gearsコミュニティや関連プロジェクトからの批判を社内に伝え、Googleが不満の声に耳を傾けて対処してくれるのを確かめることもある。

 Googleの外に出ると、それがWeb上であれカンファレンスの場であれ、Neuberg氏は多くの時間をWebに注力するフリーソフトウェア・プロジェクトとのやりとりに当てている。「GearsとYUI(Yahoo User Interface)の統合をもっと密にしたい」とNeuberg氏は言う。また、Mozillaのオフライン機能を開発している人々とも個人的なつきあいがある彼はこう語っている。「Mozillaとは積極的に情報を交換していきたい。Webを新たなものにして機能を強化し、もっと多くのものを扱えるようにするという目標は、彼らと同じだと思うからだ」

最終更新:2008年07月15日 17:07